第9話 男爵家との一計5 念話の力と自由な行動(キャラ名版)
ヒューレイム男爵家での謁見後、一度解散となった。今後の問題もあるため、セアレス達には邸宅を出ないように促した。また、不測の事態を想定して、アルデ・カルデ・セルデの3人を彼女達の護衛に派遣した。三姉妹の境遇も話してある。
この場合は、持ちつ持たれつ投げ飛ばす、の気概となる。流石に“投げ飛ばす”は除外する事になるが、お互いに守り合える事で安心感を生み出すに至る。それに、三姉妹の個人スキルの強さは、今の男爵家に重要な戦力となるだろう。
リドネイとナーシャは、俺と共に行動する事にした。謁見までの間に、ティエメドラを発見する事である。この場合はナーシャの力が必要だ。
ティエメドラの所在は、ナーシャの探索力に委ねるしかない。俺やリドネイには、聖獣の所在地を把握する事は不可能である。王国内部に居る事は確かなのだが、なかなか見つからないのが実状となる。
奥の手としては、ティルネアの力を使うしかない。彼女の力なら、問題なく発見する事が可能だとも挙げていた。まあ、これは奥の手なので、できれば俺達の力で発見したい所だ。
王国の密偵に関しては、どうやら二手に分かれたようである。特に主力部隊は、俺の方にターゲットを向けている。男爵家の方は、一応の監視という形だろう。
また、三姉妹を邸宅に招く際、カモフラージュとして向かわせる事にした。彼女達には少々申し訳なかったのだが、食品の物資運搬に紛れて、木箱に入って貰っての移動である・・・。だが、効果の方は絶大だった。
俺が警護者という役割で、密偵を行っていたのなら、見抜けたかも知れない。過去に同じ様な展開に遭遇し、事前に俗物を始末する事ができている。
まさか、あの出来事がここで役立つとは・・・。異世界事情は、何でもござれな感じだと言わざろう得ない・・・。
ちなみに、ここでも反則技を使う事にした。創生者ティルネアの分体を使った、念話による通信手段である。その力を与えたのは、サミナ・ユミア・セアレス・ミューテの4人だ。実際にティルネア本人と対面しているため、問題ないという形になった。
こうなると、今後を考えて分体の部分を改善する必要が出てきそうだ。例えば、指輪などのアクセサリで念話ができるようになる、である。ただ、門外不出にさせる必要が出てくるのがネックだろうか・・・。
一時的に付与として施す事も良いかも知れない。無論、後々にその力を失わせる必要があるのだが。こんなオーバーテクノロジーが世に出回ったら、ドエラい事になりかねない。発動となるキーも必要だろうな。
例えば、善心に反応させる事により念話が可能になる、これだ。まあ、これは参考程度にしかならないだろうがな・・・。
突拍子に浮かんだプランなのだが、これが後々大きく開花する事となる。今の俺には想像もできないテクノロジー、それが淵源となるのだった・・・。
セアレス(・・・念話の力は、物凄いものですね・・・。)
独立した行動を展開する俺達だが、連絡に関しては念話が猛威を振るっていた。その恩恵に与っているセアレス達は、目を白黒させているようだ。
今は王国内での念話に留めているため、ラフェイドのウェイス達とは通話は行っていない。謁見事変などが終わった後、改めて通話する流れで良いだろう。
ミューテ(・・・これは、誰でも使えるのでしょうか?)
ティルネア(“善心”と“中心”があれば、使えるようになりますね。)
サラッと語るティルネアに、噴き出しそうになった。ミューテが挙げた疑問、念話の使用方法である。どうやら、先刻思い付いたプランを実行してくれたようなのだ・・・。
ただ、今現在は“善心”と“中心”というキーのみで、分体の付与こと憑依が必須となる。となれば、何れアクセサリを使ったアイテムに切り替えた方が良さそうだ。これはもう、決定事項な感じである。
ナーシャ(・・・マスターは、とんでもないプランを考えたりしますよね・・・。)
ミスターT(・・・心中読み、本当にありがとうございます・・・。)
リドネイ(アハハッ、まあそう仰らずに。)
こちらの心中を読んだナーシャに、恒例の茶化しを入れてやった。そんな俺を慰めてくれるリドネイである。本当に何なんだか・・・。
ここで、ティルネアより補足があった。それは、念話は使い手の一念の強さ次第では、相手に思いがダダ洩れしてしまうと言う。つまり、俺の一念の強さは、かなりのレベルであると言う事だ。
そう言えば、地球の身内達からも、俺の一念の強さは凄まじいと太鼓判を押されている。無論、向こうでは念話など存在しない。この場合は、心の強さと言うべきだろう。どうやら、ここ異世界では、その力が目覚ましく発揮されているようである。
地球からの転移者に関しては、チート的とも言える超常的な力が付与される。実に信憑性がない概念だったが、俺の実力を窺うと否が応でも信じざろう得ないわ・・・。
ミスターT(・・・セアレスの体調は問題ないか?)
セアレス(はい? 全く問題ありませんよ?)
ミスターT(そうですか・・・。)
現状の確認をしている際、セアレスの体調に関して気になった。実際に彼女に安否の確認を行ったのだが、素っ気無く言い返されてしまう。
うら若き乙女たる彼女を踏まえれば、今の顔の負傷は実に居た堪れない。何時でも治療は可能だが、その負傷すらも武器に変えている現状は、辛過ぎるとしか言い様がなかった。
ミューテ(馬鹿ねぇ、貴方の顔や精神面を気に掛けてくれているのよ。)
セアレス(あっ・・・す・・すみません・・・。)
俺の一念を察知したミューテにより諫められるセアレス。それだけ、母親としての苦痛になっているのだろう。だが、強力な武器なのは間違いない。
言葉は悪いが、ヒューレイム男爵家の肝っ玉の据わり様を見てると、見事としか言い様がないわ。それだけ修羅場を潜った数が多い証拠だろうな。
リドネイ(私も奴隷の身分で居た頃は、身体の傷や病による侵食に苛まれていました。お嬢様の容態には程遠いですが、その苦痛は身に染みる思いです。)
ミスターT(んー・・・セアレスには悪いが、リドネイの方が辛かったと思うが。)
フォローを入れるリドネイ。だが、彼女の当時の容態の方が、今のセアレスより遥かに辛く厳しいものだった。下手をすれば、死活問題に至っていたのだからな。ただ、セアレスの顔の負傷は、女性としては致命的なもの。同時に精神面へのダメージも相当なものだと思える。
どちらにせよ、女性への悪態には怒りと憎しみを覚えずにはいられない・・・。そして、当事者の大多数は野郎共が多い。同性として本当に恥かしい限りだ・・・。
ミスターT(・・・とっとと“断罪イベント”を潰して、腐り切った国からオサラバするか。)
ティルネア(フフッ、断罪イベントとは・・・。どちらかと言うと、それを誘発させようとしているのが実状ですけどね。)
ミスターT(“フリーシナリオシステム”そのものよ。)
徐に一服しつつ、身内に進められてプレイした“ゲームのシステム”を挙げてみた。先の断罪イベントも、各作品の悪役令嬢で有名なフラグである。それを誘発させるのに、自ら道を切り開けるイベントへの譬喩である。
同ゲームでは、大まかな出来事とラスト以外は、そこへ向かう道筋は一切定まっていない。プレイヤー次第でシナリオが変わってくるのだ。これは今の俺達に言い当てられる。
それに、自ら道を開くと言う部分は、人生論にも十分当てはまってくる。人生自体がフリーシナリオシステムそのものなのだから。
リドネイ(んー・・・その断罪イベント直後の展開が、何となく読めて来たのですが・・・。)
ミスターT(ネタバラシは勘弁な。お楽しみは後に取って置くものよ。)
リドネイ(クックックッ・・・。)
ティルネア(貴方様も悪ですねぇ・・・。)
今後の展開を読んだリドネイとティルネア。2人して、見事なまでに茶化しを入れて来た。前の彼女達では考えられない言動である。この数ヶ月で俺の内情を把握し切ったのだろう。
そんな俺達のやり取りに、呆気に取られる他の女性陣。特にセアレスとミューテは、完全に呆れ返っている。ただ、それが痛烈なまでの一撃になる事は、彼女達の気質から読み取っていると思われる。伊達に冒険者ランクSの実力者ではない、と言う事だわな。
これ、ここに地球の身内達がいたら、更に突っ込んだネタの応酬をするのだろう。その様相を思い浮かべて、小さく笑ってしまった。
人は1人では生きては行けない。過去にも挙げた概念だが、今も痛感させられる思いだ。こうして、周りが居てくれるから、己自身を維持する事ができる。特に淋しさの部分では、如実に現れていると言っていい。
それを、一時でも1人が良いと思った俺自身には、超絶的に馬鹿であると言ってやりたい。実際にこうして、周りからの恩恵に与れているのだ。馬鹿な概念であると言わざろう得ない。
この様に過去を振り返るからこそ、曲がらずに先に進む事ができる。そして、同じ様に苦痛に苛まれている存在を支える事ができる。本当に感謝するしかない。ならば、後は前に突き進むのみである。
第9話・6へ続く。
フリーシナリオシステム@@; ロマサカ系やサガフロ系の醍醐味ですね@@b ちなみに当方、今だに初代サガフロをプレイしています><; アレンジのサガフロはPS5がないので無理ですし@@; まあ、オリジナルの方が手頃で動作が軽くて楽しいですよU≧∞≦U
念話の力は、5大宇宙種族のあの力と同じですね。しかも、善心と善心寄りの中心の人物にしか使えない代物と。つまり、創生者ティルネア嬢の正体は・・・となります@@; これは後々、打ち明けられる事になるので、今は伏せておきますm(_ _)m
まあ・・・苦労人の後続作品が、警護者本編と探索者に続くので、薄々は感じ取られるとは思いますが><; スターウォーズのエピ4・5・6の後に、1・2・3と続くのと同じ感じかと><; 大きな展開(アナキンさんの行く末が顕著)が読めてしまうという(-∞-) 何とも><;




