128.継がれゆく物
台帳にはゆっくりと品物リストが追加されだした。
入力がパタパタと入り、変換され、時には消去されながらも、ゆっくりゆっくり追加されていく。
「て、手打ち?、、ねぇ、何処かに委託してるの?これ」
「知らないわよっ、で、ちゃんと追加されてるの?」
「待て待て、ええと、、ええと、、、元々有ったのって何だったっけ?、ウスターソース?」
「ウスターソースって何デスか?」
「べるでの記憶に無いなら新しく追加された物かなぁ」
「何で自分の部屋の物が判らないのよっ」
「えいようかんって何デスか?」
「あーそれ昔買ったなぁ、猟の非常食
って喰いきったような気がしなくも無いなぁ」
「まるで説明に成ってないわよっ、何なのよそれっ」
「とりあえずまだまだ追加されてるみたいだから、べるでお茶入れて、緑茶ね、緑茶」
・・・
「甘くて美味しいデス」
「ふーん、豆を甘くして固めた物なのねっ
口触りが滑らかで甘くて美味しいっ」
「豆を甘くしてるのぉ?ボクはダメ、そーゆーのダメ、こっちの赤白の箱に入ったのが良い、種が邪魔何だけど、何の実?」
「こらこら、アーモンドチョコのチョコだけ喰うな、種じゃなくて、、種?、アーモンドの種だっけ?兎も角種も喰えるの、喰え」
何故かアイウエオ順に追加されていく
「あ、ドリンク剤だ、ちょうど疲れてたんだよね、頂きー」
アイウエオ順で早々に出てくるドリンク剤?
「あーっちょっとまてドーロ、それ飲むな」
赤まむしドリンクである。
「ちょっと不思議な味だけど悪くないね、ボクこれ割と好き」
一本飲み干したドーロはそのままアンに首根っこを掴まれてストレージに投げ込まれた。
「当面出て来なくて良いわよっ」
「本当デス、ちょっと不思議な味デスが悪くないデス」
「あーっ、べるでまで飲んじゃったっ、かくなる上は、、、」
「アン、落ち着け、アン、大丈夫、清涼飲料だから
そんなに怪しい物じゃ無いから」
・・・
「で、あたしの9410は結局消えてしまったのね」
夕食が終わった頃、やっと台帳の更新が止まった所で検索を掛けるとM9410の件数はゼロと表示された。
「ん、ちょっと待て、あれ?M94で出た?
ひょっとしたら火薬は、、、4756が無くなって4064?3031?トレイルボスにユニバーサル?
4198は変わらずあるな、、、てぇ事は、、有った!Bar3にXbolt、あれ?両方308?」
「良く許可降りたわねっ」
「エースハンターが消えてる、二丁とも
あーアレは一生物だと思ってたのになぁ」
「あたしのエースハンターがぁっ」
「代わりにドラネコが生えてるな、ほれ94だ」
「なんか結構ヤレてるわねっコレ」
元のM9410に比べると銃床の傷やスレが多かった
「歴戦の証だ、元々頑丈な銃だし大丈夫、ほらライフリングとか銃口は綺麗なもんだろ」
「そう言われてみればそうねっ、ピカピカより逞しさを感じるわっ、それに良く手入れされているっ」
八尾は銃床の傷を見て呟く
「そうか、あの爺さんもリタイアしちまいやがったか」




