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暖かな季節(まえがき:衝撃からはじまる恋)

「おもらし」というと、してしまった人が恥ずかしさのあまり泣いたり、傷ついたりと、とかく悲壮に満ちたイメージで描かれがちです。


でも、幼稚園や小学校で(あるいは中学校以上でも)、他のクラスメートがおもらししているのを見て、ドキッとしたことを覚えていませんか?


私の通っていた幼稚園や小学校は、規律が厳しかったせいか、よくおもらしする子がいました。中には前を平然と押さえて、漏らしてしまう子もいたりしました。


そんな中、とくに異性がおもらしする様子には、いつも私はドキッとさせられていました。



それ以来(しばらくの間)、私はその子のことが今まで以上に気になりだしたり、特別な気持ちを持ったりしたことを覚えています。


ドキッとさせられたということは、逆にその子から様々なセックスアピールを感じさせられたんだっていうことを、私は後から気づきました。そのとき、人生で初めてエロティシズムを経験したんだって思います。


確かに、おもらしした子にしてみれば、それは大きな「事件」です。子供とはいえ、濡れた衣服を脱がされて下半身裸にされたり、服が乾くまで色つきのパンツやブルマーを穿かされたりというのは、それなりに恥ずかしそうでしたし、気の毒でした。また、おもらしした年齢が高ければ高いほど、後々まで心の傷として残ることもあるでしょう。



でも、その恥ずかしいことをしてしまったのと引き換えに、他の人をそれだけ「衝撃的に」魅了できることが、私には羨ましくも思えました。やろうと思ってもできないことなので、なおさらだったのかもしれません。


「おもらし」という出来事は、そうやってあるとき「突然に」やってきて、本人やまわりの人の心の扉を「衝撃的に」開けて、様々な思いを撒き散らします。まさかおもらしした本人も、今日自分がそんな「事件」の当事者になるなんて思ってもいなかったことでしょう?



もし、そのとき、ふたりが恋愛関係にあったり、恋に至る途中だったとしたら・・・


キューピットの矢のように突然、互いに相手を特別な存在として意識させ、恋愛をキュッと深めることができたら・・・


そして、本当はとても恥ずかしい出来事でも、ふたりの間では一切悲しんだり、傷ついたりすることなく、暖かい思い出となったら・・・



それは、ひょっとしたら、すごく素敵なことかもしれない・・・


そんな恋のストーリーを考えて、小説にしてみました。


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