謎のネックレスと....
コルニルと一緒にフェルボクを下の位置に戻しに行く途中で、リンが棚の下からネックレスを見つけた。
「ルー、このネックレスって知ってる?」
リンはルーテシアに尋ねた。
「そんなネックレス見たことないよ。あとでコルニルさんに聞いてみたら?」
「わかった」
ルーテシアたちは、フェルボクを下の位置に戻した。
「ありがとう二人とも、助かったよ。」
「コルニルさん、このネックレスって何ですか?」
リンは先程見つけたネックレスをコルニルに見せた。
ネックレスを見たコルニルの表情が険しくなった。
「リン、ネックレスは首にかけてないよね?」
「か、かけてないです。」
リンは、急に態度が変わったコルニルに怯えながら答えた。
「そっか、そのネックレスを渡してくれるかい?」
リンはコルニルに言われた通りネックレスを返した。
「ありがとう、ごめんね急に怒ったりして。」
コルニルは先ほどまでの険しい顔からいつもの、優しい顔に戻っていた。その日は二人ともコルニルと話すことができなかった。
そんな出来事から少し経ったある日、街で大きな祭りが開かれることとなった。
このお祭りは、この国の始祖王が武力を使わずに国を治めたことを、讃えるものである。
「ルーテシアにこのお金を渡しておくね、頼んだものを買ったら、あとは自由に周っていいから楽しんでおいで。ただしみんな一緒に行動することこれだけは、絶対に守ってね」
「わかりました。コルニルさんはお祭り行かれないんですか?」
「私は、どうだろう多分行くんじゃないかな?」
コルニルが曖昧に答えたあと、目を少し逸らした。
お祭り当日、ルーテシアは子供たちを連れて祭りにやって来ていた。
「みんな、離れないように隣の子と手を繋いでね。」
『はーい。』
ルーテシアたちは、コルニルに頼まれたものを買いに行った。その中には野菜や果物などの食べ物の他に美しい花々もあった。
「この花って何に使うんだろうね。」
「孤児院の中にはもうあるもんね、私たちへのプレゼントってのも違うだろうし、わかんない。」
コルニルに頼まれたものを買い終わり、祭りを楽しむことにしたルーテシアたちは、食べ物の屋台に向かった。
「おじさん、これを10個ください。」
「あいよ、お嬢ちゃんたちサンジェロ孤児院の子かい?」
「はい、そうですけどどうしてわかったんですか?」
「そりゃあわかるさ、こんなに礼儀正しい子供なんてお貴族様か、そう言う家の生まれぐらいしかないけど、お嬢ちゃんたちはそのどちらでもないと見える。だからわかったんだよ。」
「おじさんすごいです。」
ルーテシアたちに尊敬の目で見られた屋台のおじさんは、もう2つオマケしてくれた。
そんなこんなで祭りを楽しんでいると、城の方から銅鑼の音が鳴り響いた。すると、今まで楽しんでいた人々が道を開け始めた。
楽器の音とともにパレードの始まりだ。
パレードの主役は女王様と王妃様、そして王女様である。
この国の始祖王は女性で、少し特殊な身体をしていた。女性だけで子供が作れたのだ
これができるのは王族だけで、国民はそうではない。
一種の突然変異のようなものだ。
ルーテシアもパレードを楽しんでいると、女王様と目が合い、そして微笑みかけて下さったように感じた
ルーテシアは胸の奥が温かくなったが、この気持ちが何なのかわからなかった。
パレードが終わってまた祭りを楽しんでいると、遠くにコルニルの姿を見つけた。
ルーテシアたちはコルニルに近づいた。
「コルニルさん、いつ来られたんですか?」
「ついさっきさ、君たちを探していたんだ。祭りは楽しめたかい?」
『はい』
子供たちは嬉しそうに笑顔で答えた。
お祭り回はこれでおしまいです。
子供たちの楽しそうな描写をもう少し描きたかったんですが、思ったように書けないものですね。
1話に引き続き続きを読んでくださった皆さま本当にありがとうございます。
この続きもすぐ投稿できるように頑張りますので、
今後とも宜しくお願いします。