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「ってか、こうして話すのは勘違いじゃなけりゃ……初めて、だよな?」


「ええ、そうね。私もあなたも、ギルドにはあまり顔を出さないもの」


「あぁ、だよな。それが聞けて安心したぜ。いきなり馴れ馴れしく声かけてくるもんだから、初対面じゃないのかと思ったわ」


「あら、それは失礼。とはいえ、初対面ではないのだけれど?こうして、一対一で話すのは初めてなだけよ」


「………今のお前さんは冒険者なんだろ?それに、仮にも次女であることを否定してないんだ。なら、初対面で間違ってないはずだぜ?」


「……わかったわ。なら初対面ということでいきますわね。私はクラン“豊穣の灯り”のリーダー、アリーですわ……これでも金級ですので、銅級のあなたに堅苦しい敬語は無しにするわね。せっかく貴族社会から抜け出してるもの」


「その辺は好きにしな。んで、わざわざ俺の場所を調べてまで何の用だ?」


「率直に言うと、あなたに案内の依頼ね」



 案内ねぇ……ギルドに報告してから1日程度。もう辺境伯のところまで情報が届いたのか。ま、同じ街中だからそりゃ早いのもうなずける。


 しっかしまぁ、溺愛してんのか放任主義なのかようわからんな、辺境伯様は。噂では前者がささやかれてるが……ふつう、危険な依頼に娘を行かすもんかね?そもそも、冒険者になろうって時点で止めそうなものだが。



「魔喰い草の件か?」


「ええ。隣国による領土侵攻の前準備って見えるもの。さすがにもう残ってることはないでしょうけど、現場の確認をしたいらしいわ。辺境伯が出した依頼を私たちが受けた形ね」


「辺境伯が冒険者に依頼ねぇ……あくまでも調査に私兵は出さないご算段で?」


「そうね。まだ公にする段階ではないもの。事を大きくして戦争、なんて嫌でしょう?」


「そりゃそうだわな。で、現場を知ってる俺に案内ね……」



 元は緊急依頼として出された件だ。ギルド側もオークの集落となっていた場所は詳しく把握しているはず。俺の発見報告もその場所と変わらん。そして、辺境伯からの依頼ともなればギルドは協力を惜しまない……。


――ははーん?さては、なにか裏があるな?この依頼。豊穣の灯り全体か、こいつ一人の意思かはわからんが。

 


「おーけー。わかった。その依頼受けてやる」


「ほんとっ?感謝するわ!」


「だが、条件がある……いくら金級だろうと下のランクに依頼を強制する権力はないだろ?」


「当たり前ね。報酬はちゃんと考えてあるわ。あなたの時間を貰うのだから、金貨1枚でいかがかしら?銅級の1日の稼ぎはおおよそ銀貨二枚。それでも、あなたはもうちょっと稼いでそうだから思いきって金貨にしたわ」



 おお、すっげ。案内一つで金貨なんて、怪しい商売並みに稼ぎえぐいぞ。金級って肩書があってもちと躊躇うレベルだな、これは。

 


「あー、条件だが…金はひとまずいいや。その代わり、お前さんのクランに一人紹介したい人がいる」


「……紹介でいいの?加入してほしいではなくて?」


「ああ。加入させるかどうかは、そっちの意思で決めてくれ。さすがに依頼一つの条件で、使えるかも分からん奴を金級クランに……なんておかしな話だろ?どんだけ偉いんだよ俺は」


「使えるかも分からん奴ってひどい言い方ね……私、あなたの言うことなら――」


「おぉっと!そこから先をクランリーダーが言っちゃあマズいっしょ。 こっわぁ、なにこの子!

 と、とりあえず、だな…俺が面倒見てるリオって奴について一考してほしくてな?」


「むぅぅ――いいわ。メンバーのみんなと考えてあげる……そうね、そのリオ君も私の依頼に連れてきたらどう?」


「いいのか?リオと案内人の仕事はまったく無関係だぞ?」


「どうせ気づいてるんでしょうけど、案内人の依頼自体わたしのわがままよ。せっかく冒険者になったのに……」


 

 いや、そりゃあ権力者からは逃げるでしょ。しかも追って来るってんだから、尚更じゃん?


 というか、リオ君ってこいつ……前々から知ってるやないかい!

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