to be continued…
短編です
“俺たちの旅は、これからも続くぜ!”
俺は、定期購読していた漫画雑誌をパタリと閉じた。
単行本が7巻を越えたあたりで、話が面白くないという意見が増え始め、次第にこの漫画は雑誌の後半に掲載されるようになった。
そしてついに、打ち切られ、ベタな最終回を迎えた。主人公の最後の言葉は、ありきたりで、漫画の端に「先生の次回作をご期待ください!」と書かれていた。
雑誌に掲載された第一話を呼んだ時の感動は今でも覚えている。話だって面白かったし、描写力もある。
でも友人などに聞くと、「面白くない」「なんか読んだことあるんだよね」「○○のオマージュ、ってかパクリじゃね?」などの酷評を聞かされた。
俺はそれに苦笑いで答えた。自分の好きな作品をそうまで酷評されるというのは、結構来るものがある。
主人公には、結構思い入れがあって、自分に似た性格に見えていた。周囲からは馬鹿にされ、魔王なんて倒せない、そう言われても、彼は懸命に剣を振るった。襲い来るモンスターたちを一掃して、時にはモンスターに情をかけてしまい、窮地に陥る場面もあった。ただ単に、相手のモンスターが美人で可愛かったというのもあるだろう。でもそこが、人間臭くて、俺はこの主人公が大好きだった。
でも、この作品は終わってしまった。主人公は、魔王にたどり着いていない。幹部クラスの四天王の一角をようやく倒したところだった。せめて四天王を全員倒してからなら、このラストでも良かったのかもしれないけれど、現実は厳しい。
漫画家の世界はシビアだ。雑誌の掲載順や、読者アンケートでその価値が決まってしまう。作者がどんなに、主人公の未来を想像していても、読者と編集者の力が加わると、簡単に未来を消されてしまう。
俺はこの主人公の、未来がもう見られないことが悔しかった。四天王との戦いだって。これから激化していくし、魔王との戦いが、この漫画のピークだ。魔法使いと姫と勇者の三角形の恋、これだって描き切れてはいない。結局勇者はどちらを選ぶのだろうか。
「「ピンポーン・・・」」
「先生、ファンレター、置いておきますね」
俺の返事を待たずに、編集さんがドアに紙袋を下げていく音が聞こえた。足音が去ったのを確認して、紙袋を回収した。今は誰にも会いたくなかった。
ほとんどの中身には「面白かったです」「打ちきりなんて寂しい」みたいな応援が入っていた。そう言ってくれる人がいて、有難い限りだ。
いくつか読んでいくと、最後に「自分もあの勇者のように、これからの人生頑張ります」と書いてある手紙に行き当たった。
漫画が打ち切られて、勇者の人生が終わっても、俺の人生はまだ続く。そうだな、この作品を上回る、もっと面白い作品を書いて、見た人をアッと驚かせるような、そんな作品を、描いてやる!
「よし、ネーム描くぞ!」
——俺の戦いは、まだまだ続くぜ!——
頑張れ、主人公!




