表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
127/146

127.バックアップは大事

「いやーっ、質流れ寸前で金策付いて良かったわねっ」


「本当デスわね、オネェサマっ」


「何でも質流れを待ってた奴がツバ付けてたって言ってたからなぁ」


「えぇっ、これまた涎付いてんのっ?バッチイわねっ」


「言葉のあやだ、言葉の」


田野倉から回収した立て替え金とアンが生け捕りにしたうり坊を売った事で、質流れ寸前のフリント銃を救出して長家に戻った。


夕方になって、やっと酔いが冷めた八尾は他の鉄砲も出して分解清掃をしている。

ボアスクラバーを垂らしたブラシを銃身に何度も何度も通し汚れを落とす。

序でに今日使ったM9410もサラッとブラシを通しWD40を塗り拭き上げる。

何処か気に入らない様で銃口を覗いてはボアスクラバーを垂らして磨き直している。


やっと汚れが落ちきったのでもう一度拭き上げて、ストレージに仕舞おうと思ったら入らない


「?」


何事と思い端末を見ると、

『只今メンテナンス中につきサービスを停止しております。

利用者の方々にはご迷惑をお掛けして大変申し訳ありませんが今暫くお待ち下さい。』

と表示されていた。


「アン、何?このメンテナンスって」


「知らないわよっ、叩けば直るんしゃないのっ?」


「サーバー側だからなぁ、ってサーバーなのか?」


サーバー(ドーロ)よっ、って、あれっ?

アクセス出来ないわねっ?」


アンは端末からドーロを引っ張り出そうとしたが、此方もメンテナンス中であった。


・・・

その頃ドーロは


「いっやーマジヤバ、何で宙ぶらりんの領域がこんな所にって思ってたら、まさかのストレージだったとはね

邪魔だったし、いらんテスト領域かと思いっきり解放しちゃった

まぁバックアップから復旧しとけば無問題

って、あらま、一度もバックアップされた形跡無いじゃん、前任者がダメな奴だこれ、ボクはしーらなぃっと」


と、作業前にバックアップ取らなかった自分の所行は棚上げして作業を進める


「うえぇ、これログからするにオーナーはおねぇさま方じゃん?アレか、アレだったか、、ヤバいなぁどうにか誤魔化せないか?、この領域作ったスクリプトは、、これか?うゎ、旧いなぁ、読みにくい、、、ええと、ポイントだけアレの部屋だけにして、、、ってどれが部屋なんよ、、面倒だなぁ、いーやオリジナルの座標をこの辺で指定してコピペっと、、、いーやこれで、うん行ける行ける、、多分行ける、行ってみよー ぽちっとな」


「うん、動く、動く、出来た出来た、多分出来た、上~出来だ。ボクってホント天才、、さーて働き過ぎたし惰眠を貪ろーっと」


・・・


「あにっ?、これっ?これどーゆー事なのよっ?」


朝になって出しっぱなしにしてあった銃をストレージに仕舞ったアンが叫んだ。


「何っ、朝っぱらから大きな声で」


「アタシの9410がフリント銃と同じカテゴリに仕舞えてるのよっ」


「仕舞えたんだろ、メンテナンスが終わったんでしょ?」


「あに言ってんのよっ、カテゴリが同じなのよっ、

八尾の部屋の9410と、ここのフリント銃が同じ場所に格納されちゃうのよっ」


「いつものストレージの中でしょ?」


「えーいっ、面倒臭いわねっ、9410が消耗品扱いなのっ、壊れたらお終いなのよっ」


「何言ってんの、ウィンとブロは早々壊れないって」


「そーゆー問題じゃないのよっ」


「オネェサマ、台帳が消去されて行ってマス

入れた物を出して下サイ、早く」


べるでが悲鳴のような声を上げて叫ぶが、フリント銃を取り出してM9410も、と思ってた所で台帳から消えて無くなってしまった。


「あぁっ消えちゃったっ、てっ、、取り出せたのよねっ?」


と、アンが振り返るとべるでがダッチオーブンを抱え、八尾はフライパンを抱きしめていた。


「あんたらっ、何でそんな物を抱えてんのよっ」


「「あ、あ?、アハハハハハハ」」


べるでと八尾は互いに抱えている物を見合って力なく笑った。


「笑いごっちゃ無いわよっ、あたしの9410が消えちゃったわよっ」


ストレージを探すが何処にも無い、そもそも台帳が全て空欄と成ってしまっている。寝床の布団を捲っても出てこない。消えてしまったのだ。


「ドーロ、ドーロっ、どーろっ、、、、てーぃっ」


アンは虚ろな目で端末に腕まで突っ込んでかき回すとドーロを一本釣りで引きずり出した


どちゃっ


「アテテテっ、痛いなあっいきなり何すんのよ

って、、って、、」


・・・


「でっ?何か言いたい事はっ?」


「ボ、、ボク、足が痺れちゃったかな」


ドーロは30分程黙って正座させられていた。

その横に何故か八尾とべるでも一緒に正座させられている。


「顔近いって、怖いっ、怖いよっ」


表情が消えたアンの顔がドーロの目前にあった。


「だから消しちゃったのはボクが悪かったって

バックアップも無かったんだから仕方ないでしょ

そもそもあんな中途半端なとこに確保する方が悪いと思わ、、、思わ、、思わないです、はい

でも元に戻したでしょ」


「全部消えちゃいまシタよ?」


「ガラクタが多くてインデックス作成に時間掛かってるんじゃ無いの、ボクはちゃんと最新から再構成したってば」


「あっ、台帳に何か追加されてきた、あれ?何だこれ?」


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ