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次の日、罪を犯した貴族が入ると言われている部屋、もとい牢屋にわたくし達は向かった。


「アイリーン、大丈夫なんだな?エンカ嬢に会って」


レオン様が心配そうにわたくしに尋ねます。


「ご心配ありがとうございます!わたくしは大丈夫ですわ」


「お前は強いな…無理するなよ」


そんな会話をしながら暫く歩いていると、彼女が閉じ込められている場所にとうとう着いた。


ドアの前に立っている騎士に話し、鍵を開けてもらい部屋に入った。そこには、目を真っ赤にした彼女がいた。


彼女はわたくしの顔を見た瞬間、床に頭を付けた。


わたくしは一瞬戸惑い、ジル殿下を見ます。彼は好きにして良いよと言わんばかりに、手を挙げささっとソファーへ向かわれました。


一応?殿下から許可を得たよね?


「顔を上げなさい、発言を許可します」


わたくしがそう声を掛けるとエンカ様は恐る恐る顔を上げた。



「この度は、申し訳ございませんでした。今回貴女様を拐う計画を立てて実行したのはわたくしでございます。どうか、わたくしを罰して下さいまし」


その顔にわたくしは手を添えた。

彼女はビックリしてわたくしを見つめる。


「よく、貴女は頑張りましたね」


「えっ?」


「愛する人の為だったのでしょう?」


「な、な、何故それを…」


「わたくしは、貴女を助けたいのです」


「わたくしを?」


「だから、全てをお話しなさい。誰が指示したのか」


「ッッ!」

彼女は小刻みに震え、その口を閉ざします。


「貴女がわたくしに協力するのならば、わたくしが貴女の愛する人を治しましょう」


「えっ?」


「大丈夫ですわ。さぁ、身体が冷えます、こっちにお座りなさい」


「そうだね!いつまでソコに居る気だい?アイリーン、エンカ嬢こっちのソファーへ座りなよ」


「殿下…」


わたくし達は、ソファーに座り、話し始めた。


「さて、エンカ嬢、僕の婚約者を拐うように指示した黒幕を話してくれないかい?

アイリーンが言ったように、話せば君の愛する人を秘密裏に治す手伝いをしよう。それに、君と君の愛する人との縁談を打診してもいい」


「ですが…」


「君は分かっているのかい?もし、ここで僕達の手を取らなければ、伯爵家は君を貴族名簿から抹消し、平民へと落とすだろう。その後に待っているのは死だよ」


「ッッ」

エンカ様は真っ青になります。


「死なないと思ったのかい?でも、君は知りすぎた邪魔な存在なんだよ、誰が生かす?僕なら真っ先に秘密を知っている者を葬るね。それに、彼にお金が入る確証はあるのかい?契約書を交わしたのかい?」


「えっ…でも…ちゃんと約束を…」


「しっかり思い出すのです。本当に、しっかりと契約を交わしましたの?」


「君も知ってる通り、契約を交わしていない約束は破ったとしても、何も罰は起こらないんだ。君…騙されたと思うぞ」


「そ、そんな…わたくし…どうしたら」


「エンカ嬢、君に残された道は、俺達と手を組み、黒幕を捕まえる手助けをする事!

君が手伝ってくれるならば、レオン・デュセ・オルバーツの名にかけ君と愛する人を守ると誓おう」


「そうだね、王家もここに誓おう。君が手を貸してくれるのであれば、僕の婚約者を拐った事を咎める事はしないと」


「わたくしも誓いますわ、貴女の愛する人を助ける事をアイリーン・ゼン・クワノスの名にかけて」


一瞬の沈黙。


エンカ様は顔を下に向け考えいますわ。

そして、彼女は瞳に決意を滲ませ顔を上げた。


「わたくしが知っている事をお話し致します。そして、協力させて頂きますわ。どんな事でもやり遂げてみせます。それが、わたくしが出来る最大限の罪滅ぼしです」


「話は纏まったね。では、話して貰おうか」


エンカ嬢が口を開き、その口から出た名前は…

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