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想いはやがて星になる  作者: 二階堂隆一
6/9

ゼックス

「んん、わかんない。初めて食べたから……」

「そっか、そうだよね」ははは、と声に出して笑った。

 僕は、マルカのことを知ろうと思い、ひとつ質問をしてみた。

「いえ? なあにそれ?」

 マルカは、表情をくもらせた。

「住んでいる所だよ。つまり、その、マルカはどこから来たの?」

 マルカは例のごとく、青い眼をうるうるさせて僕を見る。

「僕はね、あそこ、見える? 小さな町に住んでいるんだ」

「高倉のいえ?」

 遥か遠く、うっすらと見える陸地を見つめる。

「そう、あれが僕の家。マルカはどこからやってきたの?」

 マルカは少しの間考えてから、眼先を大空に向け、

「飛んできたの。ずううっと向こうから」

 と答えた。

「そうか、そうだよね。君は鳥だものね」

 僕たちは、冬の乾いた風がなびく崖の上で時間の許す限りたくさんのことを話した。

 マルカがなぜ人間の言葉を理解できるのか、それは分からない。

 けれども、マルカと一緒にいると、なぜだろう妹を見ているような、そんな気持ちになるのだった。


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