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『的を得る』『的を射る』 誤用だと思ってたら誤用じゃなかった……こんな事例もあるんだね

嘘だろ?!と思って調べたらツイッター上でありました。

三省堂の辞書をお持ちの方、確認お願いします。

 レッコンのレッスンにより、誤用の数も少しずつ減って来た僕。

 そんな僕はなろうで小説を読んでいると誤用が気になるようになってきた。



「あれ、この人も誤用してる。僕もレッコンがいなかったら誤用してたな……」



 僕が見つけたのは的を得るだ。

 これは僕でも知っている誤用で、結構話題になっていた。



「感想で注意して上げよっと」

「ちょーっとまった!!」



 感想を書こうとした瞬間、レッコンが突っ込んできた。



「ええ?! どうしたのレッコン」

「まった! 待った ウェイウェイウェイ!!」

「お、おう……」



 レッコンがかつてない勢いだったので僕はレッコンが落ちつくまで待った。



「……お待たせ。君は的を得るを誤用だと思ってるんだってね」

「うん、色んな人がそれを誤用だって知ってるよ。僕も教えてもらって覚えたんだ」

「そう……実はね……、的を得るは誤用じゃないんだ」

「ええ!? なんでどうして!?」



 レッコンは短い手を組んで天井を見上げる。

 そこに答えはない。あるのは蛍光灯だけだ。

 しかし、レッコンの視線はそこではない遠くを見つめている。



「簡単に言うけどね。それ、実は国語辞典が間違ってたんだよ」

「こ、国語辞典が間違ってた!?」



 僕は驚きのあまり、レッコンのふさふさな狐っぽい尻尾を掴む。



「国語辞典が間違ってるってどういうことなのさ」

「ちょ、尻尾は、あん、説明するから離して、ちょ、離して、離せ!!」



 ティラノサウルスっぽい口を開いて威嚇するレッコン。

 怖い。



「国語辞典も編集している人がいるんだ。その人が言葉について調べたりして国語辞典は作られているんだけど、その人の解釈で『的を得る』は『的を射る』の誤用だってされていたんだ」

「ふんふん」

「でもね、2013年にそれは撤回された。的を得るの『得る』は『うまく捉える』という意味があるとして誤用ではないと判断されたのさ」

「う、うそだ……、国語辞典が間違ってるなんて……!!」

「残念ながら、その編纂者本人が青い鳥で謝罪をしたのさ」



 僕はその事実に驚いた。



「こんな……こともあるんだね……」

「そうだよ……、言葉ってのは生きてるし、それを伝える人も人間なのさ……」



 僕とレッコンは天井のその向こう、青い空のそのまた向こうの言葉の神様がいるであろう世界を見つめるのであった。

 勿論、答えは来なかったけど。




 # # # # # #


『的を得る』


 長らく、『的を射る』の誤用だとされていたが2013年12月15日において誤用とした国語辞典編纂者本人から撤回・謝罪の言葉がツイッターにて発表された。

 的を得るも的を射ると同じく、的をうまく捉えることから、要点を掴むという意味で使われる。つまり、どちらも正しい。


 誤用だと認知されていること事態がそもそもの誤りという珍しい事例なんじゃないだろうか。

 筆者も誤用だと思っていました。


 # # # # # #

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