しゅう雪の夜
寒い日にアイスと一緒にホラーもどうですか?
*文章やあらすじは進捗に合わせて変化することをご了承ください。
ある夜更けのことです。
私は玄関の前にいました。
自動灯で照らされてはじめて、私が真っ白であることに気づくのです。
先程まで心地よくなっていましたから、記憶も朦朧としております。
何軒かを梯子しまして、体の火照りも飽き飽きとした頃のことです。
家族が心配するからなどと言って、私は帰路に着くのです。
シンシンと振る雪は私の体を冷やすのにちょうど良かったものですが、足跡が十も付かないうちに息苦しさを感じるのです。
屋根も傘もないものですから、外套を両手で寄せるとそそくさと歩きました。
そして、家路に着いたまでは良いのですが、私はただ立つことしかできません。
氷で閉めた魚のように動きが鈍るのです。
なにしろ、鍵がはまらないのです。
五十平米の慎ましい一軒家は今朝と同じ面影があるというのに、私を拒絶するのです。
私がガチャガチャとドアノブを回しても、ドンドンと強く扉を叩いても、一向に返事がありません。
その時でした。
ギュッ、ギュッという音が背後から近づいてきました。
振り返っても白い地面と私の足跡しかないのです。
耳元でギュッ、ギュッという音がドンドン大きくなっていきます。
私は身を固くし、息を呑みました。
風が止まり、雪が息を潜めます。
一瞬の静寂の後、ガチャとドアノブが内側から動きました。
その瞬間、首に冷たい縄のようなもので、強く引き締められたのです。
視界が反転し、私は仰向けに倒れました。
そして、正体に気づくのです。
目の前には雪のような肌に黒い髪、大きく優しい目、ぷっくりとした口の見慣れた女がおりました。
私は震えるのと同時に気が離れていくのです。
そんな私をなだめるように女は囁くのです。
「おかえり」
思い出した。
俺には帰る居場所がないことを。
思い出した。
あたしはこの夜を繰り返すことを。
思い出した。
私が首を絞めてたことを。
思い出した。
僕の雪女との関わりを。
思い出せない。
あなたは誰。
ご愛読ありがとうございます。
次は未定です。




