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幼馴染に告白したらその日から幼馴染にめっちゃ避けられてオレはついに…

作者: 猫の集会

 別々の高校に通うオレの幼馴染は、いつも変なことを言う。

 

 今もまさにそうだ。

 

「あのさ…わたし寝て起きると、だいたい朝になってるの」

 って言い出した。

 

 

 …

 

「それ、普通だろうね。」

「そっか…あと最近、嫌がらせを受けている気がする」

 っていうから、心配したんよ。で、どうされたか聞いてみると、

「夢をぶち壊してくるやつがいるって」

 いうんだよね。

 

 それは、ダメだろう。

 

「夢は、叶えた方がいいよ。そいつ連れてこいよ、オレが文句言ってやる」

 って幼馴染の花乃かのに息巻いた。

 

 そしたら…

「話が通じないと思う」

 って悲しげに俯いた。

 

「先生?それとも親?」

 

「ううん」

「じゃあ、だれ?友達?」

「違う」

 

 …

 

「まさか…彼氏…できたとか?」

「まさか」

 

 …

 

「じゃあ、だれなんだよ…?電話して言ってやろうか?」

 

 …

 

「電話…出れないと思う。てか、携帯とか奴は持っていない。っていうか…なんていうか…そもそも本人っていうか…」

 

 …携帯持ってないんだ?ん?本人⁇

 

 てか、奴って呼び方…。

 

「ところで、花乃の夢って何?」

「昨日は、訪問者が家に来てワカメ食べてたな」

 って、驚き発言されましたね…

 

 夢…

 

「それって…寝てる時にみるやつやん。」

「あー、うん」

「そうじゃなくて、将来の夢」

「あー、夢は落花生。ねえ‼︎雅也まさや!わたし達ピーナッツになろうよ‼︎」

 と、目を輝かす花乃。

 

 

「意味わかんない…」

「だからぁ、ピーナッツだよ。殻に閉じこもるの。」

「え?」

「ピーナッツってわかる?落花生。」

 そんなことも雅也は知らないんだ?みたいにオレをみてくる花乃。

 

「落花生くらい知ってるわい」

「じゃあ、どうしてそんなすっとんきょうなお顔なの?」

「それは…花乃がいきなり意味不明なこと言うからだよ」

「なに?どういうこと?」

「こっちが聞いてんの」

 

 …

 

 はて?みたいなお顔返し、されてもねぇ。

 

「落花生とは?」

「ほらぁ、やっぱり知らないんじゃーん」

「違うよ、落花生は知ってるよ。でもそれになりたいってどういう意味なのかなってさ。オレは今、味のないパスタを食べさせられた気分だよ」

「あぁ、そういうことね。ならお教えいたします。落花生ってのは例えで、こらからわたし達殻に閉じこもって、ずっとゲームでもして生きようって言いたかったの。」

 

 …

 

 それは…そうしたいって誰でも思うかもだけど…不可能に近い。

 

「それって、未来的にどうなるんだろ?」

「たぶん…落花生みたいにカラッカラになるよ」

 

 …

 

 それは…

 

「イヤかも」

「わたしもー。じゃあわたし達、ピーナッツ落花生は、解散ね」

 

 …

 

 いつのまにか結成していたっぽい。

 そしてすぐさま解散って…

 

 勝手に目の前で料理をふるまう感出しといて、完成と同時に目の前で食われた感…

 

 ってさ‼︎

 

 落花生とかピーナッツとか言っている場合では、ない‼︎

 

 花乃が、どこの誰だかわかんないけど攻撃を受けているんだった。

 

 夢をじゃまするヤツを突き止めて阻止せねば。

 

 落花生になっている場合では、ありません!

 

 今こそ、殻を破って打ち勝つのです‼︎

 

「でさ、ガチの夢ってなんなの?」

 花乃は、オレをチラッとみて顔を赤くして

 

「それは…秘密」

 って言うから、それ以上は聞けないよね。

 

「秘密か…。で、夢を邪魔する奴ってのは、どこのどいつなんだよ」

 

 花乃は、ピシッと携帯を指差した。

 

 …

 

 この携帯に連絡先が入っている奴なんだな?

 

「やっぱり電話できんじゃん?てか、電話しなくてもなんかしらで繋がってるんだよね?オレが文句言ってやるよ」

 

 

 …

 

「たぶん…通用しないよ?」

「大丈夫。」

「そう?ならどうぞ」

 

 携帯を差し出された。

 

 …

 

「相手の連絡とれるなんか、ひらいてくれないと」

「あー。」

 

 携帯をぴこぴこして、オレに渡してきた画面にオレは絶句した。

 

 

 …

 

 アラームやん。

 

 しかも変な目覚まし音やん…

 

 ピロロ〜、ぴこぴこピィ〜ン おっきろゥ〜 オキロウーゥゥうう〜

 

「あー、こいつかぁ。こりゃ、起きるわ…気絶してても起きるわな…。なるほどなーって‼︎なんだよ‼︎心配して損したわ。その夢かよ!ガチの夢やん」

「あはは!びっくりした?てか、ほんとに心配してくれたの?」

「あたりまえじゃん」

「なんで?幼馴染だから?」

 

 …

 

「それもそうだけど…やっぱり好きな人には、幸せになってもらいたいだろ?」

 

 …

 

「…へー、雅也ってわたしのこと好きなんだ?」

「うん。好き」

「ありがとう」

 

 …

 

「終わりかよ!」

「うん。」

 

 …

 

 フラれた?

 

 オレ…フラれた?か?

 

 

「あー、じゃあ…わたし帰るね。心配してくれて嬉しかったよ。じゃぁ…ね」

 

 

 花乃は、帰ってしまった…。

 

 

 

 それから一週間、花乃はオレの部屋に来なかった。

 

 まぁ、オレからいくのもね…

 

 そもそもオレはフラれたんだし…。

 

 あー…、なんであんないきなりオレは告白なんてしてしまったのだろう…。

 

 一人反省会が開催された。

 

 告白…まだ早かった?

 

 それとも、遅すぎた?

 

 …

 

 今まで一回も花乃って、オレのこと好きになったことって、なかったのかな?

 

 なんなら、逆に両思い時期って…あったんすかね?

 

 

 …

 

 わからないまま、数週間がまたすぎてしまった。

 

 

 そんなある日の朝、久々に花乃と遭遇した。

 

 

「花乃、おはよう」

 

 花乃は、オレの声にビクッとして

「お、おは…おはようねぇ」

 といい、逃げるように自転車に乗って行ってしまった。

 

 なんなんだ…

 

 この気まずい雰囲気は…

 

 …

 

 どうしよう。

 

 この前まで、普通にくだらない話して馬鹿騒ぎしてたのに…

 

 このままピーナッツ落花生とともに、オレたちも幼馴染…解散っすか?

 

 

 告白しなきゃよかった…

 

 

 どうすればいいの?ほんとに…

 

 好きってのは、幼馴染としてだよ?とか訂正する?

 

 そしたら、普通に前みたいに戻れるのかな⁇

 

 

 考えて、考えて、めっちゃ考えた。

 

 …でも、こたえがわからない。

 

 正解って、あるんですか?

 

 どなたか、三択にしてもらえませんか?

 

 いや、二択で…

 

 …

 

 どなたも返答なしだ…。

 

 困ったな。

 

 フラれたにしても…幼馴染まで解散になるなんて…

 

 いきなりすぎて…心が追いつかない。

 

 走っても走っても滑って同じ場所にいる感覚…

 

 

 どうしようどうしよう…

 

 どうしようもない。

 

 

 …

 

 

 寝れない。

 

 もう朝起きてから、五時間も寝てない。

 

 このまま夜になるよ?

 

 …普通か。

 

 だってさっき起きて、まだ五時間しか経ってないんだから。

 

 そもそも、寝れないんだ。

 

 だって、昨日爆睡してめっちゃ寝たからな。

 

 

 でも、食事がノドを通らない。

 

 

 あたりまえか。

 

 食事って書いた紙なんか、飲み込めるわけないんだから。

 

 

 …

 

 でもさ…日に日に…ガチで寝れなくなった。

 

 飯もいつもの半分しか入らない。

 

 

 そして、前より笑わなくなった。

 

 

 

 

 

 で…

 

 いきなり駅の階段で、猛烈な腹痛におそわれて、それから記憶がない。

 

 

 目の前が真っ暗だ。

 

 

 だけど、なんか…微かに聞こえるんだよなぁ。

 

 花乃の声。

 

「好きだよ‼︎わたしも好き‼︎わたしの夢叶えてよ‼︎雅也と幸せになることなんだよ?でも、雅也が…雅也がいきなり告白してくるから…だからわたし…どうしていいかわからなくて…だからへんに避けててごめん‼︎だから起きてよ‼︎ごめんってぇ…」

 

 

 あぁ、懐かしいな。

 

 花乃…

 

 花乃の幻聴が聞こえた。

 

 オレも大好きだよ。

 

 

 ピロロ〜、ぴこぴこピィ〜ン おっきろゥ〜 オキロウーゥゥうう〜  ピロロ〜、ぴこぴこピィ〜ン おっきろゥ〜 オキロウーゥゥうう〜 ピロロ〜、ぴこぴこピィ〜ン おっきろゥ〜 オキロウーゥゥうう〜

 

 しつこ…

 

「んだあっ‼︎もう、なんなんよ‼︎こんな幻聴イヤなんだがっ‼︎」

 

 …

 

 ん?

 

 えっ?

 

 ここは、病院か⁉︎

 

 真っ白い部屋は、病院って確率が高いはず…ってか、

 

「花乃⁉︎」

 目が少しかすんでいたけど、ここは病院で…花乃がいる?

 

 

 

「雅也‼︎雅也‼︎おはよう‼︎起きた‼︎ほんとにあの目覚ましで起きたぁ〜…よかったぁ〜」

 と、花乃は泣き出した。

 

「花乃…心配かけてごめん」

「ううん、わたしこそ…恥ずかしくて雅也避けてて…ごめん。わたし、ずっと後悔してた。好きってわたしもすぐに返せばよかったって。オウムみたいにすぐ…すぐ言えばよかったって…」

「フッ、オウムってなんだよ」

 

 久々に笑った。

 

「好き‼︎好き‼︎大好き‼︎大好きなんだよ?」

 ポロポロなく花乃。

 

「うん、オレも好き。大好き」

「うん、わたしも好き‼︎好き‼︎ならもう寝ない?今すぐ退院してくれる?」

 

 …

 

「それは、無理だよ…お嬢ちゃん。寝ないとまた雅也くん倒れちゃうよ?」

 

 

 ⁉︎

 

 あ…

 

 

 いたんだ…?

 

 花乃の反対側にいたんだ?

 

 お医者さん…と看護師さん

 

 …

 

 てかさ、いるやん…

 

 オレの両親も…なんなら弟も妹もいた。

 おまけに花乃のご両親まで…

 

 花乃んちの家族も集合してるやん⁉︎

 

 はずっ

 

「あ、…おはよう…ございます。」

 

 

「「「「「「「「おはよ」」」」」」」」

 みんながにっこりしておはよう返ししてきた。

 

「雅也ー‼︎好きー‼︎」

 

 みんなの前なのに…花乃のやつ、まだいうかっ!

 

「オレも好きー‼︎好き好き大好きです‼︎花乃を幸せにします‼︎」

 

 

 ヤケクソ返しで、みんな笑顔で公認してくれたとさ♡

 

 

 

 

 おしまい♡

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