七十四章「DON'T LOST」
「ったく。冗談キツいぜ。」
ミティオルは、血の混じった唾を吐き出す。
「これがデーモンズスペルギアの力。三人のドラゴンスペラーが揃ったからこそ完成した秘術だ。」
ナーヅが両手を広げ笑う。
ミティオルは、雷を纏い飛び出した。
「うるあ!」
しかし、ナーヅは、黒い魔力と旋風を融合させて、放ってくる。
!!!
ズガガガガ!!!!
「この秘術の前に貴様は、私に指一本触れることすら出来ないだろう。」
吹き飛ぶミティオルにそう言って、ナーヅは右手に岩と旋風、左手に氷と旋風の魔力を集め、悪魔の魔力をそれぞれに混ぜる。
「消えろ。雷龍。貴様の死の暁には、その雷の力をいただくとしよう!」
そして、全ての魔力を一つにまとめ、手のひらに凝縮する。
それを見てミティオルが叫ぶ。
「スペルギアファイナル!!!雷轟限撃葬!!!!!!!!!!!!!!」
ナーヅも叫ぶ。
「魔龍戦義!!!!!!!!巴・争燦!!!!!!!!!」
ナーヅの突き出した拳から、もの凄い勢いで魔力が流れ出し、ミティオルのスペルギアファイナルを打ち消す。そのままミティオルが魔力に呑み込まれる。
「うおああああああ!!!!!!!!!!!!!!!!」
地面に叩きつけられ、ゆっくりと立ち上がるメルクリアにエザーロットは、悪意に満ちた笑顔を向ける。
「僕の神霊エトラは、パワー増幅が能力でね。残念だったね。君の膂力とでは、格が違ったようだ。それに・・・・。」
そして、エザーロットは、真顔に戻り言った。
「君は、スペルギアダストですらない。その時点で勝負は見えて・・・・。」
ガン!
地面が揺れた。
見ると、メルクリアが拳を地面に叩きつけている。
「妾は、正直事の勝敗よりも、仲間を救うという結果の方が大事だ。しかし、貴様を倒さねば前に進めぬというので有れば、私も本気という余興を見せてやらぬでもない!!!」
エザーロットは、それを聞いて鼻で笑う。
「強がるね。スペルギアダストですらない君にこれ以上の何が・・・・・・・・・・!?」
エザーロットが言葉を切る。
見ると、メルクリアの周りに魔力が渦巻き始める。
「一つ聞いておこう。いつ妾がスペルギアダストの力を持たぬと確信した?」
みるみるうちに魔力がメルクリアに集まる。
エザーロットが目を見開く。
「なっ・・・・・・きっ貴様、まさか!!!!?」
その時、メルクリアは、唱えた。
「ディグラス。」
カッ!
一瞬、魔獣のシルエットが見え、次の瞬間、スペルギアダストオーバーブーストとなったメルクリアが現れる。
「一撃で終わらせる!!!!スペルギアファイナル!!!!!!!!」
エザーロットが慌てる。
「やっ!止めろおおおお!!!!!!!!!!!!!」
辺りが眩い光に包まれる。
「金剛閃煌拳!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!」
メルクリアの黄金の拳がエザーロットをとらえる。
ズドガアアアアン!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!!
渾身の一撃にエザーロットは、地に崩れるようにして倒れた。
「ありえ・・・・な・・・・・・い。」
ドサリ
倒れたエザーロットが確認し、メルクリアは、足早にその場を去った。
「おらあっ!!!!!!!!!!!!」
ギルフの振り回すメターカ・ドゥギットがベルフェデュオをとらえた。
「ぐはっ!」
叫びつつも、太刀をギルフに振り下ろす。
しかし、
「ハッ!」
そう言ってギルフが太刀の刀身を拳で殴りつける。
ピシッ!
「なっ!?」
ベルフェデュオが驚く。次の瞬間、太刀が粉々に砕け散る。
立ち尽くすベルフェデュオにギルフが言った。
「来いよ。まだ終わってねーぞ!」
その言葉を聞いてベルフェデュオは、ゾクリとする。
なんだ!?この殺気。コイツは、いったい・・・・・・。
ギルフが続ける。
「これからが本番だ。」
地に伏せるミティオルにナーヅが言った。
「お前は、よくやった。俺達に秘術を使わした。だが、それ故に敗北する。それは偶然でなく必然。貴様は、私に勝てない運命だった。」
そう言って、ミティオルに手を伸ばそうとした時、
「運命だ?なめんなよ。」
ナーヅが目を見開く。
「バカな!?」
ミティオルは、ゆっくりと立ち上がった。
「もし仮に運命ってのせいで仲間が救えないのなら、そんなもん雷で塵にしてやる!」
ミティオルが激しく放電する。
「ナーヅとか言ったな?確かに俺の力だけじゃ、あんたに勝のは難しい。だが、これならどうだ?」
そう言って、ミティオルは、辺りに漂う悪魔魔力を吸収し始める。
「何!?」
ミティオから、黒い雷がほとばしり始める。
「悪雷と言ったところか?こいつでテメーを叩き潰す。負ける訳にはいかねーからな!」




