第5話 修行と武具作成3 近接戦闘の談話(キャラ名版)
テネット「そ・・そう言えば、ミスターTさんの獲物は特別仕様なのですか?」
ミスターT「ああ、この2つか。」
コーヒーを啜り終え、腰と背中の携帯兵装を展開させる。腰は携帯方天戟が、背中は携帯十字戟が格納配置されている。絶対にそこにないような獲物が現れて、周りにいる面々は驚愕していた。
リドネイ「何度見ても、不思議としか言い様がありませんよね。」
ミスターT「格納式なのに、強度は通常式と何ら変わらないしな。」
本当にそう思う。過去に仕込み刀の例を挙げたのだが、本来の姿を改変すると弱体化しかねない。仕込み刀の強度では、通常の日本刀には到底敵わないからだ。
それと同じ意味合いで、携帯方天戟と携帯十字戟は、当初に製造した通常兵装より脆弱な仕様となっている。それでも、その脆弱さを打ち消したのが、今の俺が持つ獲物群である。
特に、この異世界ベイヌディートに到来してからは、その強度を如実に感じている。携帯式なのに、通常式以上の強度を誇っているのだ。実際にスピードハウンド達と対峙した際、その様な業物に化けている事に驚いた。
これに関しては、創生者ティルネアが異世界仕様であると断言してくれた。どうやら、魔力が獲物自体の強度を底上げしているようなのだ。
魔力に関してだが、この異世界ベイヌディートには、万物の属性と同じく内在している力の1つとの事だ。反魔力的な力は構築できるらしいが、抜本的に魔力を失わせる事は不可能との事である。つまり、異世界の何処に行こうが、魔力は潤沢に備わっている。
ティルネアが挙げた異世界仕様とは、地球で製造した業物に、異世界の魔力が付与されたと取って良いだろう。自然的に付与されたとあれば、その強度は白銀は無論、黒銀と互角か超越する可能性もある。
下手をしたら、各作品で有名な聖剣や魔剣、仕舞いには神剣にすら匹敵する獲物となる。地球では量産品の携帯兵装だが、異世界では伝説的な獲物に化けるのだから恐ろしい話だ。
ともあれ、俺の獲物事情に関しては、携帯方天戟に携帯十字戟があれば申し分ない。他は何れリドネイより返却される、通常日本刀に太刀型日本刀があれば問題ないだろう。
トーラ「ほほ、これは扱い易いですね。」
彼女の声で我に返る。そちらを見ると、2つの携帯兵装を軽々と振るっていた。流石としか言い様がない。まあ、重量級の特大剣を軽々と振るうのだから、携帯兵装など普通の重量の剣程度でしかないだろう。
しかし、俺達の誰よりも小柄な彼女が、重量兵装を振り回す姿には驚愕させられる。見た目に騙される典型的な例と言えるだろう。まあ、これも異世界仕様だと言えばそれまでだが。
トーラ「何時も、この様な獲物を使われているのですか?」
ミスターT「いや、特殊兵装の類だから、まだまだ腕は未熟よ。むしろ、プロレス技の方が性分に合うわ。」
こちらの言葉に首を傾げる一同。異世界には、プロレスことプロレスリングの概念は存在していないようだ。ただ、肉弾戦を主体とする格闘技は存在しているようである。
俺の警護者での生き様でも、主軸は肉弾戦による近接戦術である。重火器などは、相手が同じ獲物を使った際の相殺技として使うに過ぎない。最後は殴り合いによる解決が無難だ。
だが、異世界ではその仕様は非常に厳しいと思われる。人型の種族であれば、肉弾戦は十分通用するだろう。しかし、スピードハウンドなどの獣型の魔物には通用しない。そこは獲物を使うしかないだろうな。
ウェイス「プロレス・・か、何か響きが良い感じだ・・・。」
サイジア「身体の内から、力が湧き上がる感じですよね・・・。」
プロレスと言う単語を聞いた2人が、自然とそこに回帰していった。そう、地球でも全く同じ身形の身内2人が、過去に全く同じ言葉を言った事が脳裏に蘇る。本当に、不思議な縁としか言い様がない。
ミスターT「武器や魔法が使えなくなった場合、最後は己の肉体が武器になるしな。近接格闘技は覚えておいて損ではないよ。」
ナディト「良いですね!」
エルフィ「機会があれば、是非ともトライしてみますよ。」
ウェイスとサイジアと同じく、ナディトとエルフィもプロレスの概念に魅入られたようだ。こちらも、地球での身内の2人と全く同じ言動である。身形も気質も、あの4人に本当に良く似ているわ・・・。
まあでも、実際問題は身内達には遠く及ばないだろう。冒険者としては、ウェイス達の方が上手だが、プロレス馬鹿としての気質は身内達に絶対に勝てない。
特に身内の中の“3人”は、間違いなく逸脱した力を誇っている。俺も用いる事ができる、“力の出し加減の触り”がそれだ。身内の4人ですら、その力を繰り出す事ができないしな。
この異世界で、俺の力が何処まで通用するかは、まだまだ検証段階ではある。創生者たるティルネアより与った力を含めても、それが何処まで通用するかは不明だ。
しかし、何度も挙げるが、超絶的な力を持ったとしても、決して傲ってはならない。傲りの先にあるのは、明確なる破滅そのものだ。それに、俺自身で勝ち得て来た業物でもないのも確かである。
周りあっての己自身、それを決して忘れてはならない。そして、それらの力を何のために使うのか、これも決して忘れてはならない。
警護者の異名は、調停者である。一歩踏み込めば、裁定者となる場合もある。だが、それらの役割にも傲りを持ってはならない。
何事も、絶え間ない努力の先に至る力の数々だ。それを踏まえれば、俺もまだまだ未熟であると痛感せざろう得ない。
ミスターT「・・・修行をするか。テネットさんや、闘技場みたいなのはあるのか?」
テネット「闘技場、ですか・・・。」
闘技場と言う単語に、表情を曇らせる彼女。詳しい様相を伺うと、闘技場は王都の方に存在しているとの事だ。しかし、貴族専門の剣闘士が蔓延っているようで、冒険者や一般人には敷居が高いとの事である。
トランプゲームは一般大衆に向けられた娯楽だが、それ以上のものとなると事情が異なると言う。特権階級的な扱いとなり、一般人には手が届かない領域に至るようだ。
今も地球でも、同じ様な概念が存在している。それを踏まえれば、どの世界に至ろうが全く変わらないとしか言い様がない。
ミスターT「はぁ・・・貴族のボンボン共が・・・。」
ウェイス「ハハッ、ミスターもそう言ってくれるのか。」
ボソッとボヤいた言葉に、一際嬉しそうにするウェイス。初対面時にも、彼は王国に関して良い印象を持っていなかった。むしろ真逆の属性たる、帝国の方に良い印象を持っている。
これに関してだが、ここにいる全員が同じ見解だそうだ。それだけ、現在の王国の運営の様相には、ホトホト呆れ返っているようである。
サイジア「逆に、その王国内で孤軍奮闘する貴族がいるそうですよ。」
ウェイス「ああ、一代限りの男爵家か。」
ミスターT「ふむ・・・。」
貴族に良い印象を持たない一同だが、一代限りの男爵家の話題になると表情が一変した。一代限りとなると、その家柄は継承させる事ができないらしい。
俺には、貴族絡みウンタラは全く分からない。確実に分かるのは、その男爵家が他の貴族の中で孤軍奮闘していると言う事実だろう。ティルネアが挙げる、手を差し伸べる存在に該当するかも知れない。
ミスターT「次のターゲットは、その面々だな。」
トーラ「私の時と同じ様な感じですね。」
リドネイ「お節介焼きと世話焼きの極みですよ。」
ミスターT「ふん、言ってろ。」
2人のボヤきに舌打ちをする。彼女達との出逢いの経緯は、正に俺のお節介焼きと世話焼きによるものだ。創生者ティルネアより与った使命はあるものの、結果的には俺が関わったのだからな。
それに、その瞬間の助けを求める声は、確かに存在していた。ならば、俺の手が届く範囲内であれば、徹底的に手を差し伸べるべきである。それこそが遂行者たる役目であり、警護者としての生き様だ。
ともあれ、次の目標は決まった。そこに向けて、下準備を開始する事にしよう。
第5話・4へ続く。
昨日約束して挙げた通り、更新分はしっかり挙げさせて頂きます。むしろ、何時止まるか分からないので、ストック分を全部放出した方が良いかも知れません。その後の創生は何時になるか不明ですが。
一応、可能な限りは更新させて頂きますね。よろしくお願い致しますm(_ _)m




