4.登山と新天地
走ったら喉乾いた
森の方へ行こう!
毒リンゴむしゃぁ!ビリビリ!
動物いねーなー ←今ここ
あれから1週間くらいだろうか、ロクは相変わらず湧き水とあの毒リンゴで生きながらえていた。あれしか食べれそうなものを見つけてないし動物もいないからしょうがないね。そんな野生児みたいな生活をしているロクの今のステータスはこれだ。
【名前:ロク】
【職業:---】
【HP】20/24 (+8)
【MP】2/2
【攻撃】5 (+2)
【魔力】1
【防御】7 (+4)
【技術】3 (+2)
【敏捷】7 (+4)
【運】50
【称号】
【スキル】
『疾走』Lv2(+1) 『採取』Lv1 『毒耐性』Lv2(+1) 『剣術(我流)』Lv1
【魔法】
『採取』Lv1...採取できるものを見つけやすく、採取しやすくなる。
『剣術(我流)』Lv1...剣術の心得を得る。剣を装備時にクリティカルヒットしやすくなる。
あの後何もすることがなく、とりあえずその辺で拾った木の棒を振り回していたら剣術が生えた来た。我流となっているのは特に俺が前世で剣道とかやってなかったからだろう、振り回してるだけだったし。そして採取は毒リンゴを取りに行っていたらいつの間には生えていた。多少はほかの植物とかみつけやすくなるのかな?ステータスに関しても走ったりなんだりを繰り返していたら上がっていた。
「しかし…このままじゃまずいよなぁ…」
この世界に来て1週間くらい経つがいまだにこの毒リンゴしか食料とできる物を見つけられていない。動物もいないし、何より魔力があるのがわかっているのに魔法が使えないのではどうしようもない。
「探索範囲を広げるか…」
この1週間ずっと泉のそばにいた訳ではない。多少森の奥や反対側にある草原のほうまで足を運んだが人為的なもの、建物とか道とかも見つけられなかった。さすがに1週間も一人でいると寂しさも出てくる。せめて動物がいれば気も紛れたのだが。
「よし、旅に出よう」
元々遭難してるようなもんだし帰るべきところもないので旅に出るという表現があっているのか分からないが、ロクは泉を離れてもっと遠くのほうまで行ってみることにした。さっそく準備に取り掛かろう。ロクは持てるだけ毒リンゴを持ち、手ごろなサイズの木の棒を腰に差して歩きだした。バッグとかポケットとかないから移動中は両手がふさがっている。インベントリみたいなのが使えたら楽だったのになぁ、と思った。
森を出て草原を横切り、さらに進む。敏捷が上がったおかげかロクの歩くスピードはいくらか早い気がする。ここが盆地のような地形をしていると仮定して山の方へ行くしかなかった。
2時間ほど歩いた頃、山のふもとにたどり着いた。前世、日本にいたころにはあまり馴染みのない岩肌が露出しているような山だったので、視界は確保できたが歩きづらい。そこら辺に大小様々な大きさの石や岩が転がっていて、足の踏み場を間違えたら石と一緒に転がり落ちてしまいそうな斜面もある。前世での死因が不注意によるものだったので慎重に山を登っていく。
あまり高い山ではなかったらしく、3時間ほど登っていくと頂上にたどり着いた。
「おー、これは絶景かな」
眼下に広がるのは広大な森、そして川も見える。何より高いところから見る景色というものは何とも言えないような高揚感がある。ただ残念なことにここから見える範囲には人の手が入ったようなものは見られなかった、どうやらロクはとんでもない辺境にいるらしい。とりあえず俺は新しい食材や物を求めて下に広がる森へ山を下っていくことにした。