十一章「GOLD SWAN」
その者もまた、スペルギアダストの選定者であった。
背まで垂れる薄い茶色の髪と黒い瞳。
いつから、剣を握るようになったのか………。
その剣の舞は、美しく同時に多くの血を流させた。 力を使い変化した姿は、尚美しい。
その者は、「金鳳」と呼ばれる。
カリアとアルンは、盗賊のアジトにきていた。
「いや~。道に迷ってしまいまして~、少しばかりの食べ物と飲み物をいただきたいんですが?」
カリアが大げさに頭領の前で土下座する。
「盗賊のアジトに来て、ものごいか? ふざけたヤローだぜ。」
「身ぐるみ剥ぎ取って奴隷にでもするか?」
盗賊たちが、口々に言った。
「まぁ。お前たち待て。 旅の者、ものは交渉だ。お前の背中の剣を全部置いていくなら、食べ物と水ならくれてやろう。どうだ?」
頭領が言った。
やっぱり、そうくるよな~。
「それなら、やっぱりやめときやす~。失礼しました。」
何気なく立ち去ろうするが近くの盗賊の男達が立ちふさがった。
「ただで出られると思ったか?ガキ。」
男達が武器を構える。
はぁ。仕方ない。
そう思った時、
「待ちなさい! 飢えに苦しむ民に攻撃とは何事だ!」
フードを被った人物が入ってくる。
「何者だ!」
頭領が叫ぶ。
「野蛮で乱暴な族に名乗る名前など…」
「ディグラス。」
刹那。
変身したカリアによって、盗賊団が一掃される。
一瞬の出来事にフードを被った人物が茫然とする。
元に戻ったカリアが言った。
「女の子がこんなとこ来るもんじゃないぜ?」
フードが取れる。
そこには、カリアと同い年ぐらいの少女がいた。
「何よ! 人が親切に助けてあげようとしたのに。どういうつも…………ってか、あんた…聞きなさい!」
立ち去るカリアの腕を少女が掴む。
「あんた…スペルギアダストなのね?」
「!?」
少女の名は、フィーネ。 その茶髪のロングヘアを揺らしながら、カリアについて来る。
「あんたね!!聞いてんの?私もスペルギアダストなの!!」
「スペルギアダストについて、知ってるのは驚いたけど、君みたいな女の子がスペルギアダストね~。 君がね~。」
「信じなさいよ! それと私は、君じゃなくて、フィーネ!!何回言ったらわかるの?」
めんどくさい。
「で? 君がスペルギアダストだってのは分かったけど。それで?」
「………。」
急に黙り込むフィーネを見て、・・・・やれやれなんなんだ。
「あのな~」
「…たの。」
「あ?」
「探してたの!スペルギアダストの人を! 」
「それで?」
「…いや、う~ん。その………」
またしても、黙り込む。
はぁ。
カリアが歩き出す。
「ちょっ!待ちなさい!」
「俺だってなぁ。」
「私、村の長老に言われたの。 スペルギアダストの人と旅をしろって。そしたら、この力の秘密が分かるって。そう言われたの!」
「俺はやめときな。他あたれ。」
正直、スペルギアダストの秘密については気になるが、断る。
「お願い! 旅に同行させて!女の子一人ぐらい大したことないでしょ?」
「ざけんな。俺には、既に相棒がいてなぁ。そいつ守るので精一杯なんだ!更に女の子が増えたりなんかしたら、守れるもんも守れなくなる。」
「相棒?」
フィーネが辺りを見回す。
「カーくん。別にいいじゃん。 私、妖術で自分の身ぐらい守れるよ~。 それにその子が本当にスペルギアダストなら、強いから問題ないじゃん。 ケチケチすると、モテないよ?」
アルンがポケットから飛び出した。
「つってもなぁ。年頃の女の子だぜ? 俺だって、なんかあったら責任とれないし。」
その時、
「何これ!?妖精?かわいい!」
フィーネがアルンに近寄る。
「はじめまして、私アルンって言います。これから、よろしくお願いします。フィーネさん。」「え?一緒に行っていいの?」
「モチロンです!」
「おいおい。アルン。」
「ケチするとモテないよ。カーくん。」
「ケチってお前…………はぁ。分かった。来いよフィーネ。一緒に行こう。」
そんなこんなでフィーネが旅に加わることになった。溜め息を漏らすカリアに笑顔でフィーネが言った。
「よろしくね!!カリア! アルンちゃん!」
なんでこうなるんだ。
確かに断る理由は、ちょっと自分かってすぎたが、女の子だぜ女の子。
う~ん。
悩むカリアの後ろでアルンとフィーネが楽しそうにおしゃべりを始める。
夜になった。
焚き火の横で直ぐに眠ったフィーネとアルンを見る。
まぁ、がんばるしかねーか。
カリアはコートを脱いでフィーネにかける。そして、アルンを膝の上に乗せて、木に寄りかかる。
世界は、広いな。既に四人のスペルギアダストに出会った。
フィーネか………。
新しい仲間の寝顔を眺め、、空を見上げる。
そこには、幾つもの星が輝いていた。
仲間か…………。
テスト前で切羽詰まってます。
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