碧空の下で 010 [人物紹介 (カナダ篇)]
淳とカナダに関するこれまでのあらすじ
淳は、反体制派に対する日本政府の迫害や日中間の戦争を免れるべく、シベリア鉄道の車内で知り合ったジェシカを経由してカナダに難民申請し、認められていた。そして、政府の迫害を回避するために、オンタリオ州に最低1年以上居住していないと改名できないという条件も特別に無くして貰って改名した。なお、忖度などこの時はなかった。
人物紹介 (カナダ篇)
Justin Victor Stevenson
ジャスティン・ヴィクター・スティーブンソン
元は大阪 淳 といい、大阪に住んでいたが、戦争の激化と政府からの凄まじい迫害によりカナダに逃れてきた。しかし、鉄道が好きであること、成績が今ひとつであることは変わらず、また地域のボードゲーム倶楽部に入会した。なお、2005年生まれで今年10年生になる。
Jessica Stevenson
ジェシカ・スティーブンソン
フィンチに住むカナダ人。卒業記念としてロシアを旅行していた際に淳と遭遇し、逃走した理由を聞いて受け入れることを決めた。なお、ジャスティンと同じボードゲーム倶楽部に所属している。ジャスティンとは同い年で馬が合う。国語と社会、そしてフランス語が得意科目。
Andrew Nicholas Stevenson
アンドリュー・ニコラス・スティーブンソン
ジェシカの4歳下の弟。2009年生まれで、現在6年生。アメリカ領土で生まれたためアメリカ国籍も持っている。得意な科目は数学や理科で、それだけは飛び級で8年生の授業を受ける。
Michael Stevenson
マイケル・スティーブンソン
ジェシカの父で、1977年生まれ。カナダやアメリカの東部の高速鉄道を運営するcanusa railroad社の社員で、現在、能力を買われて企画部長を務める。
Michelle Stevenson
ミッシェル・スティーブンソン
ジェシカの母。1977年に生まれた。現在、トロント市役所に勤めており、この街にやってきたばかりのジャスティンにこの街のことを教えている。
John Stevenson ジョン・スティーブンソン
マイケルの父。1939年生まれで、第二次世界大戦を子どもの頃経験しており、彼の思想にそれは如実に現れる。定年までは証券取引所に勤めていて、現在、バンクーバーに住んでいる。
Mary Stevenson メアリー・スティーブンソン
マイケルの母。1940年生まれ。定年までは銀行員やトロント市議会議員であった。現在、バンクーバー在住。
Joshua Park ジョシュア・パク
平壌に2005年に生まれ、政治体制に反感を抱いた14歳の時に脱北し、カナダに脱出、改名した。脱北のきっかけは、教科書に「豊かになったらカナダのように社会保障を整えたい。」という記述があったためである。
Alec Taylor アレック・テーラー
この街に引っ越してきて1年のアメリカ人。ジャスティンとは全くの同い年。そして、何よりも体育が得意で、将来は有望だ。
Rachel Taylor レイチェル・テーラー
アレックの妹。アンドリューと同い年。アンドリューが彼女から聞いた話によれば、レイチェル・カーソン氏に因んで名付けられたという。偶然の一致か、小説を書くのが得意で、同学年の子に読んでもらい、研鑽している。
Eric Smith エリック・スミス
この街には1年半住んでいるイギリス人で、ジャスティンとは同い年。彼の発するブラックユーモアは非常に興味深く、この街では誰もが知る存在。この前はブレグジットを俎上に上げていた。
ここまで多くの人達に囲まれて、列車はケベックへ向けて出発した。南には湖西線の如くオンタリオ湖が眺望できる。北にはトロント近郊線がある。方向別複々線になっているので、乗り換えの時間が短いとマイケルは語る。この近郊線は、騒音の代償として建設され、利用客は増加しているという。