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ST.4 不良校は腕力重視

 さて、次の学校に向かいますか。

 役に立ちそうな情報はあるかな? 近い順で

 検索してっと。えっと、不良校なのか。

 不良校なら私の説得ステータスも結構必要に

 なってくるのかな。でも危険度はE、

 平均レベルはさっきと変わらず20だし、

 大丈夫なのかな?


 行くの怖いけど、皆が笑顔になるためだし、

 ここは気合い入れないとだよね。

 恐れおののく自分を押し殺してでも行くんだ。

 皆を笑顔にするために。教師って言うのは

 生徒に好かれるだけ、慕われるだけが全てじゃ

 ない。時には嫌われる覚悟で、殴られても

 良いと思うぐらいの覚悟で、生徒が笑顔に

 なれる道を示さなければいけないんだ。 


 この角を曲がれば不良校がある、絶対に逃げずに

 皆の心を改心させるんだ。一歩踏み出して、

 絶対に生徒の子達が幸せになれる道を

 示すんだ。


 玄関前に生徒の子達が居るね。まずはあの子達を

 なんとかしないと。 


「何で学校の見回りなんざしなきゃいけねーの」


「知らないけど、タクミさんがそう言うし

 仕方ねえだろ」


 なるほど、あの子達は年上の人に言われて

 ここら辺を見回ってるわけね。 


「君たち」


「え、先公じゃん。来るなんて珍しいな」


 先公?! すごい呼び方されちゃった。不良校だし

 仕方ないのかな? でもちょっと傷つくな。


「不良校だから危険度低くても誰も来ないのにな」


 なるほど、周囲からは距離を置かれている訳ね。

 少ししか話してないけど、言葉遣い気にしなかったら

 いい子達っぽいけど‥‥‥


「先公は何しに来たんだ?」


「私は各地の校内戦争を終わらせるために

 学校を周ってるの。ここ2校目だけどね」


「2校目ってことは先公、Lv大分低いだろ。

 ちょっと殴りかかってみよっと。

 無理だろうけど、

 止めれたら通してやるよ。Lv10程度と

 みた」


 え、待ってよ。暴力ステータスなんて無いし、

 私には身体能力も無いから、男の子のパンチ何て

 止められないよ。ともかく、手の平で受ければ

 少しは衝撃マシになるはず。


「あれ? こいつ微動だにしないぞ。本気で

 いったのに」


「は? どうなってんの低Lvの先公じゃお前の

 殴りは止められないはずじゃないのか?」


 ホントだ、意外とあっさり止められてる。

 何で? 教師としてのLvがあがっても、

 身体能力は上がらないよね? 体育教師なら

 まだしも、私は世界史担当の教師だし。


「つか、先公、何Lv?」


「Lv730だよ」


「は? まじで言ってる? そんな先公がこの辺に

 いるなんて情報知らないぞ。

 そらお前のパンチなら余裕で止められるわ……

 Lv730とか基本ステータスの値がバグってるし」


 私は不思議に思って電子教員免許証を開いてみる。

 プロフィールから、ステータス一覧というところを

 開くと、「基本ステータス」と

 「専用ステータス」ってのが出てきた。


「何これ?」


「ここまでレベルあがってて知らねえのか?」


「うん」


 2人の生徒は凄く驚いた様子でいるけど、私は

 まだこの世界に馴染めて無いし。てか、自分の状況も

 ぎりぎりで飲み込めてるだけだからね。


「まあ面白い奴だし、これくらい教えてやるか。

 基本ステータスは皆が持ってるステータス。

 専用ステータスは職業によって内容が変わるんだよ」


 へえ、そんなのがあるのか。確かに基本ステータスを

 見てみると、どれも戦闘に役立ちそうなものばっかり。

 私はLvが高いから、基本ステータスも高いんだね。

 だから今、あのパンチを止められたのか。 


「おら、通してやるよ。約束だし、それに普通に

 戦って勝てる相手じゃ無いしな。頑張れよ、

 面白い先公」


 あの2人とは少し仲良くなれたかな?

 でもこの学校皆を笑顔にするには、トップを

 改心させないと。タクミさんだっけ?

 その人がどこにいるかなんだよな。


「うわ、大人が居る! って事は教師か。

 立ち去れよ! このクソ教師共め」


 危ない、間一髪よけれたけど急に襲い掛かって

 来たら怖いよ。この子を何とかしないと、

 先には進め無さそうだな。


「ぶっ飛ばすぞ!」


 さっきからこの子、喧嘩っ早すぎない?

 この子には話しかける隙が無い。実力行使だ。

 ごめん、少し抑えさせてもらうよ。


「あり? 僕、返り討ちにされちゃってる感じ?」


 そんな感じですね。これで動きは封じれたけど、

 ずっとこのままじゃ、トップの元へは行けない。

 でも縛るのもかわいそうだしな。


「降参だよ! 絶対勝てないし!」


 良かった。それならこの子を縛っておくなんて

 酷いことしなくても良さそう。

 じゃあ解放してあげよっかな。


「あ、タクミさんって人はどこに居るの?」


「この学校の戦争終わらせに来たんだね。

 タクミさんは3階の一番奥にある教室にいる。」


 なるほど。3階の一番奥にある教室に向かえば

 良いって事ね。これで手当たり次第に探す必要は

 無くなったからよかった。


「ありがとう、君は解放するね」


 私は抑え込んでいた男の子を解放した後、全速力で

 階段に向かって走った。理由は1つ。後ろから

 襲われない様にするため。この階段は3階まで

 続いているし、タクミさんとやらの元まで急ごう。


 階段を登り切ったは良い物の、見えるのは一番奥の

 教室前に男の子が2人居る姿か。流石に

 2人相手はきついんじゃ? 向こうは恐らく

 喧嘩慣れしてて喧嘩も強いはず。でもこの学校の

 生徒たちも、笑顔になってほしいから。


「おい、誰だあいつは」


「生公だろ。食い止めるぞ」


 暴力は嫌だけど、これは拳骨。2人を笑顔にするためだ。

 私は1発だけ打ち込んで終わらせようと考える。

 だって、1発大きいの打ち込んじゃえば、片方は

 襲ってこないだろうし、打ち込んだ方はダウンするから

 無駄な暴力をせずに済む。まず暴力に頼るなって

 話なんだけどね。


「いてぇ……」


 上手く入ったみたいだ。打ち込んだ方は座り込んでいる。

 もう片方の生徒は‥‥‥


「くそ、お前何なんだ!」


 殴ってくるのは予想外だけど、こっちは抑え込めば

 大丈夫。抑え込んでる間に片方が攻撃してくるなんて

 事は今の状況じゃ有り得ないからね。


「ごめんなさい、暴力は振るいたくないけれど、

 こうするしか無くて……」


「自分を殴ろうとした奴を返り討ちにして謝る教師、

 見た事ねえよ」


 悪態を吐きながらも諦めたかの様に体の力を抜く彼は、

 何やら嬉しそうだった。


「あんたを見てると教師って意外と捨てたもんじゃ無いと

 思えてきた。俺は教師って横暴な輩だと思ってた」


 私は自然と彼を解放するけれど、彼は私に殴りかかったり

 せず、タクミさんのいる部屋に入って行った。

 私が何だろうと思って聞き耳を立てていると、

 怒鳴り声が聞こえてきて思わず腰を抜かす。

 まさか、あの子怒られてるの?

 可哀想だな。


「おい、あんたが先生か。悪いが、俺は絶対に

 校内戦争を終わらせはしないぞ。」


「何で?」


 気になった事は聞く、それが私だ。たとえどんな相手

 でも、気になった事があれば聞く。

 聞くは一時の恥聞かぬは一生の恥って言うじゃない?

 それに聞かないと損しそうだしね。


「先生ってのは嫌いでな。特に理由は無いが、

 うざいから。」


 私が暴力に頼らず、幸せになれる道を示してみせる。

 だから、絶対に君には負けないよ。勝って、道を

 示すんだ。それが今、私のやるべきことなんだ。

読んでくれた方、ありがとうございます!

良ければブクマ、評価、感想お願いします。



次回はタクミさんとの闘いです。タクミさんの立ち位置って何だろうと思われそうなので言っておきます、番長です。

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