第1話 謁見と恩賞1 神獣神ヴィエライト(キャラ名版)
ラフェイドの街の全住人を、エーディスリーア帝国へと移住させる事が無事完了となった。ワームゲートの空間移動魔法が無ければ、数ヶ月は時間が掛かったと思われる。それを大凡1日で終えてしまったのには驚くしかない。
ただ、最低限の貴重品や物品のみを持参しただけで、建物や施設はそのまま放置するしかなかった。こればかりは致し方がない。街全体を王国側か賊徒に使われるのは非常に癪だが、最大の財産は自身の生命だからな。
今後は帝国の庇護下に置かれるため、防衛面では申し分ない。むしろ、街に住む職人達の技術力が、そのまま帝国に合流した事になる。これは物凄い事になるだろう。
仮に王国側が旧ラフェイドの街を得たとしても、そこに住まう人々は既にいない。結局は人々自体が貴重な財産だ。それを得られなかった向こう側は、領土を拡げようが意味は無い。
ともあれ、当面は帝国本土で様子見だ。俺自身も、今も帝国の知識は一切ない。色々と学ぶ必要が出てくる。幾ら王道を貫く国家だとしても、その根幹を知らねば話にならない。
今回の移住計画がプラスとなったのかは、今後の俺の行動次第だろうな。奮起せねば。
レストランで朝食を取った俺とアリベア。その足で、帝城へと向かう事になった。現地での皇帝達との謁見がある。道中でナーシャと魔獣神ミオルディアと聖獣神ティエメドラと合流、一緒に帝城へと向かった。
神獣神ヴィエライトは、既に帝城入り口付近で待っているとの事だ。どうやら彼女、帝国の内情に介入しているようである。見定めの目と言う部分では、ヴィエライトの方が他の2人より鋭いらしい。つまり、それだけ帝国は信用できると言う事だ。
ただ、ここはミオルディアにティエメドラにも見定めて貰う必要はある。更には、創生者ティルネアにも見定めて貰う必要があるだろう。
この4人は、創生者と遂行者を同時に担っている様なものだ。どちらかと言うと、創生者側に近いだろうな。事実、遂行者は烏滸がましいが、俺に一任してくれている。ティルネアが挙げている通り、今は遂行者の方が位置付け的に重要な役割だ。
俺自身も、帝国の最深部を窺い、本当に信用に足りる存在なのかを見定める必要がある。まあ、シュネリアやアリベアの様相からすれば、杞憂に終わりそうな感じではあるが・・・。
しかし、帝国の城下町の様相だが、凄まじいほどに賑わっている。王国の城下町の比では断じてない。建物の真新しさには向こうには敵わないが、人情溢れる雰囲気は遥かに逸脱していた。
それに、ここは女性へ対しての扱いが非常に良い。地球の身内達や今の俺が推奨している、女尊男卑の流れを醸し出していた。無論、男性を蔑ろには決してしていない。女性を立てる事により、男性の方も冴え渡る感じである。むしろ、両者とも笑顔が絶えていない。
更に言えば、奴隷商館である。パッと見だと、奴隷制度はあるにはあるが、そこで扱われている奴隷達は非常に好待遇のようなのだ。まあ、奴隷自体は罪人などを扱うのが主流な感じになるが、それでも好待遇なのは間違いない。罪を償わせる場と言う感じだろうな。
ただ、奴隷自体は購入するスタイルは変わりない。ここだけは重苦しい感じである。何れ、異世界から奴隷制度が無くなれば良いのだがな・・・。
何にせよ、帝国本土とその城下町は、今まで見て来た街並みでは秀逸過ぎる。それには、トップがしっかりとする必要があるのは明白だ。
これから行われる謁見で、諸々の様相が把握できるだろう。それでも、帝国自体は問題なしと太鼓判を押されるのが目に見えてくる。
女性「お? 来られましたね。」
城下町を見て回りながら、帝城へと向かう。そんな中、城門に差し掛かった所で、見知らぬ女性が待っていた。こちらに気付くと、小さく会釈をして来る。
ミオルディア「ヴィエライトよ、元気そうじゃな。」
ティエメドラ「お久し振りでございます、ヴィエライト様。」
直ぐに相手と挨拶を交わすミオルディアとティエメドラ。既に名が挙がっているが、彼女が神獣神ヴィエライトその人のようである。プラチナブロンドの美丈夫だが、その華奢な身体からは想像も付かないオーラを醸し出していた。
これは無論、ミオルディアとティエメドラもしかり。ちなみに、ミオルディアは銀髪で、ティエメドラは金髪の美女である。ただ、ヴィエライトと同じ様に、発せられるオーラが無粋な感情を抑止させてくる。見事と言うか何と言うか・・・。
ミスターT「お初にお目に掛かる、俺はミスターT。」
ヴィエライト「初めまして、ミスターT様。神獣ヴィエライトと申します。今は神獣神と呼ばれた方が良いのかと?」
ティルネア「言葉による存在の昇格、ですね。」
こちらも、簡単に自己紹介を行う。そんな俺に対して、優雅に貴族的な一礼をする彼女。帝国での生活が長かったからか、貴族として振る舞う事が多かったのだと推測できる。彼女の存在は、そのぐらい高貴なものだしな。
そして、顕現化により姿を現すティルネア。その彼女を見て、片膝を付くヴィエライト。急がず慌てず、優雅な一礼は見事だわ。
ヴィエライト「お久し振りでございます、ティルネア様。」
ティルネア「フフッ、お元気そうで何よりです。」
全く動じない様子のヴィエライトに、小さく笑うティルネア。どうやらヴィエライトの言動だが、貴族社会に触れ続けていたからではなさそうだ。元来から持ち合わせる、彼女独特の言動のようである。
何処か威圧的に見えるも、そこには一切の他意はない。ごく自然体に繰り出すその姿は、それだけ肝っ玉が据わっている証拠だろう。
ナーシャ「・・・凄いです、お3方とお会いできる日が来るとは・・・。」
感嘆とした表情のナーシャ。彼女の当初の使命は、3種の獣の神と会う事だった。それが実際に実現した事に、感無量と言った感じである。
そもそも、彼女が3人を探している事の真の理由は、今はまだ分からない。だが、諸々の行動を見て来た手前、創生者に近い行動であるのは言うまでもない。
ヴィエライト「・・・何と、あの幼子・・・ですか?」
ミオルディア「驚いたじゃろ?」
ティエメドラ「大きくなられましたよね。」
そんな中、ヴィエライトがナーシャを見て、驚きの表情を浮かべだした。どうやら、過去に会っている様な言い回しである。それに続き、ミオルディアとティエメドラも同様の発言をしだしていた。
まあ、3人とも数千年以上は生きているとの事なので、その間に生まれたナーシャの事は周知の通りなのだろう。彼女達の目線が、まるで我が子を見るかの様に穏やかだ。
ナーシャ「・・・私をご存知なのですか?」
ヴィエライト「ああ、貴方がお生まれになった際、丁度私達も立ち会っていてな。」
ミオルディア「かれこれ、200年前の話か・・・早いものじゃの。」
ティエメドラ「本当ですね。」
話の内容がぶっ飛んでいる。200年が早いものだと言うのは、それだけ彼女達が長寿の生命体である証拠だ。高々、100年程度しか生きられない人間の俺からすれば、最早常識を逸している。
そんな彼女達でも、1万年以上生きているティルネアの前では赤子同然であろう。何だか、異世界仕様だと言わざろう得ないわ。
立ち止まっての話も何だとなって、歩きながら雑談を繰り広げだした。色々な秘話が飛び出しだし、聞き耳を立てている俺も驚愕の連続だった。
この4人は、まるで姉妹の様な間柄だ。会話の節々から、その様相が伝わってくる。再会は数百年後となったが、彼女達からすれば時間の概念など些細なものだろう。
ただ同時に、それだけ凄まじい力を内在している証拠か。数百年間、音信不通になるほど雲隠れしていた訳だ。獣神達も、その間上手く隠れていた感じである。
となると、各国は彼女達の存在に気付いていなかったと思う。3人の雲隠れが上手く成功し続け、探索する事が困難だった証拠とも言える。ナーシャが探索の使命を帯びなければ、そのまま一生見つからなかったかも知れない。
それに、ナーシャだけでは見つけられなかっただろう。創生者ティルネアの後押しがあったからこそ、達成できたものだと確信が持てる。同時に、ナーシャ自身も創生者に近しい存在になった証だ。3人との再会が、ナーシャを真の創生者たる存在に昇格させたとも取れる。
何はともあれ、これでナーシャの肩の荷の1つが下りた。次は、創生者としての世直しが新たな使命である。
第1話・2へ続く。
第2部へ突入。こちらは、まだまだ色々と手探り状態ですが、恒例の理不尽・不条理な対応への介入は健在になると思います@@; ただ、それでも目玉的なものを第1部で出しているので、他ではどう具現化させるか考え所ですが(>∞<)
しかし、再び停滞状態になりつつあるこの頃><; 何とか数話分(区分けした話の意)は確保できていますが、大きな話数(区分けする前のデカい話側)は数個か未完成というのが痛過ぎます><; このままでは、また枯渇する流れになりそうで非常に怖い感じです><; 何とかせんきゃ・・・(-∞-)




