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第0話 プロローグ

古びた酒場に、コツコツと響く靴音。

怪しく揺れるランプに、従うように一つの人影が揺れている。


「あんたさぁ…臭いよ?」


声をかけられた男は、抱えてた酒瓶を置き眉をひそめる。

自分の前に立つ女。


腰ほどまである金の長髪を揺らし、ピタッと肌に張り付くような服を着ている。

それが服かどうかはわからないが、そのおかげで強調されたスタイルは、大多数の男を魅了すること間違いないだろう。

引き締まるところは引き締まり、出るところは出ている完璧なプロモーション。


男は、文句であろうとこんな女から声をかけられたことに下卑た笑みを浮かべ、言い返してやろうと女の顔を見上げる。


と、そこで、男の顔に張り付いていた笑みが消える。

代わりにダラダラと玉のような汗を流し始め、唇がワナワナと震えだす。


「お、お前はっ」


目の前に立つ人物が、自分に対する圧倒的な捕食者であると本能が告げる。

逃げようとするも、体が言うことを聞かない。

まさに蛇に睨まれた蛙といった有様であった。


いや、この場合は…

魔女に睨まれた悪魔と言うべきか。


「ふーん?ランクD悪魔・嘘吐きのモリスか…小物だけど宿代くらいにしかなるかしらね?」


女の手が無造作にかざされる。

男の(かたち)をした悪魔は、何をされたかもわからなかった。


「ぐぎゃぁぁあ!?」


ただ、自らの肉体が限界を迎え、灰に変わっていくのがわかった。

同時に自分の魔力が形を為すのがわかる。


今まで何度か見たことのある光景が、今自分に起こっている。

つまり、悪魔の死。


だが、わかったところでモリスには、できることなど何もなかった。


「回収完了」


女は、自分の手の中に収まった紫色に輝く小さな石を握り呟く。


用は済んだと言わんばかりに、身を翻し、呆然とことの成り行きを見ていた他の客を無視して店の外へ出て行った。


ここはアーデビルク。

人に化ける悪魔が跋扈し、悪魔を狩る「悪魔狩り」と呼ばれる者達が活躍する世界。


これは、そんな悪魔狩りの中でも異端な、魔女と呼ばれし一人の狩人の物語である。

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