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覆面の苦労人 ~遂行者代理の生き様~  作者: バガボンド
第1部 遂行者と警護者と
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第12話 エーディスリーア帝国4 帝国への移住計画(キャラ名版)

 5人の会話が終わると、一同総出で雑談に明け暮れた。襲来する魔物達は、狙撃系の攻撃で撃破して回る。当然、魔物の素材は、しっかり回収する。


 それなのに、魔物達を撃退しながら進んでいるにも関わらず、夕方頃には帝国本土へと到着してしまった。これには一同して呆気に取られてしまった。それだけ、会話の力が凄過ぎる証拠である。


 先ずは、城壁近くの自警団庁舎へと赴いた。盗賊共の襲撃に関しての報告である。これは、実際に襲撃されたアリベアが受け持ってくれた。公爵令嬢であるため、その発言権はそれなりにあるようだ。


 それに、その盗賊共が持っていた、羊皮紙に記載された指令も提示した。その内容を窺い、驚愕の表情をしだす自警団一行。直接的には手を下していないが、帝国への武力介入である。直ぐに伝令を帝城へと出してくれた。


 これに関しては、即座に判断し難い案件だろう。下手をしたら、国家間戦争に発展する恐れが出てくる。しかし、余りにも酷い場合は、それなりに反撃に出るしかないが。


 ここは、帝国の上層部に一任するしかない。俺達には荷が重過ぎる。



 荷馬車と客馬車を自警団庁舎に預け、俺達は空間移動ワームゲートでラフェイドの街に戻る事にした。誰かしら現地に到着していれば、何時でも瞬間移動が可能となる。訓練場で実証済みだ。


 また、先の羊皮紙の内容からして、何れ街の方にも横槍は必ず入る。となれば、街の方を放棄して、一括して帝国へと移住した方が良さそうだ。


 幸いにも、短期間の大移動は空間移動で事足りる。俺やティルネアは無論、ミオルディアにティエメドラも駆使すれば十分可能だ。大多数はティルネアに頼りそうな気がするが・・・。


 手遅れになってからでは遅い。常に先手先手を取りつつ、不測の事態を捻じ曲げる流れで進むしかない。




ミュテ「おおっ! 凄いじぇー!」


 ワームゲートの魔法により、俺達はラフェイドの街へと戻った。戻った先は、慣れ親しんだ冒険者ギルドの訓練場だ。事前に念話により、同場所にはテネット以外、誰も居ない事を確認してある。


 一瞬にして大移動を行った事に、目を白黒させている面々。特にミュテが大歓喜の状態だ。ナリアとシレイスも、経験した事がない業物に、驚愕よりも歓喜の方が強いようである。


テネット「お帰りなさい。それと、初めまして。テネットと言います。」

アリベア「これはご丁寧に。帝国貴族は公爵令嬢のアリベアと申します。」


 簡潔に挨拶をするテネットに対して、優雅に令嬢の如く一礼をするアリベア。それを窺い、慌てて佇まいを正し、しっかりとした挨拶を行いだした。


 公爵家ともなれば、皇族の次に地位が大きい存在である。それに、この佇まいから直感し、相当地位が高いと直感したようだ。まあ、実際の彼女は、冒険者も兼ねるワイルドウーマンではあるが・・・。


 セアレスやミューテの地位の高さも目立っていたが、それ以上の地位に居るアリベアには、素直に驚かされるしかない。ただ、一応挙げてはおくか・・・。


ミスターT「・・・俺からすれば、普通の女性達にしか見えないんだがな。」


 態とらしく、そう挙げておいた。後々の一撃は自己責任となるが、それでも普通の振る舞いを行って欲しいものである。その瞬間こそ、彼女達の真の美しさが冴え渡るのだから。


 案の定、周りの女性陣から殺気に満ちた目線で睨まれた。だが、何処か安堵をしている様子である。型にハマる事をしないように気遣ったのを、感じ取ってくれたようだ。


 俺が言うのも何だが、“苦労人”も大変だわな・・・。



 その後、直ぐに本題に入る。アリベア達が盗賊共に襲撃を受けた件と、それに王国が絡んでいる事を語った。驚愕の表情を浮かべはするものの、そんな感じかと呆れ顔のテネット達。


 そこで、先程打ち合わせた移住計画の案件を提示した。ラフェイドの街の全住人を、帝国へと移動させるものだ。こちらの方を驚愕されたのだから、王国など小物程度そのものだわ。


 俺達が出発した後、既に移住計画は挙がっていたようで、大まかな行動は開始している様子だった。相手が形振り構わぬ言動をする王国とあり、全ての住人が移住に賛同したと言う。


 問題は、帝国側の受け入れ態勢だ。これに関しては、テネットとミューテが帝国本土へと飛ぶ事になった。ワームゲートでひとっ飛びなので、時間は全く掛からない。また、アリベアがパイプ役になってくれると断言してくれた。


 盗賊事変を踏まえれば、ラフェイドの街に何時襲来するか不明である。早めの行動を取った方が良い。




ミオルディア「常にゲートを維持すれば良いのじゃな、任されよ。」

ミスターT「心強い、大いに頼むわ。」


 ラフェイドの街の一角の空き地に、ワームゲートの魔法を常時展開した。ミオルディアにティルネアの分体を憑依させる事で、無尽蔵の魔力を供給する事ができる。その状態での、ワームゲートの魔法の常時繰り出しを実現させた。


 帝国側はティエメドラが同様の状態で、ワームゲートの魔法を常時展開している。その場は帝国の城門外となる。突発的に実行した移住計画なため、今も帝城の方から完全に許しが出ていない。


 ただ、帝国領土外、城壁外であれば待機しても良いと即決を受けた。そこで、ラフェイドの街の住人達に、必須道具や貴重品の持参のみで移動させる事にした。何時でも購入が可能な消耗品や物品に関しては、ミューテが資財を投げ打って購入すると言う。太っ腹である。


 必須道具や貴重品以外は、代えが利くため問題はない。むしろ、住人達の生命の方が遥かに大切である。その部分は、住人達も重々承知してくれているようである。


 それに、帝国側も完全には動けていないが、こちらの移住計画をかなり前向きに検討していると言う。アリベアが公爵家の威信を掛けて、皇帝や重鎮達に直訴した効果もある。


 結果的には、ラフェイドの街の総合力が帝国に加算される事になる。帝国側も決して無駄な選択ではない。逆に、今以上に力を得られるとあれば、是非とも行うべきだろう。


 最終判断は上層部次第。今の俺は移動中の面々の安全を、我が身を賭して守り抜くのみだ。



セアレス「見張り、お疲れ様です。」

ミスターT「ありがとな。」


 ラフェイドの街の、北門側に陣取り続ける。王国側が来るとすれば、ここから先となる。武力で威圧を掛けるなら、取り囲む事をしでかす可能性もある。だが、最短コースでの接近となれば、間違いなく北門から侵入してくる筈だ。


 仁王立ちの如く、門の前で立ち続けていると、武装状態のセアレスが現れる。自前の長剣以外に、背中に背負う聖剣という出で立ちだ。また、彼女にも盾を持って貰った。不測の事態に備えて、十全に装備を整えておいた方がいい。


セアレス「・・・連中、来ますかね?」

ミスターT「何時かは不明だが、必ず現れる。だが偲びないのが、住人達が得て来た物品を、全部向こうに運べないのがな・・・。」


 現状の悩み所はそれである。ラフェイドの街の住人達が、今までに得てきた物品の数々。それらを全て持ち運べない事だ。


 帝国本土が住み良い場となれば、恐らく完全移住をする面々が多くなる。そうなれば、元街で得たものを放棄せねばならない。


    第12話・5へ続く。

 ワームゲートの語源は、ブラホーとホワホーのアレです。ワームホールですね@@; 無論、この技術は劇中では魔法とありますが、警護者や探索者では宇宙種族の技術となります。つまり、ティルネア嬢は・・・お察し下さい(-∞-)


 苦労人側は、まだ未覚醒状態のミスターT君だけが現地に赴いているので、戦略的の進捗状況は良くありません@@; まあ、引き金を引ける部分があるため、戦術的には進んでいますが。まだまだ課題は山積みです><; 頑張らねば・・・(=∞=)

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