ST.2 最初の学校
意外と近くに学校少ないな。小学校・中学校は
結構あると思うんだけどね。とりあえず
大きな通りを歩いていれば1校くらい見つかる
はず。路地裏通って行くような学校そうそう
無いからね。安全面の問題から。この大きな通りを
ずっと進んでいこう。
「我々では勝てない‥‥ こちの方がレベルが
高いとはいえ、子供とはポテンシャルが違う。」
「レベルを上げてステータスがあがれば良いけど、
悠長にレベル上げしてる暇じゃ無いしな。」
「いつからこの国の学校はこうなちゃったのよ‥‥」
道の先に見える、嘆き合ってる人たちは何なんだろう。
でも聞こえてくる話の内容から考えて、あの人たちは
教師? まさか校内戦争で生徒たちに負けて
あんなところで嘆き合ってるのか。少しでも多くの
学校で教師と生徒が仲良くしてほしいし、ここは
私があの人たちと学校に乗り込んでしまえば、
生徒たちを説得できるかな。よし、やってみるか。
「あの、すいません。貴方たちは教師ですよね?
生徒たちとの戦争、鎮めに行きませんか?
もちろん私も着いて行きます。」
う、不審がられてる。そりゃ、急に話しかけられて
こんなこと言い出されたら皆、こんな反応になるよね。
「あんた、正気か? うちの学校の子供たちのLvは20。
大体の平均だけどな。子供たちに勝つにはこれ+10は
いる。」
という事はLv30あれば勝てるって事か。なら全然大丈夫。
私はLv730らしいしね。あの勝手な統治者に嘘つかれてる
可能性あるけど。
「なら大丈夫ですよ。私、Lv730なので。」
皆が一斉にきょとんとしてるけど、どういう事?
そんなに珍しいのかな。確かに、勝手な統治者曰く、
私は最強に近い存在らしいし、Lv730はかなり高い事に
なるのかな。
「いやはや、これは驚いた。このあたりにそんなLvの
教師がいたとは。」
「嘘かもしれないぞ。おい、お前、電子教員免許証を
見せろ。そこにはLvが記されているからな。」
電子教員免許証? そんなのあるっけ。
勝手な統治者からはそんな事何一つとして聞いてないけど。
ポケットとかには入ってないね。あ、こういうのって
胸ポケットに入ってたり‥‥
あった。
「ほら、早く見せてみろ。」
電源を入れると、私のLvやステータスが事細かに記された
画面が出てきた。そこには確かに、「Lv730」と
書かれていた。良かった、あの勝手な統治者に
嘘言われてたらどうしようかと思ったよ。
「おい、嘘だろ‥‥」
「ここら辺にこんな超高Lvの教師が居たら噂の1つ
立つもんでしょ。」
私は今さっき、この世界に転生してきたから誰も
知らなくて当然だよね。ところで、
この人たちのLvってどれくらいなんだろう。
聞いたら皆、落ち込む気がするから聞かないで
おくけど気になるな。
「お願いします、私たちと共に戦ってください。」
「まずは話をして、説得が出来なかったら、
戦います。」
何もしてないのに手を上げたりしたら可哀想だし、
良くないもんね。生徒たちはきっと、私たち教師に
反感を持ってるから校内戦争するんだし、余計に
反感買う様な事したらもっと校内戦争が
酷くなるだけだと思うし。
「ありがとうございます! では学校に案内しますね。」
学校ってどんな感じになってるんだろう。結構汚れて
荒れてそうなイメージ。ずっと生徒たちだけで
居る訳だし。
「この角を曲がった所です。」
周辺は荒れてる感じはない。曲がった先の学校は
どうなってるんだろう。この世界に来て一番初めの
学校は、っと。
「ここです。生徒たちは皆で固まっているので。」
かなり荒れてる感じだね。でも生徒たちはちゃんと
考えてるみたい。椅子とか机を重ねてバリケードを
作ってるし。積み上げ方は不安定で直ぐに突破
出来そうだけど、多少は足止めになる。
「私たちを追い払った後、バリケードを作り直した
みたいですね。」
なるほど、つまりこのバリケード取っ払ったら
良いのかな? 下を軽く蹴れば壊れるかな。
ここの部分崩せばガラガラっと崩れていくか。
えいっ。
あれ、思ってたような崩れ方じゃない。
雪崩みたいになるかと思ったら、割ときれいに
崩れた。崩した場所が良かったのかな。
「生徒たちが固まってる場所は知ってます。
職員室です。行きましょう。」
職員室までの道には驚いたことにバリケードが
全くない。あれだけで足止めになるはずは
無いとは分かると思うけど‥‥
それに机とか椅子が足りない訳でも無さそう。
教室には机とイスが残ってるしね。
何かあるのかな。職員室までたどり着かれても
良い理由。玄関前のバリケードだけじゃ、
多少足止めになるとはいえ、弱いしね。
「ところで、貴方はどこから来たんですか?
Lv730もある人の動向なんて、
一々噂になるものですし‥‥」
そうなんだ。知らなかったな。
まあ知らない事の方がほとんどだけどね。
この世界が何なのかすら分かって無いし。
「私はついさっきこの世界に転生してきた
ばかりで‥‥」
「どんなレベル上げしたら、さっき
来たばっかの人がLv730になるの‥‥」
戸惑ってるけど、これが真実だしな。
それにレベルは元から730だったし。
うーん、私ってこの世界では結構変なのかな。
レベル上げせずに元からLv730って言っても
皆、今みたいな反応になるのかもしれない。
「ここです、子供たちはみんなここに居ます。」
教師たちが扉を開けて勢いよく職員室に
入り込んでいくけど、大丈夫かな。罠とか
仕掛けられてそうだけど。
‥‥誰も罠とかに引っ掛かった様子はないね。
糸張ってたりとかもしてなかったのか。
私の予想は当たらず、罠は無かったみたいだ。
「また来たんだな。教師共。嫌程わかってるでしょ?
俺らには勝てないって。1人増えてるけど、
1人増えたところで、大して変わりはない。」
「本当に生意気だな。何度言えばわかる、
こんなことは良くない。止めるんだ。」
「はいはい、お説教は飽きたよ。新しい事
したら、話しの1つくらい聞いてやったのに。」
生徒たちのトップらしき男の子が教師たちの方向に
歩いてくる。恐らくだけど、暴力をふるうと思う。
さっきこの教師たちが嘆き合ってた時、
「子供とはポテンシャルが違う」って
言ってたから、きっと殴り合いが起こったんだ。
つまり、生徒たちが実力行使に出れば、
教師たちに勝ち目はない。
そうなる前に私が止めないと!
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