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ある村の物語  作者: 光季
2/3

聖堂


「じゃからお主ら2人がいないと

みんなてんてこ舞いじゃった

ひとまず服を正装に着替えてこい」

と、村長はまた顔を真っ赤にし

2人を怒鳴りつけた。



2人は大急ぎでそれぞれの家に戻り

菜都は白いワンピースを

瞬は白い服と白いショートパンツを着た。


普段は何色の服を着てもいいのだが

祈りをささげる時や大事なことをする時は

この正装を着るのがこの村の決まりであった。


正装に着替えた2人は、村の中心にある

聖堂へと向かった。


「やっと着いた〜〜」

「まったく菜都のせいなんだからな」

「わ、わるかったわね」

流石の菜都も悪いと思い

瞬に向かって謝った。


「瞬、菜都、遅かったじゃないか 

みんなお前達のことを待っているんだぞ」


「あ、桜兄ちゃん」

「桜お兄ちゃん...」

この桜という青年は瞬と菜都のことを小さい頃からよく面倒を見ていて

かつ村のお兄ちゃん的存在でもあった。


「村長さんから聞いたぞ菜都お前また

柵を登ったそうじゃないか

あれほど駄目だといったのにまたお前は...

それに瞬もだ

しっかりと菜都のことを見ていなさい」


「「ごめんなさい...」」

2人は大好きなお兄ちゃんに叱られてしょんぼりした様子だった。


「さあ、早くみんなの所に行くぞ、

もうすぐで式が始まるんだ」




この村の神であるクデレコ様に祈りをささげる

時間が始まった。


大聖堂に村の人々が集まり

祈りをささげる日が月に2回

そのうちクデレコ様自身が来るのは

月に一度であった。

しかし、クデレコ様の眷属の2人は

月に2回どちらも来ていた。


今日は、クデレコ様がいなくて

その眷属2人がいる日であった。


まず、クデレコ様の像に向かって

祈りをささげる。

次に、その場で5分間この半月の間で

何があったか心の中でクレデコ様に報告をする。

そして、眷属による2人からの話を聞く。

最後にもう一度クデレコ様の像に向かい

祈りをささげるという流れであった。

クレデコ様本人がいる時は少し違うが

これがおおまかな流れである。


「ん~~やっと終わった〜」

「菜都またそんなこといったら

誰かに怒られるよ」

「だって本当のことだもん別にいいじゃない

瞬は真面目すぎよ」

瞬が菜都に言い返そうとしたその時、


「瞬、菜都、一緒に帰らないか」

桜が2人に声をかけてきた。


「全然良いよ!桜兄ちゃん」

「うん、いいよこの後予定ないし」

嬉しそうな様子で2人は桜に返答した。


「それは、良かったよ

...あれ、菜都頭にヒマワリのピンをとめてない」

桜が不思議な顔をして菜都に質問をした。


「そうなのよ、桜お兄ちゃん!

久美おばさんに最近買って

もらったのをつけてきたの」

菜都は得意げに桜に対して話をした。


「え、そうだったのか

俺菜都がピンをしてるの全然気付かなかったよ」

瞬は驚いた様子で話した。


「でも、菜都正装を着ている時は

ピンは駄目じゃなかったか」


「う...だってあんまり目立たないから

気付かれないかと思ったし」

ばつが悪そうに言い、

続けて

「そ、それに瞬に可愛いって

いってもらいたかったから...」

顔を赤くしながら小さな声で言った。


「え、なんだって」

瞬には菜都が小さな声で言ったことは

あまり聞こえていなかった。


「べ、べつにいいじゃない

瞬のバカ」

と、顔を赤くして菜都は怒った。


菜都の言葉を聞き取れた桜は

微笑ましそうに2人のことを見つめていた。






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