8.ジョブ発現とレベル
自信の成長に喜び、その後も積極的に魔法を使っていたロクの頭の中にカチッ。っと聞きなれない音が入ってくる。周囲を見渡すがそのような音を出す存在は確認できなかったのでステータスを覗くとある文言は目に入った。
≪新規職業の獲得条件を満たしました。現在のジョブ:--- から ジョブ:魔法使い にジョブを変更しますか?≫
「…マ?」
何やらとんでもない文が目に映る。ジョブ?あるの?いやステータスに欄はあったからあるだろうとは思ってたんだけど普通なんか学校とか師匠とかいてそれからとか…
「まぁ生えてきたんだしそういうもんとして扱うしかないか…」
突然の職業に若干混乱しながらもロクは魔法使いになることにした。
≪ジョブ:魔法使いにジョブチェンジしました 以降選択可能な職業が増えた場合職業の付け替えがステータスから行えるようになります≫
どうやら無事に魔法使いになれたようだ。そして追加の文を読むに職業の切り替えができるらしい。最も無職から魔法使いになったので現在は切り替えなんて行えないのだが。
「なんにしろステータス確認!なんか色々変わってるし」
【名前:ロク】
【職業:魔法使い】
【レベル:1】
【HP】28/28
【MP】32/40(32) +10
【攻撃】5
【魔力】37(27) +10
【防御】9
【技術】17 (7) +10
【敏捷】7
【運】50
【称号】≪見習い魔法使い≫
【スキル】
『疾走』Lv2『採取』Lv2『毒耐性』Lv3『剣術(我流)』Lv1
【魔法】
[火魔法]Lv2 [感知]Lv1
[感知]Lv1...魔力を流れを読みやすく、見やすくなる。消費MP0
【新規称号】≪見習い魔法使い≫条件:魔法使いのジョブを発現させる。魔術の道へようこそ。
「レベル生えてきたし!」
ステータスが若干見づらくなったり魔法が増えてたり称号が生えてきているがそれよりもだ、ステータスにレベルの欄が生えてきた。
「いよいよ異世界っぽくなってきたぞ」
この手のレベルは上げることによるデメリットは基本的に存在しないどころか、レベルを上げるだけでステータスが伸びるはずだ。現状レベリングをできるほど周りに生き物はいないがそれでも頑張る指標ができたのはロクにとってはいいことだった。ただ問題は何故ジョブが生えてくるまでレベルの欄が出てこなかったのかだが、これは今考えてもしょうがない。
「とりあえず生えてきた魔法みよう」
魔法使いになった時に生えてきた感知だ。どうやらMPは使わないようだがそれは魔法なのか?と疑問に思ったが魔法の欄にあるから魔法なのだろう。試しにロクは自身の体内にある魔力を感知してみる。ここに来るまでにロクは何となく感知っぽいことをして自分の魔力を見ていたが、それとは違ってはっきりと流れや通っている箇所が見える。霧が晴れた感じというか、メガネをかけた感じというか、とにかくはっきりと見える。
「そういえば魔力増えたし道伸ばすか」
色々あって忘れていたが魔力の塊が以前の倍くらいの大きさになっていたのでロクは感知を使いながら右手全体に魔力の道を通していく。しっかりと通せたところで塊は小さくなってしまったのでここらへんでやめておく。これまでの感覚だと指だけじゃなくて右手全体から魔法を出せるはずだ。戦い方の幅が広がるのはいいことだ。
「でも…ジョブか」
ロクは少し考える。今のロクのステータスになった時にジョブが生えたということはこの世界の魔法使いの最低基準を満たしたということだ。この世界の魔法使いとして最弱とも言える。そうなると今後が心配になってきた。レベリングもしたいのだがこの辺りには魔物の類が少なすぎる。それにジョブシステムがあるということは冒険者、ギルドなども存在するはずだ。ここまで考えたところでロクは立ち上がった。
「町、探すか」