泣きたくなるほど嬉しい日々に
レビュー執筆日:2022/7/9
●一辺倒にならないようにしっかりと工夫されているが、良くも悪くもそつなくこなしている印象が。
【収録曲】
1.蛍の光
2.今今ここに君とあたし
3.栞
4.おばけでいいからはやくきて
5.イト
6.お引っ越し
7.陽
8.禁煙
9.泣き笑い
10.一生のお願い
11.私を束ねて
12.金魚(とその糞)
13.燃えるごみの日
14.ゆっくり行こう
前作から約2年ぶりにリリースされたクリープハイプのメジャー5thアルバム。今作は全体的に見ると「やさぐれた雰囲気」や「張り上げるようなハイトーンボイス」はやや抑え目になっており、1曲目がスローテンポの『蛍の光』となっていることもあって、これまでと比べて少し落ち着いた印象がありました。とはいえ、「みんなのうた」に起用された『おばけでいいからはやくきて』ではコミカルな雰囲気を見せたり、『お引っ越し』ではカントリーの要素を取り入れていたり、『禁煙』や『燃えるごみの日』ではストリングスを導入していたりと曲調・歌詞の両面から一辺倒にならないようにしている点は良い意味で相変わらずです。
ただ、前作と同様に良くも悪くもそつなくこなしているように見え、そういう意味ではやや物足りないかな、といった印象もありました。個人的には、早口でまくし立てる『今今ここに君とあたし』や分かりやすいまでに毒を吐く『金魚 (とその糞)』のようなインパクトのある曲をもっと聴きたかったところがあります。まあ、あまりやり過ぎると、癖の強いボーカルであるがゆえに「しつこく」なってしまう危険性があり、その塩梅が難しいのかもしれませんが。
評価:★★★★