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第21話 嘘吐き猫の独白

今回チェシャ猫視点となっておりますー。

ってかタイトルにもある通り、途中から本当に独白っぽくなっておりますー。

ご注意くださーい。

 ありすは、俺が寝たと思って、抵抗の一つも見せない。

 ただ、困ったような顔をしてるんだろうなーなんて思って、少しだけ見てみたくなるんだ。

 寝たフリしてるし、盗み見るのも難しいだろうけど。

 想像すると、どうにも止まらない。


「あり、す」


 寝言を装って彼女の名前を呼ぶと、びくりと反応した。

 相変わらず、面白い。

 無防備なありす。このまま食べちゃいたいくらい。でも、嫌いなんて言われたくないから、やめておく。

 今は、このぬくもりだけで十分。


「チェシャ猫……」


 俺の名を呼んでくれるその声は、何となく特別のような気がして。

 俺の思い込みだろうけど、ねえ、もっと呼んでよ。

 愛しさを込めて、何度も、何度も呼んで。

 そしたら、同じように呼ぶから。その名前に、愛しさを込めて。


「チェシャ、猫」


 その思いが通じたとは思わないけど、彼女は力強く呼んでくれた。

 気付かれない程度に、彼女を優しく抱きしめる。

 あぁ、何て幸せなんだろう。


 俺には、彼女を連れて逃げる権利なんて、ないけれど。





 『愛してほしい』……なんて、初めて思ったのはいつのことだったろう?

 俺は最初、アリスと名付けられた少女に近付くことことすら許されなかったのに。

 叶わないと知ってなお、愛してしまうのは何故だろう?

 この国の人は皆アリスという存在を愛するように創られたんだ。


 その少女を愛さなければ、狂ってしまうんだ。


 愛する存在が欲しくて。

 愛される価値が欲しくて。


 ただ何かを愛していないと狂ってしまう。

 だから何よりも愛する存在をそこに創った。

 かわいそうな少女は、歪んだ愛を必至に受けとめようとするあまり、誰も知らない異界で果てることになる。


 愛しすぎると、人はそれを殺めたくなるそうだから。


 自分のものだけでいて欲しいと願うあまり。

 か弱き少女は簡単に息絶えてしまう。

 心なくても、笑ってくれなくても、その少女の身体ぬけがらだけあればいいというのだろうか?

 それだけが愛する対象となるのだろうか?

 ねえでも、どんなに愛しても……。


 どんなに俺が愛しても、アリスは俺を愛してくれないんだね。


 少女は皆、白兎を愛した。

 追いかけてるうちに見た夢は、白い兎が愛の世界へと導いてくれる幻想ユメ

 白兎でなければ、彼女らは誰も愛さず果てる。愛せず果てる。

 どんなにしたって、俺のことは愛してくれないから。


 歪んだ愛は届くのに、曲がった愛は届かない。


 アリスは、どうして狂った兎に夢を見てしまうのかな。

 ひずんだ猫は、愛せない?

 どうしてなんて、アリスは答えなんて持ってないだろうけど。

 そういうもの。分かってる。


 少女はこの地で、何を思い果てていくんだろう。

 呪いをかけたのは、確かにアリスという少女だっただろう。

 けれど、その呪いを喜んで受けたのはどこの誰だっただろう?


 最初のアリスは何と言った?

 きっと、俺が思うことと同じ台詞を口にしたんだろう。


『彼らは、自分自身に呪われている―――』


 ……もうそれも、500年も前の話。

 今は今を生きるしかない。

 仕方ないと、諦めるしかないのだろう。


 ―――ねえ、権利なんて、なくてもいいよ。


 彼女を連れて逃げられたらと、何度望んだことか。

 罰されても、憎まれても、たとえこの身が果てたとしても。



 このか弱き少女ありすを守れるのは、きっと俺しかいない―――




あぁ駄目です私はもう末期です(←


突然すみません;;

何かこの頃この物語も脳内もチェシャ猫づくしだ(汗

本気で脳内カオスです。

調子乗りすぎた更新が突然絶えたのはそのせいですすみませんorz


次回はこの頃でてない可哀想な子たちのターンってことで!(←

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