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卒業旅行(エピローグ~恋のプロローグ)

「海斗くん、びっくりさせちゃってごめんね」


海斗の前で、レースのチュニックの裾から、濡れたショーツと太腿を見せながらも、紗季は心から元気そうだった。



「まさか、紗季まで漏らしちゃうなんて・・・」


白いバスタオルの上で、紗季の太腿に張りついたジーンズを少しずつ脱がせながら海斗が言った。



「でも海斗くん、私が・・・おしっこしちゃうって、期待してたでしょ? 私のおしり見てたもん」


「分かってたの?・・・でも、まさか、ほんとに漏らすなんて」


「私だって、海斗くんがおもらしして、すごくびっくりしたんだから」


「そうだったね、ごめんなさい」


「でも、おもらしした海斗くん・・・、なんだか素敵だった」


「いまの紗季も、すごく素敵だよ」



ジーンズを紗季の両脚からはずした海斗は、一気に紗季のショーツを脱がせると、紗季がしてくれたのと同じようにタオルで丁寧に拭き、新しい紺色のショーツを穿かせてあげた。



窓辺で体育すわりをしながら、紗季が隣の海斗に言った。


「海斗くん、勝手に私の前でおしっこ漏らして、勝手に私に甘えて、勝手に私を揺さぶっておいて・・・勝手に別れようとするなんて、ひどいって思った」


「それで、漏らしちゃった?」


「海斗くんの気持ちを思ったの。どうしておもらししちゃったのかなって。そしたら・・・、気持ちが淋しかったりすると本当に出ちゃうんだね。私もまさか、この歳になって漏らすとはね・・・」


紗季が目を伏せ、紺のショーツをさすりながらつぶやいた。



「よかった・・・紗季がその気になってくれて」


「え、海斗くん・・・まさかあのとき・・・」


「紗季のこと、振り向かせられたら、って・・・」


「わざとおもらししたの?」


「紗季が優しければ、しなかったのに・・・車降りて行っちゃうから」


「それで・・・、まさか本当に、おしっこしちゃうなんて・・・」


「うん・・・」


「え、それじゃ、さっきあんな冷たいこと言ったのも?」


「紗季の気持ちを揺さぶってみたかったんだ。でも、ほんとにおもらしするなんて思わなかったし」


「ひどい・・・私、すごく心配して、淋しくて、我慢できなくなって・・・、恥ずかしかったんだから」


「ごめんね・・・ごめん、紗季には本当に恥ずかしい思いさせちゃったね」


「でも、海斗くんも、ずっと淋しくて・・・。恥ずかしかったんだよね・・・」


「ううん、でも紗季がおもらししてくれて、すごくうれしかった・・・。僕たちって、似てるのかな?」



やがて日が暮れて、窓の外にはひとつ、ふたつと星が瞬きはじめた。


さっき恥ずかしい姿を見せあえたことで、すっかり海斗に対する心のわだかまりや不安が消えて楽になった紗季だった。



でもしばらくしたのち、ふと困った顔をした紗季は、そっと自分の脇腹に手をやった。そして海斗の、女性のように綺麗な太腿に挟まれたショーツのふくらみに視線を落とした。海斗もそれに気づいた。


それは、紗季の身体がふたたび苦しくなってきたためだった。でも、その解決の仕方をもうふたりは知っていた。



海斗は、紗季の背中に腕を回すようにして、彼女が脇腹にあてた手のうえに、そっと自分の手を重ねた。


「紗季?」


「・・・海斗くんは?」


「うん・・・さっき、いっぱいコーヒー飲んだから」


「・・・」


「・・・このまま、しちゃおうか?」


「うん・・・」



ちょっとためらったのち、海斗のふくらみがじわっと濡れ光りだしたときには、紗季のショーツの中にも熱い水が勢いよくあふれだしていた。


”シュゥゥゥ・・・”


おしりの下でかすかな音を立てながら、肩を抱きあってキスをするふたりを包みこむように、透明な水が広がっていった。



(「卒業旅行」終わり)

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