2
攻略対象を恋愛対象へと変更させて頂きました。
小説なので、攻略対象は不適切なので変更致しました。
今後もよろしくお願い致します。
「その世界に似た所に転生するのは如何ですか?
勿論、地球で再度生を受けるまで輪廻で待つ事も出来ますよ」
エル様の甘い誘惑に私は飛びついた!
「是非!私を小説の世界に似た所へお願いします」
「分かりました。貴女の言葉を借りるなら、ヒロインと呼ばれる彼女に貴女を…」
「モブがいいのです!!」
「えっ?モブですか?ヒロイン、悪役令嬢、何にでもなれますよ」
「エル様、私は第三者から物語りを見たいのです、そう、本当に見るだけでいいの!!」
エル様は戸惑っている顔をしていたが構わず私は言葉を続ける。
「ヒロインのポジションだと恋愛対象者がいるじゃないですか、そんなのメンド…ゴホン!!悪役令嬢なんてヒロインと対立、そんなの無理!私はただ続きが見たいだけ、あっ、でもその物語りを一から見るのも捨てがたい。だって文字だけだった作品が今度は漫画の様に、いえ、動いてるのよ!もぉ〜それだけで幸せ!だからエル様、私を最前線でその恋模様や皆んなの葛藤、憎悪を見せて下さい!」
若干、いやかなりエル様が引いている。
エル様はため息を一度だけつき、話し始めた。
「では、なにかスキル、祝福を、そして確かな身分を貴女に与えましょう」
「いやいや、エル様。私は何も要らないのです!確かな身分になると楽しめない!自由がなくなりそう!スキル、祝福もほとんど無しでいいのです!」
「では、何を貴女は望みますか?」
「最前線で見る権利と、両親の仲がいい所で家族の温かみが欲しいです!」
一瞬エル様が泣きそうな顔をした気がした。
「分かりました、では、伯爵ぐらいが丁度いいでしょう、それと今度は家族の温かみを…必ず約束致しましょう」
「男爵ぐらいでも…」
「ダメです!ここは譲りませんよ」
エル様からの黒いオーラに当てられて私は頷いた。
「では、なるみ、今度は素敵な人生を…わたくしは、いつも貴女を見守っています」
温かな光が私を包み込む。
「エル様、ありがとうございます」
私は消える前エル様に感謝を伝える。エル様は私の額にキスを落とし、母の様に、私の頭を撫でた。
その顔は、本当に慈愛に満ち溢れていた。
「なるみ、忘れないで、その世界は小説の世界に似た世界だという事を…」
そうして、私の第二の人生が始まったのだった。