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想いはやがて星になる  作者: 二階堂隆一
8/9

アハト

 階段を上がると、マルカの凛とした後ろ姿が視界に入る。

「やあ、マルカ。何を見ているの?」

 と、僕は声をかけた。

「海よ、海を見てるの」

 マルカは海の方に眼をはせて呟いた。

「海か、海ねぇ。こう暗いと、波の音しか聞こえないね」

「夜の海はきらい?」

「いいや、好きさ」

 僕は、マルカの嘴をそっと撫でた。

「もう、行くんだろ?」

「……」

 マルカは黙ったまま、静かに俯く。

「いつ、戻ってくるんだい?」

「わからない。一年後かもしれないし、十年先になるかも……」

「―そうか」

 ぼんやりとマルカが滲み、涙の気配を感じた。

「いつかまた、会えるよね?」

「もちろん、僕はずっとずっと君を待つつもりさ」

「ほんと? 約束してくれる?」

「ああ、約束する。だから、君も僕のことを忘れないでくれ」


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