人魚さえいない海で
揺れる波の美しさよ。
その音はなにを告げているのか
青空を学んだ小学生のころ
こんな潮の香りや汗ばむ肌は
想像もできなかったかな
揺れる波の美しさよ。
人魚さえいない白昼
陽光降りしきる
揺れる波の海の物語は深海に眠るのか
唇が君を求め
喉が甘露を求め
胸を氷で冷まし
心の灯火を凍らす
揺れる波の美しさよ。
むかしの
冷凍している心の悪を蕩かしておくれ
金の波よ、
銀の波よ、
そのあとはぜったいやさしくなるから。
揺れる波の美しさよ。
その音はなにを告げているのか
遠いむかしの啜り泣きか、
あまりに近い絶望の歌か、
だれもなにも云わない風景の中では
孤独は病いでさえ無い前提でしか無い
沖よりみえる港街
陽光の下光ってる遥かな家家
まるで宝石のような日常の明るさ
まるでふるさとの風みたいな
穏やかで長閑な時間がみえている
揺れる波の美しさよ。
青空は綺麗な青を満遍なく描き
揺れる波の美しさよ。
人魚さえいない白昼よ。