七十九章「UNDER THE GROUND」
カリアは、城下町の広場に来ていた。辺りを見ましてみる。所々に火がちらついついる。その中心に拳を握ってワナワナと震えている人物がいた。
「アンタレス!無事だったのか!?」
アンタレスが振り返る。
「すまん。フィーネが連れていかれた。俺の気を引いている間にやられた。」
見るとアンタレスの顔は怒りで引きつっていた。
「そうなのか。・・・・仕方ない。まだ間に合う!急ごうぜ!」
「奴らフィーネを処刑するとか言ってたぞ。」
「なら、尚更だ!いくぞ!!」
カリアとアンタレスが駆け出そうとした時、
「待てよ!」
「俺達もいるぞ!」
急に声をかけられ、二人は、振り返る。そこには、ギルフとイルファーがいた。
「二人共!」
カリアが歓喜の声を上げる。
アンタレスが言った。
「4人なったから、二手に分かれよう。」
皆が頷く。
「なら、俺はアンタレスだ。」
イルファーの言葉にアンタレスがニヤリと笑う。
「デュアルドラゴンの力を悪魔共に見せてやる。」
「なら、俺とギルフが組む。俺達は、正門から、突破する。その間に二人は、別から攻めてくれ。」
そう言ってカリアは、ギルフと駆け出した。
「俺達もいくぞ!!」
「あぁ!!!」
アンタレスとイルファーも駆け出した。
ミティオルとメルクリアは、王宮の廊下を駆けていた。
「でフィーネは、どこにいるんだろうな?」
「妾とて、わからん。だから、探しておるのだ!」
そこまで言ったメルクリアが急に足を止める。ミティオルは、既に足を止めていた。
「バレてたのか。」
「その様だな。」
二人の前に三人の悪魔の男達が立ちふさがる。三人から立ち上る魔力が推測するにかなりの強さである。
「やるしかねーな。」
ミティオルが拳を打ち合わせる。
「そうだな。」
メルクリアも肩を回す。
そして、二人が同時に唱える。
「「ディグラス!」」
二人がスペルギアダストオーバーブースト状態となる。
「おまえ・・・・・・使えたのか。」
ミティオルが呟く。
「妾も遊んでいた訳ではない。貴様に初めて会う前には、既に修得しておった。」
「なるほどな。」
そして、二人が構える。
それを見て、三人がそれぞれの武器を掲げる。片手直剣、シールド、ランス、それぞれが光り出す。
そして、三人が唱える。
「我が身に宿れ!神霊ブルーザス!」
「我が身に宿れ!神霊ダンダロス!」
「我が身に宿れ!神霊ゲラオン!」
それぞれが神霊を纏う。
「我が名は、セイバート。極秘魔隊の一人だ。」
ブルーザスを纏う男が名乗る。
「同じく、イドラシエ!」
「同じく、ラフカディア!」
続いて、ダンダロス、ゲラオンを纏った男達がつぎつぎに名乗る。
ミティオルとメルクリアも名乗る。
「雷龍ミティオルだ!」
「妾は、メルクリア!」
両者が睨みあう。
「不法侵入者共。排除する。」
「やれるもんなら、やってみな。」
ミティオルとメルクリアから、強力な魔力が立ち上り出した。
「また、お前らか。」
アンタレスとイルファーの前にアイザーとダロットが現れる。
「お前ら二人は、確実仕留める。」
アンタレスがニヤリと笑う。
「さっきみたいには、もういかねーよ。」
そして、アンタレスは再び口を開く。
「記憶いじられたんだな?アイザーいや、イアード。」
!
アイザーが何か言おうとして口を開けるが何も言わない。
アンタレスはニヤリと笑う。
「やっぱりな。懐かしい。・・・・・・お前もだ。マキル。」
そう言って、イルファーは、ダロットを見る。
ダロットが混乱するような顔になる。
過去は、儚く切ない。しかし、その記憶は、例え消されようとその心に深く染み、消して全て消えはしない。龍の記憶が甦ろうとしていた。
アグネは、丘の上で笑みを漏らした。
「まだまだこれからさ。極秘魔隊の奴らは、強いからね。邪魔は、させないよ。カリア。」
すると、後ろの空間が歪み、シルバーナが現れる。
シルバーナに気がついて、アグネが振り返る。
「やぁ。シルバーナ。何の用だい?」
シルバーナは、ある包みを投げてよこす。それを片手で受け取り、アグネは中身を確認する。
!
ゆっくりと包みを包みなおして、アグネは言った。
「これをどこで?」
「さぁな。交換条件だ。そいつをやる代わりに・・・・。」
シルバーナが言葉を切る。
しかし、アグネは先がわかっているようで、包みを投げ返す。
「悪いが腐ってもガクラの人形だ。やるつもりはないね。」
それを聞いて、シルバーナは、もう一つ包みを取り出す。その場で中身をアグネに見せる。
アグネが目を見開く。
「ほう。面白いねシルバーナ。・・・・・・・・いいだろう。開いてあげるよ。」
それを聞いてシルバーナは、包みをしまう。
「開き次第渡す。それじゃまた。」
シルバーナは、そう言って空間の歪みに消えて行った。
アグネは、呟く。
「面倒な男だな。」




