表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

under 500 Ⅱ

早口言葉に導かれし女性

友達の家の前を、通りかかった。


釘を間違った場所に、打ってしまったらしい。


私は友達に、釘を抜くように頼まれた。


抜こうとしたが、なかなか抜けなかった。


『この釘引き抜きにくいな』


そんな早口言葉みたいなことを、口にしていた。


何とか釘が抜けて、友達にご馳走したいと言われて、出前の寿司をご馳走になることになった。


目の前に出された寿司を、口にいれた。


すると、酸っぱさが結構あった。


『この寿司は少し酢が効きすぎた寿司だ』


気がつくと、また早口言葉みたいなことを言っていた。


飛行機の時間が迫っていることに気が付き、友達にサヨナラした。


空港に向かい、手続きを済ませ、席に座ると、右の席の人がなぜか泣いていた。


そこで、ボソッと早口言葉みたいなことを言ってしまった。


『旅客機の旅客、気になるな』


あまり見すぎてもいけないと思い、左を見ると、様々な類いの人々が、涙を流していた。


『老若男女泣いてる、なんなの?』


また、早口言葉のようなことを言ってしまった。


右隣の人が泣き止み、話しかけてきた。


天気いいですね、みたいな感じで。


こちらは、可もなく不可もなく、こう答えた。


『暖かくなってきましたね』


その言葉も、少し言いづらかった。



なんやかんやで、目的地のホテルに着いた。


色々と細かいことをやり終えて、カバンから肩叩き器を取り出した。


そして、独り言のような、早口言葉のような言葉を、私は口にした。


『昨日買った肩叩き器で、滝のように肩叩こう』

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ