『敷居が高い』『すべからく』 格式が高いわけじゃないんで、するべきことやらないから行き辛いだけだから
カタカタ。
キーボードを叩く音が響く。
画面に文字が生まれては消え、物語が想像されていく。
この文章しかない世界の神様は僕である。
僕が生み出した、僕の頭の中にしかない世界。
それを作り出すのは僕の指だ。
文章を生み出すことは楽しい。
夢中になれる。
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彼女が僕の為に選んでくれたお店は超がつくほどの高級店だった。
ドレスコードがあるようで、僕はわざわざデートなのにスーツを着てこなければならなかった。
『あー、庶民の俺には敷居が高い店だよな……』
スーツなんて普段着ない。おかげで周りがみんな俺の事を見て変だと言ってるように思って不安になるのも仕方がないことだろう。
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「はーっくしょん、呼ばれて飛び出てジャジャジャジャーン!」
「レッコン、それはクシャミをした本人が出てくる条件じゃないよ!」
「細けぇこたあどうでもいいんだよ! それよりも誤用だよ誤用!」
「最近は雑だね!」
レッコンは僕の言葉を無視して僕の書いた文章を指さす。
「ここからここの範囲で誤用があるよ。何処だかわかるかい? なんとなくでいいよ」
「ここからここまでか……うーんと、もしかして『敷居が高い』?」
「おっと、まさか分かるとは思わなかった!」
「よっしゃ! なんとなくそんな感じがしたから」
「まあ、なんとなくそう思うなら辞書を使いなよって思うんですけどね」
「うぐっ……」
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『敷居が高い』
誤用としては格式が高く自分には分不相応なこととして使われている。
本来の意味は義理を欠いたり、迷惑をかけたりした人の所へ行き難い時に使う言葉。
例)何年も連絡していなかった為、今さら実家に帰るのは敷居が高い。
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「なるほどお」
「なるほどお、じゃないよ。全く君は作家志望なんだからすべからく調べるべきなんだけどね」
「全部なんて調べられないよ」
「えー、それも間違えるの……」
レッコンは額に手を当てて溜め息を吐く。
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『すべからく』
当然やるべきこと、是非やるべきことの意。
誤用としては全て、皆として使われる。
頭のいいキャラや偉いキャラに言わせがちの台詞なので注意。
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「天才を描きたい時は勉強しなきゃだめだよ」
「ほら、天才でも頭がいいじゃなくて発想力の人もいるじゃない」
「そうすると、君がかく小説には発想力はある人か一般人か馬鹿しかいないことにならない?」
「……そんなことないよ?」
「頭を良く見せるならそのキャラクターの記号として言葉づかいや言葉選びは大事になるからね。偉い人を書く時もそうでしょ?」
「はい……」
レッコンのお説教は正論なのであった。




