プロローグ
朝が来る。
学校や仕事場に行っていつもと変わらない一日を過ごし、やがて日が沈み夜になる。
ベットに横になり一日を振り返りながら眠りにつくとまた朝が来る。
こんな平凡な日々が何年、何十年と続いて行くのは当たり前の事だと認識している人間がおそらくほとんどだろう。
俺もその中の1人だった。
あの日、あの世界に迷いこむまでは…
TVのニュースで誰かが病気で亡くなったとか、事故があって何人かが行方不明らしいなんて話を耳にしても自分の周りで直接的に変化があるわけではない。
自分はまだ20代、残された人生は長く「死」とゆう言葉とは無縁に思える。
だからと言って今まで意味のある人生を過ごしてきたかと聞かれても「YES」とはっきり答える事はできない。
人は大切なものほど失ってからその大切さに気がつくって誰かが言っていたけど本当だろうか?
そんな事を考えて毎日を過ごしてきた。
だけどよく考えて見て欲しい。
これから先も必ず今まで通りに明日が来るとどうして言いきれるだろうか?
別れ際「またな!」と手を振りあった友に、その後の自分に何も起こらないと何故言えるだろうか?
もしかしたら家に帰るまでに事故や急病で命をおとすかもしれない。
ある日突然、友が姿を消したり
もしかしたら数秒後にこの世界だって何もかも消えてしまうかもしれないのに。
俺達があたりまえだと思っている事は必ずしも決まっているものではなくそのほとんどが不安定であると思うんだ。
ちょっとした事でその概念の全てが変わってしまう事だってあるこの世の中。
そんな良く考えれば当然である事に俺が気がついたのはあの夏の日。
人によっては辛く、苦しい現実は見方を変えれば時の流れの中で俺達に与えられた何にも変え難い贈り物なのかもしれないと。
空っぽだった僕に、
あの子が教えてくれたんだ。
初めまして咲夜と申します。
趣味で小説を書いているのですが今回が初投稿になります。
ひまつぶしにでも読んでいただけたら嬉しいです。
今回はここ数年広がりつつあるコロナ感染症を題材にして小説を書きました。
このお話には3人の登場人物がでてきますがそれぞれ名前はありません。
変わりゆく世界の情景を感じ今までの固定概念を変えて読んでもらう為にあえて決めませんでした。
ぜひ自分の身に置き換えて読んでみてください。
今までの考え方や気持ちが少し変わるかもしれませんよ?
3人それぞれの想いが作り出した少し変わった世界にみなさんもぜひいらしてみてください。
⚠️注意⚠️
ど素人なので暖かい目で見守っていただければと思います。
どうぞよろしくお願いします。