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覆面の苦労人 ~遂行者代理の生き様~  作者: バガボンド
第1部 遂行者と警護者と
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第11話 時間魔法と空間魔法1 帰還と魔獣の巫女(キャラ名版)

 クレデガレア王国での、各事変は無事に攻略ができた。


 ヒューレイム元男爵家の一行を救出でき、城下町の奴隷商館の女性達も救助に成功する。そして、聖獣ティエメドラとの合流。ナーシャの使命の1つである。元男爵令嬢のセアレスが挙げる通り、正に激動の1週間である。


 その後は、直ぐに移動を開始した。王国側からの追撃が懸念されるためだ。あそこまでコケにされたのだ、反撃して来ない筈がない。あの手の愚物なら、必ず報復攻撃をして来る。


 それに、相手の軍勢は結構な規模だと推測できる。曲がりなりにも、軍事国家の王国だ。騎兵や重装兵などが出揃う筈である。魔道士部隊や聖職者部隊もいるだろう。


 となれば、ここはラフェイドの街の力を借りるしかない。



 王国を脱出してから、1回目のキャンプを張った。俺達は強行軍で進めるが、女性達はこの行程は不慣れである。ラフェイドの街から来た時と同じく、3日掛けて向かうのが無難だ。


 翌日も街道を突き進むのだが、そこで懐かしい面々と合流する事になった。ラフェイドの街から駆け付けてくれた、迎えの部隊である。テネットを筆頭に、複数の冒険者達が馬車で駆け付けてくれたのだ。


 これには、ティルネアが十八番の念話力が効果を発揮した。でなければ、リアルタイムで遠方の面々と通話などできる筈がない。本当に創生者様々である。



 複数の馬車に女性達を振り分け、窮屈さを解消した。幾ら大型幌馬車とはいえ、37人以上も乗車するには厳しいものがあった。また、テネット達の方も、追加の人員がこれ程までとは思ってもいなかったようである。


 彼女達に関しては、テネットが冒険者登録などを引き受けてくれるとの事だ。全員が意気健康の若い女性陣とあり、他方面で活躍ができると太鼓判である。


 特に彼女達は、過去に戦闘訓練を受けた事があるようで、冒険者や衛兵などに打って付けの逸材である。今後は彼女達の意志を尊重し、それぞれの役職に就かせるのが良いだろう。


 それ以外に、ラフェイドの街の奴隷商館の解放を行う事も提言した。王国からの侵攻があるとすれば、街は戦火に見舞われるだろう。その前に、帝国などに亡命する必要がある。


 彼らを利用するのは偲びないが、街の戦力増加は喫緊の課題だ。奴隷達を一般人にすれば、諸々の足枷は取れるだろう。無論、裏切る輩もいると思われるため、その場合は厳粛に一撃を加えればいい。



 今後は、間違いなく王国からの横槍が横行する。それらを見越した行動をすべきである。ラフェイドの街の防御面も強化すべきだろう。


 それと同時に街から一番近く、接点を持ち易いエーディスリーア帝国へ向かう必要もある。向こうを巻き込む事にはなるが、何れ赴かなければならないのなら、ここは心を鬼にして利用するしかない。


 幸いにも、帝国には神獣ヴィエライトが潜伏しているとの事。彼女を見つけられれば、皇帝とも対話が可能だろうしな。王国の愚王の様な、馬鹿様でない事を祈るしかない。




 王国を出発してから3日後。行きと同じ日数で、無事ラフェイドの街へと帰って来れた。約10日ほどの旅路だったが、激動の日々そのものだった。


 そして、僅か10日で街並みは様変わりしていた。他方面からの襲撃に備えて、街の防備が以前よりも堅固になっていた。急拵えの外壁の増強に、街中に一定間隔のバリケードの配備。


 これに関しては、テネットとミオルディアが主導となり、各行動を行っていたとの事だ。ここまで短期間で行動ができるとは、恐れ入るとしか言い様がない。それだけ、王国などの横槍を懸念しての行動である。


 今ではテネットが、街長的な感じで笑えてしまう。しかし、彼女ほどの適任者もいない。副ギルドマスターから街の長に至るとは、見事としか言い様がないわな。



ミオルディア「おお! 久し振りじゃの、ティエメドラよ。」

ティエメドラ「ミオルディア様、お久し振りでございます!」


 ラフェイドの街に到着すると、出迎えてくれたのは魔獣ミオルディアだった。街娘の衣服を身に纏っており、実に新鮮な感じである。


 ちなみに、口調からも分かる通り、ミオルディアはティエメドラやヴィエライトの先輩格との事だ。長女のミオルディア、次女のヴィエライト、末女のティエメドラ、な感じである。どちらにせよ、ティルネアに匹敵する凄腕の人物なのは言うまでもない。


ミオルディア「むぬ? お主ら、聖獣の加護を受けたのか?」

セアレス「あ・・はい・・・。」

ミューテ「聖獣の巫女を、仰せ仕りました・・・。」


 そんな中、セアレスとミューテを見るミオルディア。直ぐにティエメドラとの関係性を察知したようだ。そんな彼女に、俺達は王城で聖獣の巫女に至った事を語る。


 事の次第を伺ったミオルディアは、何か思い当たるのか、顎に手を当てて考え出している。彼女の考える事が、何となく読めてしまうのは職業病であろうか・・・。


ミオルディア「なるほどの・・・となれば、我も同じ事をせねばならぬな。」

ミスターT「魔獣の巫女、か。候補者はリドネイ辺りかな。」


 ボソッと語ると、物凄いジト目で見つめてくるミオルディア。本当に物凄いジト目である。ただ、次の瞬間には深い溜め息を付きだしている。つまり、先読みをしてしまったのだ。


ミオルディア「はぁ・・・お主は・・・。少しは我に華を持たせぬか・・・。」

ミスターT「そうは言うがな・・・。」


 ジト目が続く彼女に、苦笑いを浮かべるしかない。確かに、今は魔獣たる彼女の見せ所である。それを見事に奪ったのだ、ジト目で睨まれても仕方がない。


 しかし、俺が挙げた人物の方は、物凄く驚いてはいる。候補者のリドネイである。薄々は感じ取ってはいたようだが、実際に挙げられるとなると驚くしかないのだろう。



 詳しい話は後と言う事で、先に魔獣の巫女の洗礼を行う事にした。


 リドネイの前へと進み出るミオルディア。そのまま、彼女に向けて右手を掲げる。すると、大広間でのティエメドラ達と同じく、神々しい光を発しだした。リドネイの身体が輝きだし、彼女の目の前に輝く物体が現れる。


 神々しい光が収まると、輝く物体が現形を留めだす。セアレス達の時と同じく、大剣の形の物体だ。しかし、その刀身は漆黒色に染まっている。


 魔獣ミオルディアの性質からすれば、顕現化された獲物は魔剣である。だが、闇属性であるにも関わらず、マイナスの力を有していない。ニュートラルの力と言うべきか。


 この場合、魔剣はプラスにもマイナスにも傾く性質だと言える。使い手の属性次第では、聖剣や神剣にも、果ては魔剣にも成り下がると言う事だ。


 己自身の一念次第で、全てが変わる。特殊的な獲物ではあるが、この概念自体は警護者自体にも十分当てはまるだろう。俺も常々用心せねばならないと言う事だ。


    第11話・2へ続く。

 昨日挙げた通り、1話余裕ができたのでアップさせて頂きますm(_ _)m これ以降は流石に厳しいですが><; よろしくお願い致しますm(_ _)m


 リドネイ嬢が魔獣の巫女に@@b 名前こそダークな雰囲気の魔獣の巫女は、ダークエルフの彼女だからでしょうか(何@@; まあ、属性自体はプラス面なので善心側ですがね(-∞-) しかし、変幻自在の獲物は、言わば「ライトセーバー」な感じでしょうか><; 何とも@@;

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