『失笑』『苦笑』『爆笑』『笑いに関する言葉』 それ笑ってないんじゃなくて、もろに笑ってます ※9/27追記
僕は今日もキーボードを叩く。
いつもは異能力で敵を倒すお話ばかり書いているけど、たまには頭を使う話を書いてもいいよね。
そう思って書き始めたお話。
僕の思い描く天才で嫌みなキャラクターを登場させる。
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『はっ……! その程度で勝った気になっているとは、失笑ものだな!』
『な、なんだお前は!?』
『俺か? 俺はこの田中太郎コーポレーション代表取締役の息子、田中一太郎だ!』
これが、僕と天才である一太郎との出会いであった……。
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「ふぇーっくしょん! ふぇーっくしょん! 台無しだ! 台無しだ!」
「うわっ! 僕の顔面にくしゃみをかけないでよ、レッコン!」
「これはくしゃみを顔面にかけたくもなるよ! それくらい台無しだよ!」
「まったく! 汚いんだから……。それで、何が台無しなのさレッコン」
僕は顔をタオルで拭きながらレッコンに訊ねる。
すると、レッコンは僕を馬鹿にしたように笑いながら一文を指差す。
「ここだよここ、『はっ……! その程度で勝った気になっているとは、失笑ものだな!』って言うところさ」
「え、此処の何がおかしいの?」
「失笑の使い方がおかしいよ」
「え? 失笑って相手を貶したり、馬鹿にしたりする時につかう言葉でしょ?」
「違う違う」
レッコンはホワイトボードを取り出し、すらすらと字を書いて行く。
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『失笑』
笑ってはいけない場で思わず笑ってしまうこと。
例)会議中だと言うのに、会長のズラが傾いていたせいで失笑してしまった。
おそらくだが、失笑という字面から場面を想像した時に、『鼻で笑う』ような笑い方を想像した為だと思われる。作者も勘違いしていた時はそんなシーンを想像してましたので。
表現する時は苦笑、冷笑、憫笑が良さそう。苦笑は誤用の方が認知されているので避けた方がいいかも。
※追記
失笑される、と表記した場合見下す色のある表現になるようです。
自分がする場合は見下しの色はないので注意。
日本語って難しいですね。
笑っていけないシリーズでの状況が一番分かりやすい?
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「失笑には相手を馬鹿にする意味はないんだ」
「ええ、じゃあこう言う場合はどうするの?」
「これかな」
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『嘲笑』
相手を見下したり、馬鹿にして笑う。
例)僕が失敗した時、あいつはあからさまに嘲笑した。
『鼻を鳴らす』
鼻で息をもらして嘲る様子。
例)いけすかないイケメンは僕の顔を見て鼻を鳴らした。
『鼻で笑う』
相手を見下して笑う。
例)そいつは眼鏡を指で上げながら、鼻で笑った。
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「そっか、僕はてっきり笑いも出ない位ばかだな、なんて思ってる時に思ったよ」
「仕方ないとは思うよ、結構間違えられている言葉だからね」
「じゃあ僕も一般的だね」
「どんな風に表現してほしい? 冷笑? 物笑い? 憫笑? 君が間違えた失笑でもいいよ?」
「普通に笑い飛ばして!」
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おまけ
『苦笑』
自分もしくは他人の行動や状況に対し、愚かさ、滑稽さに対して不快感をもったり、困惑しながらもしかたなく笑うこと。
例)電車の中で騒ぐ同級生達のノリに着いていけず、周りが楽しそうに笑みを浮かべる中で苦笑した。
苦笑の誤用は台詞とセットになって生まれたのではないでしょうか。
『「仕方ないな」と彼女は苦笑した。』と表記された場合、おそらくほとんどの人は正の感情を抱いてるシーンを想像してしまいそうです。
しかしながら、心情的には『こいつ、うぜえなあ』等のイライラを笑いで誤魔化している、負の感情を抱いている描写なので注意。
『爆笑』
沢山の人間がドッと笑いだすこと。
例)僕の高度なギャグにより、クラス中が爆笑した。
※最近では言葉の意味も変化してきているので別に気にしなくてもいい。雑学程度に。
※例)校長のズラがズレているのを見て爆笑した。
『笑い飛ばす』
問題にしないで笑って終わらせる。
例)仕事のミスを上司は心配するなと笑い飛ばした。
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