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「わたくしは、妾という事でしょうか?」


そう、わたくしが言うと、父様の顔が青ざめていきます。


「そんな事、ある訳なかろう!」


父様は大声で叫び言葉をさらに紡ぎます。


「我が国は、一夫一妻!子供が産めぬなどの特殊な事情が無ければ、側室、妾は法律により持てん!そもそも、俺の大事な娘を妾など!!そんな話が出た時点で、これまで王家に勤めて来た我等を仇で返す様なもの。そんな扱いであれば、我が家、民が許すわけがない!爵位共々返し、我が領地は独立の為立ちあがろう!」


いやいや、妾ぐらいで、独立ってやり過ぎですわ…

わたくしは、冷ややかな目で父様を見つめる。


「それに、何故、そんな発想になったのだ?俺は嫁と言ったはずだ、それは、将来この国の王妃に決まっているであろう!」


父様が手で顔を覆ってしまわれました。

だって、それ以外無いでは無いですか…。


「お父様、第一王子殿下は、婚約者がいらっしゃるじゃありませんか?」


わたくしが、そう言葉を紡ぐと、お父様は驚き、そして呆れた。

盛大な溜め息をお吐きになると、残念な子を見るような目でわたくしを見る。


あれ?何故?そんな反応をされるのでしょうか?

わたくしは間違っておりませんわよね?


「アイリーン…もう少し、本当に、ほんの少しでもいい…周りに目を向けなさい」


「えっ!?」


「第一王子殿下に、婚約者はいらっしゃらないよ」


はぁはぁあああああああああ!!


「えっ、イザベラ様が婚約者では無いのですか?あの完璧で美人で出るところ出て、ツンデレなあの方が、なぜ!!」

食い気味で父様に問えば、父様は目を丸くし


「ジル殿下が10歳になった次の春に婚約者の発表と陛下が宣言しただろう!まさか、忘れていたのかい?

だからこそ、今まで、沢山の御令嬢や家が、陛下や殿下にアピールしていたであろう」


「え……じゃぁ…まさか…ですの…」


「そういう事だ、次の春、正式にお前がジル殿下の婚約者だと発表されるんだ」


あああ…倒れたい。

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