第11話 時間魔法と空間魔法7 帝国への旅路(キャラ名版)
翌日。昨日とは打って変わって、見事な快晴日和である。幼子の女性達は、朝早くから街中を走り回っていた。自由の身となった彼女達の、新たなる第一歩である。
大人の女性達は、腕に自信がある者を抜粋し、街の防備の強化に当たって貰う事にした。主導はミオルディアが行ってくれている。今後を踏まえて、王国からの横槍を、当面は街全体のみで受け止められるだけの力が必要である。
腕に自信がないと言ったら失礼だが、その女性達は冒険者ギルドなどで書類仕事に当たって貰う事にした。主導はテネットが行ってくれており、問題なく馴染めそうである。特に執筆などが上手い女性達がおり、正に適材適所と言える様相だった。
ラフェイドの街の奴隷商館に居た彼女達も、同じ割り振り方をしている。当然、しっかりと身形を整え、美しいまでの美女達に生まれ変わっている。
地球の警護者機構や他の機構でもそうだが、女性が台頭してこそ世上が成り立ってくる。異世界ベイヌディートでも、全く同じ事である。
俺はと言うと、これから帝国へと向かう事にした。既に空間移動こと移動魔法は習得しており、何時でも街へと戻る事ができる。ティルネアも習得しているので、不測の事態には対応してくれるとの事だ。
今回も荷馬車での移動となる。メンツは俺とティルネア、リドネイ・ナーシャ・セアレスの5人である。ナーシャは神獣ヴィエライトと逢うのに必須であり、リドネイとセアレスは護衛として打って付けだ。
無論、ティルネアには俺に憑依戻りして貰い、外面的には4人での旅路となる。顕現化を解除した彼女は、かなり悄気ているのが何とも言えない・・・。
早朝からの移動であれば、帝国へは約3日の道程らしい。王国と同じ距離だが、若干こちらの方が近いようである。食事は移動中に取る事にして、直ぐにラフェイドの街を出発する事にした。
テネット「粗方、準備を整えていたのが幸いでした。」
用意された荷馬車を見つめ、胸を張るテネット。帝国への赴きは、全ての行程に含まれていたため、予め用意が整っていたとの事だ。本当に感謝するしかない。
テネット「幌馬車の方が良かったですかね?」
ミスターT「いや、大々的に見える方が、相手にとっても“ある意味で”安心だろう。」
そう言いつつ、手持ちの装備をチラ付かせてみた。それを見て、ニヤケ顔の彼女である。王国を敵に回したのだから、不測の事態は全て想定内である。盗賊等の賊徒の襲撃も、十分発生すると予測ができる。
ありとあらゆる手段を投じるなら、向こうは形振り構わず動くだろう。俺であれば、その様に動いてみせる。ならば、こちらもありとあらゆる手段を投じてやるしかない。
ティエメドラ「私もご一緒しなくて大丈夫ですか?」
ミスターT「お前さんは、ミオルディアと一緒に街を守ってくれ。いざとなったら、ワームゲートで呼び出す事も可能だしな。」
ティエメドラ「アハッ、そうでしたね。」
諸々を想定して、不安な表情を浮かべていたティエメドラ。しかし、ワームゲートの魔法があると告げると、パッと表情が明るくなる。
今の俺達は、距離的な問題が一切解決している。無尽蔵に動けるとは、正にこの事である。むしろ、ラフェイドの街の防備の方が気掛かりだ。ティエメドラやミオルディアが居れば、住まう面々の安全は十全に守られる。
ミスターT「何かあれば、念話で連絡を頼む。まあ、そうならない事を願うが。」
テネット「ですねぇ。まあ、何とかやってみせますよ。」
笑顔を浮かべ、右手親指を立てるテネット。その彼女に同じく、右手親指を立てて返した。冒険者ギルドの副ギルドマスターから、今では街長補佐にまで至っている。今後の彼女の手腕には、大いに期待しよう。
簡単な挨拶を終えつつ、俺達は荷馬車を進ませた。一路、エーディスリーア帝国である。
後ろを振り返ると、テネットを筆頭に住人達が手を振ってくれていた。その彼らに、こちらも手を振って応える。涙脆いのか、セアレスは涙を流しながら手を振っていた。
今生の別れではないだろうに・・・。・・・これって、変なフラグなのか・・・。
まあ、そんなフラグが発生するなら、全て圧し折って突き進んでやる。理不尽・不条理な概念には、デカい面など絶対にさせるものか。そのための、警護者と遂行者の生き様だ。
見えなくなるで手を振る面々に、俺は心から頭を下げた。彼ら在っての俺である事を。
ラフェイドの街を出発し、街道を突き進む。行者を担いつつ、テネット達が用意してくれた朝食を漁る。荷台ではリドネイ・ナーシャ・セアレスが、同じく朝食を頬張っている。
出発時だけは、彼女達のお手製お弁当を堪能したが、これ以降は携帯食料となる。それか、キャンプを張って手料理を振る舞うのもいい。
地球では、喫茶店を運営するに当たって、調理師免許を取得済みだ。来店されるお客さんに振る舞える手料理は作れる。携帯食料でも、一手間加えれば一気に化けるしな。
そう言えば、過去に地球の身内達とキャンプファイヤーを行った事があったわ。あの時は、拵える手料理を手当たり次第に食い漁る彼女が印象深かったが・・・。懐かしい思い出だわ。
約1ヶ月前に訪れた、異世界での生活。これはこれで、ある意味息抜きなのかも知れない。地球での警護者の生き様は、常に殺伐とした様相を続けてきた。異世界での生活と使命も、非常に厳しいものではあるが、息抜きと同時に充実した瞬間でもある。
創生者ティルネアには、心から感謝するしかない。無論、周りの面々もしかり。故に、悲願となる使命を何が何でも達成させねばな。それが今の俺の明確な生き様である。
ミスターT「光の矢、か・・・見事だわ。」
朝食を終えて、街道を進む。その際、チラホラと魔物達と遭遇した。スピードハウンドに、サンダースライムやアーススネークだ。しかも彼ら、ラフェイド周辺で見掛けた個体よりも遥かに手強かった。
しかし、こちらもやられてばかりではない。遠距離攻撃用の兵装も用意してある。弓矢やボウガンなどだ。荷馬車にしたのは、ボウガンを左右に1挺ずつ配置する事ができるからだ。そして、このボウガンは矢を連続で10連射可能である。バリスタとも言えなくない。
リドネイとナーシャは、これらのボウガンを用いて迎撃をしている。セアレスはというと、変幻自在の聖剣を何と弓矢に変化させ、それを用いて狙撃していた。矢は魔法矢、光の矢だ。
防御面は、憑依中のティルネアが魔力壁を展開し、魔物達を寄せ付けないようにしている。精神体の状態でも、申し分なく動けるのは見事だわ。
俺は携帯方天戟を狙撃銃の如く構え、そこから魔力の塊を射出する。以前、ティルネアと共に検証実験した、魔力の撃ち出しである。手の平から打ち出すのも良いが、獲物を媒体として魔力を加速し、撃ち出す方が殺傷力が高い。
地球での警護者の活動で培った、重火器での狙撃が役立っている感じである。何事も決して無駄ではないわな。
セアレス「マスターの・・・その変な攻撃もお見事です・・・。」
ミスターT「ハハッ、本当だわな。」
光の弓矢で魔物達を狙撃するセアレス。その彼女が、俺の戦闘スタイルを見て呆然とした雰囲気である。正に変な攻撃だ、その言い分は的を得ている。
だが、魔力などを媒体とする魔法矢の一撃は、物理的な矢より誘導性が非常に高い。狙った獲物に確実に着弾するのだ。地球でのトマホークミサイルな感じだろうか。
逆に、リドネイやナーシャの物理矢も劣ってはいない。直線的に射出される矢は、見越し射撃を行えば十分な威力を誇る。直撃しないにせよ、威嚇射撃としては申し分ない。
この手の戦闘スタイルは、連携攻撃でこそ映え渡る。時間差攻撃に対応できる生命体は、殆どいないと言って良い。単調的な考えしか浮かばない存在には、間違いなく特効である。
数十分ほどの戦闘で、魔物達を撃退できた。大多数を倒す事ができ、怖じた相手は逃げていった。魔物狩りではないため、追撃は不要である。
無論、倒した魔物達の素材は回収して回った。これはこれで立派な収入源である。それに、こうした行動もまた、冒険の醍醐味の1つでもあろう。現に3人の女性陣は、その瞬間を大いに楽しんでいるようだ。
まあ、襲撃を仕掛けた魔物達にとっては、たまったものではないが・・・。何とも。
第11話・8へ続く。
第2部の主要都市となる帝国へと出発。ただ、今現在の執筆だと、帝国で粗方暴れて停滞している感じです><; 目玉は王国のあの愚物事変だったので、そこから次のイベントを考えたりしてるのですが・・・悩ましい(-∞-)
ともあれ、第11話が終わったら、次からの話数は通常運行にします。6日毎に更新ですね><; ・・・もし、更にストックができれば、再び毎日投稿に切り替えますが・・・(=∞=)
色々とありますが、今後ともよろしくお願い致しますm(_ _)m




