表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
13/105

9

あの出来事から、少し時間が経ちましたが、その間、1度も王子からの接触はありませんでした。


ホッと安心していたその日の夜、父様が慌てた様子で帰って来られ、わたくしを執務室へ呼び出されました。


はて?わたくし、最近は大人しくしていたと思うのですが…疑問に思いつつも、呼びに来て下さったセバスと共に向かいます。


声をかけ、部屋に入れてもらいます。

父様の顔色は悪く、そして、なんだか疲れている様にも見えます。


「お父様、お疲れのようですね、日を改めてはいかがですか?」


そんな言葉を掛けてしまうほど、父様はグッタリとなされていたのです。


疲れた父様と目線が合えば厳しい顔でわたくしに訊ねます。「アイリーン、何をしたのだ」と


「お父様、意味がわかりませんわ、わたくしの記憶ですと、最近は大人しくしていたと思うのですが…」


「じゃー、何故、王家からこの書状を頂いたのか、一体いつ、ジル殿下と出会ったのだ!」


………………はい?


わたくしが、唖然と立ち尽くしておりますと、父様は更にお言葉を綴ります。


「今日、王家から呼び出されてな、陛下と話をした。その中で、我が可愛い娘を嫁に欲しいと、そう仰られたのだ!これが、その時、渡された書状だ!


何故、俺が、必死に隠して来た


‘’変だが‘’俺達家族にとって大事な娘が、


陛下の耳に入ってしまうのだ!」


父様…可愛い娘の前に何故、変が入るのですか…といつもならば、突っ込むところも、その前の衝撃的な言葉により、それどころではありませんでした。


嫁??


「お父様、嫁とは…あの嫁ぐと言う意味のでしょうか」


「それ以外に何があるのだ」


「何故、わたくしが王家に嫁がなければならないのですか?」


「俺にも分からん!だから、お前に聞いている、必死に会わないように調整していたのに、よりにもよって王家だと、どこでジル殿下と会ったのだ!」


冷や汗が止まりません。

そう、確実にあの時だと確信したのですから。


やっぱり、フラグが立っていましたか!!!!


私はその場に崩れ落ちます。


「お、お、お父様、実は数日前に王子殿下と1度だけお会い致しましたわ。でも、ほとんどお話をしておりませんし、むしろ何故、あの態度で、嫁に望まれたのか分かりません」


父様はその言葉を聞き、当時護衛を務めていた者達を呼びました。


何故、報告しなかったのかと。


ですが、返ってきた答えは、第一王子殿下が命令されましたと。そう言えば父様はグッタリとソファーにもたれてしまわれました。


護衛の皆様にお咎めはありません。この国の第一王子殿下に命令されたのですから、誰が咎められましょう。


「お父様、どうにか、この話を無かった事にする事は出来ませんか?そして、わたくし、分からないことが1つあるのですが質問よろしいでしょうか?」


父様は言葉を紡がず、頷きます。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ