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掌編小説

アドレス帳

作者: 斎藤康介

 発作的に携帯のアドレス帳を開き、連絡先をすべて消したくなる衝動に駆られることがある。例えば晴れた夜の、月が燦々と輝く日。自分自身が孤独だと幻想を頂くような日だ。

 実際に消してもいいのだが、現実問題としていくつか不利益が発生するため消すことはできない。心情よりも損得の観念が私の良識を支えていた。だが時に良識をもってしても発作を抑えられないことがある。そんなときは、厳正に吟味し一人二人の連絡先を消すことにしていた。

 連絡先を消す作業は部屋の片付けによく似ていると思う。雑多に散らかった関係を処分する。処分することで心の整理がつき、幾分か心が軽くなる気がするのだ。

 だが消したところで用がある者しか連絡が来ない訳で、消すことで自分の繋がりを確認したいだけなのかもしれなかった。

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― 新着の感想 ―
[一言] お久しぶりです! 最近は忙しくて、書くのも読むのも滞る状況に(ρ_;) でも佑祐さんの文章は癒やされますね、疲れが飛びます^^ 部屋の片付けをした後とか、気分がスッとしますよね。 部屋の…
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