12
次の日、朝からわたくしは、全身を磨かれ、イヤイヤお父様と一緒に王宮へ向かっております。
王宮へ着くと、立派な待合室へ連れて行かれ、呼ばれるまで待ちます。
そして、現在、陛下と第一王子殿下と面会しております。
一通り形式的な挨拶を交わし、座るように促されます。
第一王子殿下をチラッと見れば、やはり、あの時の、彼でした。
はぁ…本当にフラグが立っていましたか。
頭を抱えたいのを我慢し、微笑みます。
婚約者の発表の日取りや、毎月一度、第一王子殿下が我が家に顔を出す事、沢山の取り決めを陛下と父様が決めていきます。
その様子を見て、段々と顔が青ざめて行きます。
「アイリーン嬢?大丈夫かい?」
第一王子殿下がお声を掛けてくださりましたが、
わたくしの心の中は
貴方のせいでしょう!!!!
そんな、声が飛んでおります。
口には出しませんが…。
「陛下、少し、アイリーン嬢と席を外しても宜しいでしょうか?」
「ああ、悪かったね、勿論構わないよ」
「アイリーン、殿下に迷惑をかけないように、殿下宜しくお願い致します」
父様〜〜!!!!父様の顔を見ると
もう、諦めなさいと言っているではないですか!
いやいや、そこは、頑張って下さい!そうアイズを送ると、父様はサッと目を逸らし、殿下に頭を下げた。
「さぁ〜アイリーン嬢、僕と一緒に行こうか」
そっと手を握られ、連れて行かれた所は…
小説の悪役令嬢の心境で見たあの場所。