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スラブ・レボ大森林 ①
早朝の森林浴ほど気持ちのいいものはない。
くたびれた現代生活に身を置く人間であるならば、その開放的な空間と環境に心を和ませる魅力があることは説明するまでもないだろう。
活力に溢れ、静かな時間が流れる場所。
穏やかな森林地帯。
そこは――しかし、そんな癒しが存在するとは思えないような空気を放っている。
そのエリアの名は、スラブ・レボ大森林。
日々森林内の植物が変異を起こすために未だ安全が確保された正規の交通網が整備されておらず、年間およそ二万三千人もの未帰還者を生産する特級の危険地帯。
死の樹海と称される極地。
――ラビスは、知らなかった。
これから自分が身を置くことになる環境が、どれほどの危険に満ちたところなのか。
どれだけの困難が待ち受けているのか。
その表層を見ただけでは、想像もつかなかった。




