護衛騎士の心2
「俺が生きてる事?」
「ああ…あの子は優しい。もし、自分のせいでお前が死んだとしたら、あの子の心はどうなる?
お前の腕が無くなっただけであの狼狽様だぞ。お前が死んだら間違いなくあの子の心は壊れる」
「だとしても、片手を失った俺に何ができる!今度こそ何かあった時俺は守れず俺共々殺されるかもしれねぇ」
「そうならないように育てろ、お前の代わりになる者を」
「アイツを?」
「お前が推したんだろ?責任持てよ。それに片手を失ったからなんだ?失ったとしてもお前は強い」
「……ッ」
「もう一度言おう!お前は強い。精神的にも肉体的にも」
「分かったよ!やれば良いんだろ!!」
「そうだ、やればいいんだよ。そして守って欲しい俺の家族を」
そして、俺は当主様の部屋から出た。
爽やかな風が廊下に流れ、白いカーテンが吹いて揺れる。
腕をさする。そこにはかつてあった腕は無い。
ボリボリと頭をかき、俺は鍛錬場へと向かった。
はぁ…絶対あの時は辞めてやる!そう思ってたんだけどな…。
懐かしい記憶と共にお嬢と歩んできた日々を振り返る。
それは、確かに、俺とお嬢を結んでいた絆だった。
振り回され、いつも瀕死にされ、精神的にも追い詰められ、でも、最後俺の脳裏には絶対笑ったお嬢の姿だった。
いつしか、心からこの方の笑顔を守りたい
この方の歩む道を見てみてぇ…
……………………………………………………ん?
ってそこまで思った事はねぇな。
悪くないとは思ったし、共にいたいとは思ったが…
護衛騎士辞めてやる!は結構思ってたな…。
あの死ぬ瞬間は、辞めてやる!は嘘って思ったが…
クスリと笑い俺は自分の気持ちを再確認した。
なんだ、俺はそう思いながらも本当はお嬢の護衛がしたかったんじゃねぇか。
お嬢。
あんたを今度こそ守るよ。
片腕は無くなったが、それを感じねぇぐらい鍛えてやる。アイツも俺も。
俺は歩き出した。今度こそ鍛錬場へと。




