予定は未定
「さて……思ったよりも獲れたな。これなら抱き枕も作れそうではあるが……」
あんなん貰っても持ち運びがダルいよなぁ……というか、枕に使える良い布地を持ってねぇわ。豊穣の灯りのクランハウスで寝泊まりしてるリオにグレードの下がる枕を贈るのはちょっとな。
「となると、だ………クッションもおんなじ理由で却下、になるか…」
うーむ、ボア生地とかあれば良かったんだが……ボアの皮はあるんだけどな!がはは――はい。
改めて現代の化学繊維とやらは優秀だったんだなと思うわ。肌触りもそうだが、縫いやすさとかの面でもよ。
この世界オンリーの魔物製の布生地もないことはないんだが……王都の貴族街にしか売ってないっぽいんだよ…。
まぁ、この街に貴族たちが集まってパーティーを開く…とかはないもんな。需要の問題か。
「ウール生地……白と黒と灰色…ねぇ……」
もうちょっと前々から準備しとけばよかったと後悔してるぜ……貴族街の方の家にあったのがこの三つなんだわ。
いやまぁ、買えばいいんだけどよ?今日はもう、すっかりと暗くなってるんでな。買いに行くなら、明日。貴族街に赴いて、ってなるが…。
「今日が終わって……早朝にここを出たとしても、あっちに着くのは昼前だろ?そっから、買い物して貴族街の家に行ったとしても……新年まで一日とちょっと、かぁ」
んー……間に合わないような気がするんだよなぁ…。
ただ、リオとの新年パーティーはあっちの家で行う予定だし…。一応、昨日あたりに世話人へ飾付けとかの諸々を頼んでるのよ。
つまり、結局は貴族街に行くことにはなる……あ!でも、俺だけ先入りしてもリオが入れねぇじゃん!いや、一人で入れないことはないけども……面倒な手続きが必要になるんだった…。
――仕方ない、今あるものだけでとりあえずなんか作るぞ。
ウール生地なら簡単なぬいぐるみくらいは出来るはず。せっかくだし、雪鳥をデフォルメしたモノとか作ってみるか……雪鳥のぬいぐるみの綿に本物のこいつの羽毛を詰める…ってなかなかサイコな気がするわ――。
それにまぁ、新年パーティーと言っても軽く飲み食いしながらぐでぇ~…っとするだけだしな。リオは既にギフトを貰ってるし、年明けに俺たちが外に出る用事はないのよ。
あれだ、おせちを好きなときに摘まみながら寝たり喋ったりする正月とおんなじ感じだ。リオの前ならインベントリも使えるし、飯がなくなっても簡単に………
「あぁっ!しまった!……ご飯の買い出しにも行ってこないとじゃん………」
誰だよ、軽率にインベントリの時間を進めたやつは……俺だよっ!
はぁ……今日は徹夜だ…。
≪お知らせです≫
GW期間中、明日から三日間のお休みをいただきます。その間は更新がされませんが、ご了承してくれると嬉しいですっ。更新再開日は5月3日となります。
また、活動報告に同様のお知らせと後の展開について軽く説明したものが上がっていますので、気になる方はご覧ください。活動報告の内容への意見もお待ちしてますので、そちらへのコメントも大歓迎です!




