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「だって、この間のは見れなかったんですもの」
わたくしは、ハンカチを噛み悔しがります。
「アイリーン、はしたなくてよ!わたくし教えましたわよね?将来王妃となる方の心得を、もうすぐ、婚約者として発表されます、少しの事で足元を見られますわ」
「見られてもいいのです、わたくしは、王妃になりたく無いんですもの」
「そうだとしても、あの方に捕まってしまったのです、諦めなさいな!
はぁ…これから先、謂れのない事を言われ、貴女を陥れて嘲笑う人が必ずいますわ。
アイリーン、わたくしは心配しているのですよ、貴女が傷つかないか…」
「酷い、諦めきれませんわ…
心配と言うならば、イザベラ様……変わっ「お断り致しますわ」」
「せめて、最後まで言わせて下さいませ」
わたくしは、拗ねます。
それを、イザベラ様は可笑しそうに笑い、わたくしも一緒に笑います。
「冗談はさておき、イザベラ様、いつレオン様の領地へ向かわれますの?」
「冗談って貴方…」
イザベラ様は何か言いたげにわたくしを見つめますが、ため息を吐き…
「まぁ…この事は後日また話しましょう…!領地には一月後ぐらいに行きますわ」
「わたくしも行きたいです」
「はぁ…仕方の無い子ですわね、レオンに聞いておきますわ」
そう言いつつも、イザベラ様は、どこか嬉しそうである。いけることを確信したわたくしは心の中でガッツポーズ!
レオン様の領地で、何か、イベントがあったか記憶を呼び覚まして行く。だが、記憶の中には、無い。
新しいシナリオが読めると言うことですわね!
もぉ〜楽しみで仕方ありませんわ。
そして、わたくしは真顔になり考えます。
これから先、ボイスレコーダーも必要では無いかと!
カメラはまだ難しいが、レコーダーなら出来そうだと。
そうだわ!声を録音するだけでも、わたくしを幸せに致しますわ!これが出来れば、永久に保存出来ますわ…ふふふふ…。
ちなみに、作り方は、風の魔法を弄ればいいですわ!
実は、この世界、魔法があるのです…今までわたくしが作った物は、それに基づいて作ってある物もありますの!
誰でも、使えるように。その魔法陣を物に刻み使える様にしているのですわ!
ちなみに、この世界で、そんな事をしたのはわたくしが初めてだそうです。
まっ、魔法に関しては、ここでは割愛いたしますわ!
そんな事より、わたくしには、使命がありますからね!
よし!学校が始まるまでに頑張りますわ!
「また、変なことを考えてそうですわ」
イザベラ様のそんな声が聞こえましたが無視し、わたくしは目に炎を灯します。