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開花︰黒百合

まずは、自分の作品を気にかけてくれたことを誠に感謝申し上げます。この作品は、自分でも多くの人には好かれない作品だと思っております。とにかく見るに堪えないような作品でございます。覚悟をもっていただける方は序章にすぎませんが、読んでくださると幸いです。

これは、退屈な午後の授業の時だった。隣の席の彼、神無月 藍人は静かにペンを走らせていた。あまり目立つことはないけど、意外と面白くて、優しい人だ。

彼のペンから今生み出されているのは、足の長さや身体が不格好なひよこっぽい生き物。思わず私は笑いをこらえた。それに気づいた彼は小さく呟く。

「…笑わないでよ!足のバランスが難しいんだから」

そんな彼を見て、私は思わず口元をほころばせる。この時の私には想像もできなかった。彼が化け物だということを。


ドゴォォォンッ!!!


鼓膜を劈く轟音と共に、教室の大きな窓ガラスが内側に向かって爆発するように吹き飛んだ。

ガラスが突風で飛び散り、私の頬をかすめる。砂煙が晴れた窓枠にはこの日常に存在するはずのない「異形」だった。

むき出しの錆びた鉄骨と歯車が複雑に絡まり合い、それを無理やりつなぎ合わせるかのように赤い蔦が脈打っていた。「ギチ……ミチミチ………」と不快な音が耳に入ってくる。

パニックに陥り、蜘蛛の子を散らすように悲鳴を上げながら逃げていくクラスメイト達。しかし、腰を抜かした私は動くことはできなかった。

「あ、ああ…」

声にならなかった。自分でも分かるほどに情けなく、弱々しい声だった。そんな私に容赦なく赤い蔦が伸びてくる。死を覚悟し、反射的に目を強く閉じた瞬間、鋭い痛みが肩口を貫いた。私は血溜まりの中に倒れる。

激痛が身体を蝕み、薄れゆく意識の中、私の前にいたのは、黒いコートを着た大人の男。そして、次の瞬間彼の影から無数の剣の茨が「異形」を貫いた。彼の左目には、美しい黒百合が咲いていた。

全てが終わった静寂の中、奥が見えないような深淵の瞳をした彼は、血の海で動けずにいる私を見下ろした。

「…なぜだろうな」

そう呟き、彼の指先から黒い剣の茨が獲物を仕留める蛇のようにうねりながら、私の裂けた肩口へと迫る。

「や、やめ……!」

咄嗟の静止の声は、激痛によって悲鳴へと変わった。剣の茨が容赦なく傷口を「グリュッ

、ゴチュ」と音を立てながら抉り、深く、深く食い込んでいく。

「ああああぁぁ…!あ、あ゙ぁ!痛い、痛いッ!!!」

神経を直接ノコギリで削られているかのような、発狂しそうなほどの痛み。言葉通り、私は「串刺し」にされているのだ。

呼吸が浅く、涙と脂汗にまみれて痙攣している私を見て、静かに呟いた。

「一度枯れた花は、もう二度と綺麗な花には戻れない」

ただ、その言葉が血にまみれた2人だけの教室に鳴り響いた。そんな言葉の意味なんて考える余裕はなかった。私は激痛に喘ぎながら、震える声で「…化け物」とかすれた声を絞り出すことしかできなかった。

最後までお読みいただき、ありがとうございます。いかがだったでしょうか?この作品はまだ序章にしか過ぎません。これからもっと深く掘り下げ、時には残酷なものへと、時には微笑ましいものへとなるかもしれません。そんな作品を一緒に寄り添っていただけると嬉しいです。何卒まだまだ未熟者のため、感想やアドバイスなど何でもお待ちしております。読んでいただき本当にありがとうございました。

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