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序章『SHELLS STROLL』

 ズキリ。

 痛むのは、魔剣に斬りつけられた額ではなく、心。

 少年は、雪の大地をあてなくして歩いた。何故痛いのか。何故歩くのか。その姿は、敗戦をきした狼の様である。白銀の髪は荒々しくのび、纏う服も粗末なものだ。瞳は、美しくも儚い青。体には、痛々しい傷が多数。生きていることすら、不思議に思える。背に抱える一本の魔槍がその生き様をかたるようだった。

 

 雪の大地は、少年を称賛するかのように又、死へと誘うように強く吹雪いた。

 抜け殻は、歩いた。

 その先に自らの求めるものがないと知っていながら。


 死んでは、いけないとわかっていた。しかし、寒さと傷に少年の体は、弱りきっていた。  バサリ  少年は、雪の大地に身を預け、目を閉じた。ゆっくりと眠りたいと思った。そして、遠くなる意識のなかで、自分に近寄る、小さいが強い足音を聞いた。


     「だれ・・・?」

 それは、足音に聞いたのか。己に聞いたのか。

 足音が止まり、自分の上半身が抱き起こされるのがわかる。

     何か聞こえる・・・。

弱った聴覚に全神経を研ぎ澄ます。わからない。 少しずつ目をあける。視覚も弱っているため、よくみえないが女だとわかった。小さな少女だった。いや、少女だと思った。少女は、微笑んだ。とても嬉しそうに・・・・少女は、言った。今度は、はっきりまるで脳に直接語りかけたような・・・・。

 「ありがとう」

 なぜ、その一言が自分に与えられたのかわからない。ただ、その一言が温かいと感じた。

 少女が言った。

 「お願い・・生きて。 …あなた、・・剣。時代を斬るための・・・私は、砥石。 ずっと見ているよ。ずっと、いっしょだよ。だから、生きて。生きて、いまを照らして。」

 何のことかわからない。けれど心は、少年の本能は、気がついた。   懐かしいような温かいような・・・・・そうか、君は、ぼくの・・・・・・・・


一話一話が短いですが、思いついたら、ガンガン書くのでスペルギアダストをよろしくおねがいします!

                     H25/1/28

黒霧 岳羅


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