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覆面の苦労人 ~遂行者代理の生き様~  作者: バガボンド
第1部 遂行者と警護者と
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第9話 男爵家との一計7 王城への進軍(キャラ名版)

 評価とブックマークの追加、本当にありがとうございますm(_ _)m 今後も頑張らねばU≧∞≦U


 最近は詳細描写側に慣れてきてるので、この流れで進めば良いでしょう。問題は、探索者と警護者ですが・・・><; 何とも(-∞-)

 翌日の早朝。俺とナーシャとティエメドラは、ヒューレイム男爵家の前にいた。幾分か眠気が残っているが、これから起こる事変に変な興味が湧き出している。ティエメドラなんか、エラい興奮気味である。


 既に男爵家邸宅には、当主のミューテに令嬢のセアレス、使用人のサミナとユミア、護衛のルデ・シスターズにリドネイしかいない。他の面々は、数日前からラフェイドの街に退避している。向こうでは、テネット達が一切合切応じてくれているようだ。


 大門の前で合流すると、簡単に自己紹介を行う女性陣。特に聖獣ティエメドラの存在は、男爵家のミューテ・セアレス・サミナ・ユミアには強烈過ぎたようだ。猫人族の三姉妹も同じ感じである。


 そして、ミューテとセアレスのスキルが開花した。今は決戦の時まで挙げないが、それが王国にとって強烈な決め手になる事を確定させられた。そう、確定である。



 話は反れるが、3種の獣の神の属性は、それに該当する絶大な威力を持つ武器にも宿る。聖獣なら聖剣、神獣なら神剣、魔獣なら魔剣、な具合だ。


 各国は超越したその力を有したいと画策している。しかし、それには3種の獣の神の認証がなければならない。つまり、彼女達から直接認められなければならないのだ。


 そして、その認証を行う存在、仲介役が巫女である。聖女・神女・魔女的な感じだろうか。魔女と言う名はマイナスに聞こえなくはないが、立派な神属性の存在らしい。ここは該当者の意見に委ねるしかない。


 その巫女が獣の神に認証される事により、絶大な威力を持つ武器を顕現させる事ができる。この仕様には驚くしかないが、ファンタジー世界観仕様と割り振るしかない。



 薄々は感じ取れるとは思うが、ヒューレイム男爵家は聖獣ティエメドラに親しい存在だ。つまり・・・“それができる”と言う事である。


 王国側が喉から手が出るほど欲しそうな力を、これから婚約破棄をするであろう男爵家が持っている事になる。確実にその破棄が行われた後に顕現化すれば、強烈な一撃を放つ事ができるのだ。


 悪役令嬢と題した介入作戦だが、ここまで強烈な一撃を放てる断罪イベントは他にはない。正にチート性能である。これは色々な偶然が重なった事もあり、創生者ティルネアも呆気に取られているようだった。


 ともあれ、これは直接連中に知らしめるのが良い。その時、連中の慌てふためく姿は見物であろうな・・・。



セアレス「おはようございます。」

ミスターT「おはようさん。」


 邸宅前で待つ事数分、内部から4人が現れる。本来ならば、女性らしい姿をするのだが、今の彼女達はタキシードを着込んでいた。ミューテは男爵夫人ながらも、現状は当主なので理に適った様相か。


 逆に男爵令嬢のセアレスは、令嬢という事からドレス姿が一般的だろう。だが、今の彼女もタキシード姿である。サミナとユミアもタキシード姿が様になっていた。


 これに関しては、王城側への一種の当て付けらしい。男尊女卑の色が濃い異世界事情から、女性が男性の姿をするのは不敬らしい・・・。実に馬鹿げた話である・・・。


 むしろ、動き辛いドレス姿でいる方が、実務に関しては絶対的に不利だ。ドレス姿を貶すのではないが、実際には実働に支障を来たすかどうか、である。警護者的な考えだが、これは全ての物事に当てはまる。


 そう言えば、“とある”身内がステテコを愛用しているのに爆笑した事がある。理に適った衣服なのは事実だが、その言動とギャップの差には呆れるより笑わせられた。つまり、所詮は効率が良いかどうか、である。見た目ではない。


ミューテ「あー・・・その様に思われていたのですか・・・。」

ミスターT「はぁ・・・心中読み、ありがとうございます・・・。」

セアレス「アハハッ、まあそう仰らずに。」


 元は女性らしさを貫いていたミューテが、俺の心中を見抜き呆れ顔である。対して、娘のセアレスは見事だと同調してきてくれていた。


 そもそも、母のミューテが男臭さ溢れる姿をしていれば、それを見た娘のセアレスも感化されるのは言うまでもない。特に2人とも、冒険者としては最強クラスの腕前を持っている。理に適った方を取るのは定石だろう。


セアレス「女だから弱いとか、女だからダメだとか、そう言った意見はホトホト呆れ返りますよ。逆に、ミスターT様が思われる一念の方が、遥かに女性を称えて下さりますし。」

リドネイ「セアレス殿も男性気質がお有りですからね。」


 ぶっきらぼう的に振る舞うセアレス。男爵令嬢あるまじき行為だが、俺としては可憐にしか見えない。確かに、お淑やかな女性も素晴らしいが、ワイルドな女性も実に素晴らしいのだ。


ティエメドラ「はぁ・・・貴方様は女性誑しですね・・・。」

ティルネア「まあまあ、それがマスターの良い所ではないですか。」

ミスターT「何とも。」


 俺の言動に、呆れ顔のティエメドラである。出逢ってから時間が浅いからか、まだこちらの様相を把握していないようだ。と言うか、同じ時間が浅いセアレス達は、まるで盟友の様な感じである。


 まあでも、こうして些細な事で笑い合えるのは、本当に有難い事である。彼女達の笑顔を絶やさぬよう、今後も奮起して行かねばな・・・。



 雑談もそこそこに、俺達は王城へと歩みだした。この手のケースなら、客馬車を使っての移動だろう。だが、ここは堂々と徒歩で現地に向かう事にした。これに関しては、“独立的”に動けるようにしたためだ。


 客馬車を用いた場合、現地での事変後の行動が厄介になる。最悪は、兵士達と一戦を交える事が起こり得る。その場合は、移動がデカい客馬車よりも、一同を守りつつ動ける徒歩の方が遥かに良い。これは、地球での警護者での行動も同じである。


 まあできれば、“強力な移動手段”があれば申し分ないが、今はそれが叶わないため、徒歩を選んだ次第である。


 問題は、それら事変の後だろうか。王国からの脱出が挙げられる。超大な力により、追撃を諦めさせる手段があれば良いのだが・・・。



 そんな事を思案していると、傍らでニヤニヤするティルネアである。そう、自分の力を使えと無言で語ってきたのだ。更には、ティエメドラの方もニヤニヤしているではないか。


 そんな中、閃いたのが彼女である。聖獣というだけに、聖獣自身に変身すれば良いのだと。言い方は失礼だが、彼女に騎乗すれば移動力は申し分ない。彼女もミオルディアと同じ、3m以上の巨体ならば、俺達を乗せても問題なく動けるだろう。


 実際に試す時間はないため、ぶっつけ本番で挑むしかないのが玉に瑕だ。まあでも、奥の手としてあるのなら、それはそれで強烈な一手になるのは言うまでもない。


 ここは、ティエメドラの聖獣としての機動力に期待しよう。まあ、最悪の事態に至らないに越した事はないのが実状だが・・・。




 王城への道程は、それ程遠くはなかった。しかし、男爵家一同が徒歩で向かう様は、異様とも言えるだろう。現に、城に近くなればなるほど、周辺を巡回中の兵士達の視線を浴びる事になった。


 王城でのパーティーは、正午より開始されるとの事だ。それまでに、現地に到着する必要がある。むしろ、別の問題がある。ティルネアは俺の身体に憑依戻りするので問題はないが、リドネイとナーシャは無論、アルデ・カルデ・セルデの3姉妹にティエメドラをどうするかで悩んでいた。


 そこで、一計を案じてくれたのがサミナとユミア。2人が使用人と同時に警護人であるのを利用し、2人の補佐にする事を進めてくれた。男爵家だと発言権は低いのだが、それでも貴族であるのは間違いない。それなりの警護人がいるのは事実である。


 衣服に統一性はないので、この点も問題ないだろう。むしろ、“それなりにやれる”と周知させる方が重要のようだ。これに関しては、リドネイ達は全く以て申し分はない。



 表向きには、黙りの状態で歩く俺達。しかし、裏では念話による雑談をしながらの行軍だ。そう、行軍である。赴く先で一戦を交えるのだから、行軍は理に適った言い回しである。


 そんな中、目の前に巨大な城が見えてきた。優雅な佇まいは異世界仕様そのものだ。だが、その優雅さの中に根付く“黒さ”に気付いてしまう。ティルネアと同期している他の面々も、同様にそれを感じ取ったようだ。


 そう、王城から発せられるオーラは、間違いなくマイナスの力を孕んでいる。ここまで露骨に現れているのは、そこが悪の巣窟であると言っているようなものだ。


 ここを完全に破壊するのは、相当骨が折れそうだ。そのためには、帝国や魔界の力を用いるのが無難だろう。利用し利用されるのは好かないが、全ては世上をプラスの力で満たす事だ。創生者ティルネアの悲願でもある。




 城門もまた、エラいデカさの面構えである。その前で警備中の兵士達が、こちらに気付くと敬礼をしてきた。反射的に、俺も警察官風の敬礼をしてしまう。それを見た女性陣は、呆気に取られていた。


兵士「ようこそ、男爵当主様。」

ミューテ「ありがとう、お世話になります。」


 兵士からの言葉に、優雅に一礼をするミューテ。女性の礼儀ではなく、男性の礼儀を貫く。彼女の一念が窺えた感じである。むしろ、形作っているものではなく、素で出ているのも事実である。


 ミューテやセアレスの一礼に、温和そうな表情を浮かべる兵士達。これを窺えば、彼女達が普段からどの様な生き様なのかが見て取れる。それなのに、これから行われるであろう事変を考えると、怒りと憎しみが湧き上がってくる・・・。


セアレス(マスター、ありがとうございます。ですが、今は黙認して下さい。)

ミューテ(兵士の方々は、実務に忠実な存在です。むしろ、これから出逢う“貴族共”の方で、その感情を出さないで頂ければ。)

ミスターT(そうか・・・分かった。)


 念話を通して諫めてくれる2人。念話がなければ、アイコンタクトで語るのだろう。だが、今はこうした最強のコミュニケーションツールがある。出し惜しみせずに力を使う姿勢は、ある意味見習わないといけない。



 巨大な城門が開き、俺達は王城内へと向かう。ここから内部へは、まだまだ歩きそうだ。その間も、無言と言う名の念話で雑談するのが、何とも言い難い・・・。


 その道中で目にしたのは、数多くの豪華な客馬車が停車している。それだけ、招かれた客達が位の高い存在である証拠だろう。同時に、城下町の様相を踏まえると、貧富の格差に苛立ちを覚えずにはいられない。


ミューテ(ええ、そこは同じ思いです。そもそも貴族とは、民を慈しみ労う存在。彼らの見本となる存在なのです。)

セアレス(それがどうですか? この様相を見れば、その行動をしない連中であると。)

ミスターT(ああ、カス共の遊戯会は定石だしな。)


 一服でもしたい気分だが、今は立て前の目線があるので思い留まった。それを感じ取り、周りの女性陣が小さく笑ってくれている。彼女達も俺と同じ思いなのだ。


ティエメドラ(はぁ・・・これだから権力者は好きません・・・。)

ティルネア(仕方がないですよ。それだけ、力を固持しようとするのが弱者の姿勢ですし。)

ミスターT(・・・創生者らしからぬ言葉だが、お前さんの言葉に大いに同調するわ。)


 本当である。ティルネアの発した言葉は、中立的な存在たる創生者には似合わないものだ。それだけ、世上のマイナス面には呆れ返っているようだ。


 それに、プラスの力と違って、マイナスの力には際限がない。闇と同じく、何処までも暗く深い存在だ。ブラックホールと例えるべきだろう。光さえも脱する事ができないのだから。


 俺としては、闇の力の方が好ましい感じである。警護者の存在は、限りなく闇そのもの。そこに、光などの力を持たせる事が重要である。基本属性が闇であろうが、闇に堕ちなければ全く問題はない。


 まあ・・・言うは簡単・行うは難し、ではあるがな・・・。



 その後も、浮世絵離れした様相を目にしつつ、裏では念話雑談をしながら進んで行った。今後起こるであろう事変を思い浮かべ、その流れをどう転ばしてやろうかと画策もした。


 地球の身内が挙げる、各作品で有名な悪役令嬢の断罪イベント。そもそも、悪役令嬢となるセアレスが、その身分ではないのは百も承知だ。だが、この流れからすれば、その役割は適任となるのだろう。


 むしろ、彼女やミューテ達からすれば、男爵家の柵から脱したいのが実状である。王国からの脱出もしかり。ならば、その断罪イベントを良い方に利用してやるに限る。


 ここは、それなりに知識と技術がある俺の出番だろうな。烏滸がましい限りだが、それで彼女達が救われるなら万々歳である。


    第10話へ続く。

 王城へと殴り込み(何@@; 断罪イベントを態と引き出すのは、逆にイベントフラグをぶち壊しに向かう感じでしょうか><; 味方側の悲惨や不幸は絶対に避けますよ(=∞=)


 しかし、冒頭でも挙げた通り、詳細描写の流れに慣れてきだしています><; この調子で更に慣れて身体に染み込ませれば、今後の執筆が有利になって行くでしょうね@@b


 が、こちらも冒頭で挙げた通り、探索者の方がマズい事になっていますが><; 警護者は残り僅かの話数で完結まで持ち込めるので、ラストだけ詳細描写型にしつつ完結させようと思います。探索者側がネックですが><; まだまだ修行が足らない証拠ですわ、頑張らねば(-∞-)

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