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華嫁(はなよめ)の定義  作者: 桜幕
第1章
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24話 平和?



エストルダ大帝国に戻れたのは良かったけど異世界エスラルードでの滞在期間が三日間しか残っていなかった。

いつも異世界エスラルードに滞在する日数は15日と決めていた為、あんな事があったがそれ込みの滞在期間で日本に戻る事にした。

いくら召喚された時間に戻れても、何となくだが自分の中で決めていた。

それに、再び日本時間の二か月後に夏休みに入る為、異世界エスラルードで長期滞在するので、それで納得してもらった筈だったんだけど……


「イマリと残りの三日は僕が一緒に過ごすんだから、兄上は仕事してよ!!」


私の右腕にダレンが腕を回し


「実はイマリにプレゼントを用意しているから私の部屋に来てほしい!」


そして、左手を握って私に話しかけているのはサイラス兄様だ。


「イマリ?二人に絡まれて嫌だったらちゃんと拒否をしないとダメだよ」


ニコニコ顔でカイル兄様が注意をしているが、この状態から一向に助けてくれない。

そういえば、アラン兄様の姿が見えないけどどうしたのだろうとカイル兄様を見ると、私の考えが分かったのか


「城内迷子中」

「……アラン兄様の方向音痴は相変わらずなのね」


溜息をつきながら私はルワリスタ国でアラン兄様との会話を思い出していた。



「エストルダに戻ったらイマリに渡したい物があるから楽しみにしてくれ!」


笑顔で爽やかに微笑みかけるアラン兄様は男前すぎてドキドキしてしまう。

アラン兄様を筆頭に何故この兄弟はイケメンばかりなんだろう。

助けにきてくれた時はそれ所でなかったが、落ち着いた時に改めて思い出すとヒーローのように思えた。




エストルダ大帝国に戻ってから、アラン兄様には会えていない。

カイル兄様の言葉通り城内で迷子になっているのだろう。

そういった時は、必ず誘導係の帝国騎士団の副団長さんが一緒にいないから迷子になっているとカイル兄様から聞いた事があった。


――――――私が日本に帰るまではアラン兄様に会えるのかな?






「今晩、僕が添い寝してあげるからイマリの部屋に行ってもいい?」

「なっ!!ダレン!!お前は思っても口にするものではない!!」

「それって、サイラス兄上もイマリと一緒に寝たいって言ってるようなものだよ」

「サイラスにダレン……それを実行に移したら分かっているんだろうね?」


どうも、ルワリスタ国でミシェル君と同衾した事が知られてから、やけにダレンが一緒に寝ようと言って来るし、サイラス兄様は何だかソワソワしているし、話題に上がるとカイル兄様の機嫌が悪くなる。


そんなこんなで、この三日間は兄様方と楽しく過ごした。




ただアラン兄様に会えず仕舞いだったのが残念だったけど、次の機会に会える事を思い私は日本に戻った。


あと、セクトは私が帰るまで爆睡してた。

オニキスいわく、寝る子は育つっと意味不明な説明つきで。







*************



伊万里が日本に帰還した直後に、ラインバードの元に伝書鳩が封書を持ち執務室に飛んできた。

ラインバードはその封書の中に入っていた手紙に目を通した瞬間、その場にいた皇妃であり妻のリンダに話しかけた。




「ドールア国の王が『華嫁』であるイマリと面会させてほしいとこの手紙に書いてある」

「貴方、ドールア国といえば確か赤竜がいる国でしたわね」

「ああ、既にイマリが『華嫁』である事が海の向こうの国でも伝わったらしい。それにしても情報が早すぎるのが気になるが……」

「ドールア国の王はアランと同じ26歳だったかしら?若いながらも政治手腕は素晴らしいと噂で聞いた事があるわ」

「あの国のある資源に前々から興味を持っていたが……」


ラインバードは再び、手紙の続きに目を落とし読み終えた後




「ドールア国王には王妹が一人いるそうだが、私達の息子の誰かと結婚してエストルダ大帝国と縁を結びたいと書いてあるが、どうしたものか……」

「まぁ……」


ラインバードは眉間にしわを寄せ考え込んでいた。





~第2章へと続く~









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