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花まつりとは
男性が女性へ花を一輪贈る祭りである。
貰った女性は男性の心を受け取るなら
それを髪に挿してもらう。
家族からの花の色は(父親)
黄色一色
兄弟からは
青一色
恋人からは(婚約者含む)
その方の瞳の色と髪の色を組み合わせた花
そして、
独身男性が好きな人へ告白する場合は
白の花を一輪
白の花を貰った女性は、その心を受け取る場合は、
髪に挿してもらう。
そして、想いを男性に返す場合は、髪にある全ての色を無くす決まりがあるのだ。
髪に白の花だけの女性は、その日恋を成就した意味がある。
婚約者がいたり、恋人がいる人も対象だ
勿論、白い花を受け取る事が出来る。
問題があるように思えるが
想いを受け取って返さなければ問題なし。
男性側も秘めた想いがある場合(婚約者や恋人が居る人を好きになってしまった)
想いを伝えて区切りをつけてもらう意味も込められているそうだ。
そんな細々した決まり事が存在する。
問題がある場合は今後変更になっていくだろう。
ちなみに、結婚している人達の妻の頭には何もない。
夫は妻に自分の色を贈る
妻はこれからも夫婦生活を続ける場合は
貰った花を胸元に飾るそうだ。
何故胸元なのかは、自分の心臓は貴方と共に!との意味がある。つまり、死が2人を引き離すまで一緒にいるよ!って事らしい。
何故この花まつりが開催されたかは、小説ではヒロインを探すためとされていた。
では、この世界ではどんな意味で開かれたのか、彼女は知らない。
「はぁ〜アラン様が…ぐふ」
「お嬢様、お顔が悪ぅございますよ」
「アン…見逃してて下さいませ。わたくし、もう楽しみでしょうがないのです」
「殿下から貰えますからね、そりゃ〜楽しみですよね」
「やだぁ〜アンったら、わたくし殿下から貰えて嬉しいなんて事ありませんの。むしろ、他の方に渡している姿を見て楽しみたいわ…」
アンは残念な子を見るようにわたくしを見ましたが無視です!無視!
そして、いよいよ、その日がやってきました!
朝から領土では沢山の人たちが、
おめかしし、花を買い
意中の相手がいる方は朝から緊張し
もういる方は、誇らしげに髪に相手の色を彩り
皆んな笑顔で楽しんでいた。
「お嬢様…本当にその格好で下町へ行くのですか?」
「えっ?おかしいかしら?」
「いえ、お嬢様はいつもお綺麗です。ですが、私達が着るような服で本当に宜しいのですか?こちらのワンピースとかはダメだったのでしょうか?」
「アン、貴女の言いたい事は分かるわ。でも、今日は貴族だとバレてはいけませんの。だから、アヤの服を貸して貰ったのです!この服で間違いないのですよ」
「はぁ…分かりました。ですが、くれぐれも護衛と一緒に行動して下さい。分かりましたね?アヤ、貴女も頼みましたよ」
「アンさん任せて下さい!しっかりとお嬢様の手綱を握ります!」
アンは心配と頭を抱えてしまいましたわ。
本当、失礼です!わたくしはただ楽しむだけですのに…。
さぁ〜行きますわよ!!
アヤとニタニタ笑いながらいざ下町へ!!